文字サイズ変更

黄金色の記憶

#15


「うん、暇だ。10回クイズしよう」


また変なことを言い始めたぞコイツ。
そんな目で周囲に見られているのも気にせず瀛さんは私に話しかける。

そういえば、仮面舞踏会は身分や素性がわかるのがNGだから本名で呼んだらダメなんだっけ。
じゃあ、どうやって瀛さんのこと呼ぼっかな。いや、普通に名前を抜かせば良いか。


「ねー、シャンデリアって10回いっ「シンデレラ」……」


答えを被せていえば「先に答え言わないで……」っと瀛さんは1000年以上生きたエルフの魔法使いみたいにしょぼくた。

そんな瀛さん横目に、この会場の人を見渡す。
シンプルなものから凝ったものまで……全員仮面をつけている。仮面舞踏会だし当たり前か。
じゃあ、観察できるのは体格やかろうじて見える髪型ぐらいかな。


あの人はタキシードだから分かりやすいな。筋肉量や体格、GIカットの髪型からして多分軍人さんかな。しかも外国人の。

あの人は……へー、この仮面舞踏会女装もありなんだ。じゃあ、男装もOKかな?私も男装やってみたい。

あの人はこの前テレビでやってた事業オーナーの……名前なんだっけ?結構難しい名前だったしな。後で確認しよ。

あの人はラフな格好してるけど、お抱え運転手がいるセンチュリーから出てくる所見たぞ。絶対お金持ちだ。


あの人は、あの人は、あの人は、って観察していて気づいたけど、顔を隠していても案外簡単に見抜けるもんな。意外。
あと、この舞踏会には色んな人が来ているんだ。まぁ、多様性の時代だしなー

なんて考えていたら一人の女性がコチラに近づいて来た。目線からして目当ては私じゃなくて、瀛さんなんだろう。
「やめとけ、この人はあんまりお勧めしないぞ」っと、念を送っても8cmのハイヒールは止まらない。
それどころか、寧ろ早くなってるし、瀛さんの隣にいる私のことも睨んでくる。

触らぬ神に祟りなし、ということでそれとな〜く退避しようとしたら何故か逆に引き寄せられた。

「何やってんだオマエ」の意味も込めて睨むとショショボモードから一転。楽しそうにカクテルを煽っている。
くっそ、何やってくれてんだ。めっちゃあの人睨んでくるんだけど。

このボタンは廃止予定です

2024/07/20 18:58

白鯨 ID:≫95W8biv8iH20g
小説を編集
/ 25

コメント
[0]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL