ある世界を救うまで
ギャギャギャン!
金属同士ががぶつかり合う。
チッ
軽い火花が散った。
すさまじい攻撃の応酬だな・・・
隙だらけだが、その1つ1つが短すぎて攻撃をする暇がない。
それにこいつの癖も厄介だ。
先程使われていた時にも出ていたが、こいつは攻撃に回転をかける。
そのため油断すると、私が巻き込まれる。
あとはあっという間だ。
私の強みはこいつより遥かに多くの魔法を使えることと、大振りなため攻撃を当てやすい点だが・・・
先ほどの「フライ・アウェイ」もあり、中々の魔力量を消費している。
おまけにタツヤの足を治すのに魔力をかなり削いだから、5分の1は魔力がなくなっていると思っていい。
魔力というのは戻るのに時間がかかる。
これからの戦闘も考慮すると3分の2は残しておきたい。
そのためにもこいつはなるべく技で仕留めたい。
ガン!
「っ!」
そう思った刹那。
ブレイブは自分の柄を颯丸にぶつけ、バランスを崩させる。
「らぁっ!」
一瞬でもできたチャンスを、ブレイブは逃さなかった。
ブゥン!
「がっ!?」
颯丸の体が地面に押し付けられる。
重力魔法だ。
スラッ・・・
「勝負あったな。私の勝ちだ」
「くそ・・・っ!」
颯丸は観念した様子だ。
きっと持ち主に似て、正々堂々な戦いを好むのだろうな。
完全なマウントポジションだが・・・
ここを離れていいものだろうか?
ムシャイドは消耗しているし、鈍くなっているのは事実だ。
しかしタツヤの足は回復直後。
絶対に痛みは残っている。
私がサポートしなければまずいのではないか・・・?
上手く走ることができずに、やられてしまう。
仕方がない。助太刀に入るか。
「おい、颯丸。貴様、動くなよ?」
「は、はい・・・///」
なんだ、その弱弱しい返事は!と言いたくなるがここは控えるか。
ジャラ・・・
『魔力の枷』!
ギチィッ!
これで縛れば動けまい。
さて、子守りに行くとするか。
ドカ!ドカ!
「く・・・!」
俺は今、ムシャイドに殴られ続けている。
さっき足をかけられ、俺とムシャイドの上下が逆になってしまったからだ。
攻めに回ったムシャイドは強い。
間髪入れずに打撃を入れてくる。
対する俺は足を怪我しているため、体制を戻すことができない。
まさに防戦一方。実にまずい。
しかもムシャイドは前のめりに殴ってくるため、体重の分拳が痛い。
どうすれば・・・!
「タツヤ!」
「っ!?」
声が聞こえた瞬間、ムシャイドの脇腹に刃が飛ぶ。
ヒュッ!
しかし流石ムシャイド。その攻撃は避けた。
だが大きな隙が生まれてくれた。
俺は瞬間、ムシャイドの胸に思い切り握りこぶしをぶつける!
ドガッ!!!
鈍い音が響き、ムシャイドは倒れ込む。
「ゲホッ、ゲホッ!ヴゥ・・・」
やつがせき込んでいる間に、ブレイブを握る。
「行きますよ。ブレイブさん」
ああ、分かっている。
ムシャイド・・・覚悟!
ダッ!
ムシャイドはよろよろと立ち上がっている。
だが・・・
その速さなら、俺の勝ちだ。
ガン!
ムシャイドの腕のガードが外れる。
「うおりゃあああああああああああああ!」
「『二(つぐのに)、慧弐(けいじ)』!!!!!
「あ、が・・・!」
ズザザザザ!
ムシャイドの体が派手に転がっていく。
ドシャッ
壁にぶつかった。
そのまま奴は首を垂れた。
「・・・」
そして、ムシャイドは何も言わなくなった。
~すっかり夜になって~
「拙者は・・・?」
「起きましたよ!」
ガチャッ!
