フローラル.
「アヤせんせーい!」
「はーい?」
廊下で叫ぶ、俺の声に振り返った先生。
ふわりとした金髪、何処からともなく溢れる、優しさと天然のオーラ。
誰からも愛されているこの先生は、俺たちの担任、アヤ先生。
・[下線]説明[/下線]
‣アヤ
21歳 男子
優しくてゆるふわな 天然
ハルとナルが通う学校の教師
好きな花:菖蒲(アヤメ)
「なぁに、ハルくん?」
「あのさ、『華香の儀式』の生贄って、どうやって選ばれるんだ?」
知らなかった。
俺たちは今まで、それを見てくる側だったから。
でも、今回は違う。
俺たちの命が、ああなってしまうかもしれない。
「うーん…、ボクも知らないなぁ…」
だよな、と思いつつ、礼をして帰る。
「やべっ……授業遅れんじゃん……」
次は、怒るととんでもなく怖いと噂の先生の授業だ。
遅刻したら、タダじゃすまされないかも____
「は⁉」 「ぁ、ちょ、!」
ドッカーン、と。
そんな効果音が付きそうなくらい完璧に、俺は誰かとぶつかった。
「いってぇ…、」
「[小文字]……黙れよ、[/小文字]」
「は?」
ナルだ。
間違いなく、このか細い声はナルだ。
「お前っさぁ…、謝罪の一言もねぇ、お詫びもねぇ、んだよこの[太字]クソ[/太字]が」
「ぇ………、」
俺は知っていた。
このナルは、[太字]偽り[/太字]であるということを。
本当のナルは____、
『んもうっ、ハルのバカっ! 何やってんの!』
もっと、俺に対して甘々しい。
例えれば、懐いている犬のようなものだ。
「はぁー……、もういい、行く」
スタスタと歩いて行ったナルの背中は、今までとは違く見えた。
「ぁ………、」
ナルの存在が遠くなったみたいで。
心の中で、静かに泣いた。
「っと…、でも、早くいかないと」
やっとの思いで立ち上がり、教室へと歩いていく。
「…てか、アヤ先生に聞かない方が良かったか……?」
アヤ先生は、昔、……十年ほど前。
[太字]姉が儀式の生贄[/太字]としてささげられ、その光景を目の当たりにしたことがある。
絶望と、怒りと、憎しみと、悲しみと。
感情がグチャグチャにさせられ、最後には、儀式の取り仕切者を殺しにかかろうともしたらしい。
「着いちゃった……、」
かれこれしてれば、もう教室のドアの真ん前。
仕方がなくドアを開けた。
今にも怒鳴られる。
そう確信していた俺は、少し驚いた。
「あ! ハルくん! やっと来たぁ~!」
「え? アヤ先生?」
何故か、アヤ先生が立っていたのだ。
「え? せ、先生? 違いますけど、」
「あぁ、あの先生は、今日お休みなんだってさ!」
危ないあぶない。
危うく、俺が詰むところだった。
「……で、どうして遅れたのかな?」
理由は知ってるだろ……、と呆れつつ、俺は口を開いた。
「はーい?」
廊下で叫ぶ、俺の声に振り返った先生。
ふわりとした金髪、何処からともなく溢れる、優しさと天然のオーラ。
誰からも愛されているこの先生は、俺たちの担任、アヤ先生。
・[下線]説明[/下線]
‣アヤ
21歳 男子
優しくてゆるふわな 天然
ハルとナルが通う学校の教師
好きな花:菖蒲(アヤメ)
「なぁに、ハルくん?」
「あのさ、『華香の儀式』の生贄って、どうやって選ばれるんだ?」
知らなかった。
俺たちは今まで、それを見てくる側だったから。
でも、今回は違う。
俺たちの命が、ああなってしまうかもしれない。
「うーん…、ボクも知らないなぁ…」
だよな、と思いつつ、礼をして帰る。
「やべっ……授業遅れんじゃん……」
次は、怒るととんでもなく怖いと噂の先生の授業だ。
遅刻したら、タダじゃすまされないかも____
「は⁉」 「ぁ、ちょ、!」
ドッカーン、と。
そんな効果音が付きそうなくらい完璧に、俺は誰かとぶつかった。
「いってぇ…、」
「[小文字]……黙れよ、[/小文字]」
「は?」
ナルだ。
間違いなく、このか細い声はナルだ。
「お前っさぁ…、謝罪の一言もねぇ、お詫びもねぇ、んだよこの[太字]クソ[/太字]が」
「ぇ………、」
俺は知っていた。
このナルは、[太字]偽り[/太字]であるということを。
本当のナルは____、
『んもうっ、ハルのバカっ! 何やってんの!』
もっと、俺に対して甘々しい。
例えれば、懐いている犬のようなものだ。
「はぁー……、もういい、行く」
スタスタと歩いて行ったナルの背中は、今までとは違く見えた。
「ぁ………、」
ナルの存在が遠くなったみたいで。
心の中で、静かに泣いた。
「っと…、でも、早くいかないと」
やっとの思いで立ち上がり、教室へと歩いていく。
「…てか、アヤ先生に聞かない方が良かったか……?」
アヤ先生は、昔、……十年ほど前。
[太字]姉が儀式の生贄[/太字]としてささげられ、その光景を目の当たりにしたことがある。
絶望と、怒りと、憎しみと、悲しみと。
感情がグチャグチャにさせられ、最後には、儀式の取り仕切者を殺しにかかろうともしたらしい。
「着いちゃった……、」
かれこれしてれば、もう教室のドアの真ん前。
仕方がなくドアを開けた。
今にも怒鳴られる。
そう確信していた俺は、少し驚いた。
「あ! ハルくん! やっと来たぁ~!」
「え? アヤ先生?」
何故か、アヤ先生が立っていたのだ。
「え? せ、先生? 違いますけど、」
「あぁ、あの先生は、今日お休みなんだってさ!」
危ないあぶない。
危うく、俺が詰むところだった。
「……で、どうして遅れたのかな?」
理由は知ってるだろ……、と呆れつつ、俺は口を開いた。