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フローラル.

#3

”華の聖書”によると。

「……ナル、何読んでんだ?」

「これ? ”華の聖書”だよ」

「あぁ、あれか、」

「あれって言っても、毎日更新されてんじゃん(笑)」

「確かにそうだ…」

「バカじゃん(笑)」

煽られに煽られまくったが、そんなの日常茶飯事。

「てか、華の聖書、今日は何の記事だったの?」

「ほら、あれ……、」

「あぁ、なるほどね」

これ以上はマズいので、一旦撤退。

ちなみに、”あれ”っていうのは多分、華香の儀式のこと。


‣説明
[太字]『華の聖書』[/太字]
人間でいう 新聞にあたるもの。
日々 更新されている

[太字]『華香の儀式』[/太字]
五年に一度行われる [漢字]生贄[/漢字][ふりがな]いけにえ[/ふりがな]の儀式
花の神を [漢字]祀[/漢字][ふりがな]まつ[/ふりがな]るためである
十五歳 以上 二十五歳 未満の中から 生贄が選ばれる


「五か月後くらいだったよな?」

「うん、そう」

ナルはいつも以上にソワソワしている。

そりゃそうだ。

だって俺らは、十六歳。

そしてそれは、生贄対象となる年齢なのである。

「ハル…、怖いよぉ……(泣」

「大丈夫だ。万が一があっても、俺が絶対に守ってやる」

ナルは多才だと言われ続ける。

でも、俺にだけは弱さも見せてくれる。

まず、基本的にナルはポーカーフェイス。

「……。」

でも、あんなこと言ったって、俺だって怖い。

俺が生贄になるかもしれないし、ナルが選ばれるかもしれない。

「もうそろそろ、生贄が選ばれる時期って事か……、」

「やだよ……、死にたくない………、」

それは俺も一緒だ。

危うく出かけそうになった言葉を飲み込む。

「大丈夫、大丈夫、俺も一緒だから」

やっぱり、この綺麗な顔が大好きだ。

友情的でも、恋愛的でもない”[太字]大好き[/太字]”。

「でもさぁ…、ハル…?」

「? 何かあるの?」

くるり、とナルが振り返った。

その瞳が、その眼差しが。

俺の瞳を真っすぐに[漢字]貫[/漢字][ふりがな]つらぬ[/ふりがな]く。

「死ぬなら[太字]一緒[/太字]に死のーね?、(笑)」

「……、は?」

嘲りのような、よくわからない表情を見せてくる。

「……なーんてね、冗談だよ、嘘」

「はぁぁぁ……、良かったぁ……」

「んへっ(笑)」

笑った顔。

何処をどう切り取っても、美しくきれいなことに変わりない。

ただ。

「……暇だなぁ…、」

ナルが冗談を言ったことが、どうしても[太字]引っかかった[/太字]。

作者メッセージ

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2025/05/25 18:45

ID:≫ 0aYasOjXALls6
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