ハナさんの声が聞こえ、俺は慌ててドアを開ける。
「貴殿・・・拙者を生かしたのか?」
「そうだ。正確にはブレイブさんがだけど・・・」
ムシャイドは近くのナイフを手に取り、腹に向ける。
「無念・・・」
「ちょっと待ってください!ちょっと!」
すぐそばのハナさんが、焦ってナイフを取り上げようとしている。
「止めるな・・・拙者は負けたのだ。。。」
「いいや、今死なれては困る」
「なに・・・?」
ブレイブさんが俺の後ろから出てくる。
何やら小瓶を浮かべて。
「お前とは情報を吐いてもらうように約束したはずだ。勝負には勝った。さあ、質問に答えてもらおう」
「そうだぜ?早く吐いちまいな」
「お前は黙っていろ」
「すいません・・・」
ムシャイドは黙ってナイフを脇に置く。
「わっ!?」
ハナさんはその腕にぶつかって転び、しりもちをついた。
歪んだ顔をしている。
「いてて・・・何するんですか!」
ムシャイドは軽く「すまん」とだけ言い、ブレイブに向き直った。
ハナさんは色々と文句がありそうだが、我慢したようだ。
よし。
じゃあまずは1番気になっていた情報から聞くとするか。
「1つ目の質問だ。お前は誰に仕えている?」
ムシャイドは即答した。
「拙者は戦王、トルバ様に仕えている。まあ、厳密にはあの方にも仕えているが・・・」
ブレイブは「あの方」の名に興味を示していたようで、続けて質問する。
「あの方というのは?以前出会った地兵も同じことを言っていたが・・・」
今度は黙り込んだ。
「どうした?言えないのか?」
ムシャイドは口を開いた。
「そうでござる。いくら負けたと言えど、これは言えん」
成程・・・
サイガもあの時、「裏切ってしまった」と自害していた。
かなり信頼されているのか、それとも支配されているのか・・・
どちらにせよ、「あの方」はかなりの実力者と見ていいだろう。
「じゃあ次だ。こいつは?」
コン。
小瓶が床にゆっくりと置かれる。
「アードゥか・・・」
そう。小瓶の中身は先ほどの戦兵である。
これには事情があって・・・
(10プーン前)
「+>!?‘:@!;)!」
戦兵特有の機械的な声が背後からした。
「何者だ!?」
「<>!」
あ、そうだ。専技解除してたから言葉が分からないんだった・・・
キン!
攻撃が飛んでくる。
俺は剣で簡単に攻撃を防いだ。
こいつはアードゥとか言うやつだ。
今度は人の姿をしている。
しかしそれも一瞬。
すぐに液体のような姿になり、突撃してきた。
こいつ、学んでないな。
俺は再度攻撃を受け止める。
「@!」
べちゃっ
アードゥが煙を上げ、身悶えている。
俺は近くの瓶のふたを開け、そこにアードゥを押し込む。
抵抗する暇もないほど熱かったのだろう。
当たり前だ。
ブレイブの刀身は赤色になっていたのだから。
「貴様・・・!こやつは決闘に勝ったのだぞっ!?う・・・ガハッ!」
ムシャイドは黒い血を吐いた。
「まあまあ・・・まだ回復してませんから・・・」
やはりハナさんは優しい。
誰にだって真面目に接するし、看病もしてくれる。
「理想の奥さん」っていうのはこういう人の事を言うんだろうな。
「アードゥ、貴様は降格処分を検討しておくでござる」
その言葉を聞いた瞬間、瓶が大きく揺れた。
「~~~~!」
何か言っているようだが、流石ブレイブの防音魔法。
ほとんど音が消えている。
「颯丸は?」
「ああ、そうだ。こいつを早く抑えろ・・・」
ブレイブがそう言って、横に退くと、後ろに颯丸の姿。
「あ、ブレイブ様ぁ・・・!」
ん?
何やら口調がおかしい。
「酷いですよぉ。拙者をムシャイド様に早く渡そうとするなんて」
「やかましい。お前とは敵同士。用件が済めば早く別れたいのだ」
颯丸は項垂れて言う。
「えー・・・でも!拙者、頑張ってブレイブ様のお役に立ちます!」
「じゃあタツヤに使われるか?」
「・・・それは団への反逆になるので・・・」
ブレイブは「またか」と言わんばかりの表情(剣情かもしれない)でこちらを見た。
「颯丸・・・其方・・・」
「ええ、その・・・ブレイブ様に焦がれまして・・・///」
[太字]「は?」[/太字]
金属同士ががぶつかり合う。
チッ
軽い火花が散った。
すさまじい攻撃の応酬だな・・・
隙だらけだが、その1つ1つが短すぎて攻撃をする暇がない。
それにこいつの癖も厄介だ。
先程使われていた時にも出ていたが、こいつは攻撃に回転をかける。
そのため油断すると、私が巻き込まれる。
あとはあっという間だ。
私の強みはこいつより遥かに多くの魔法を使えることと、大振りなため攻撃を当てやすい点だが・・・
先ほどの「フライ・アウェイ」もあり、中々の魔力量を消費している。
おまけにタツヤの足を治すのに魔力をかなり削いだから、5分の1は魔力がなくなっていると思っていい。
魔力というのは戻るのに時間がかかる。
これからの戦闘も考慮すると3分の2は残しておきたい。
そのためにもこいつはなるべく技で仕留めたい。
ガン!
「っ!」
そう思った刹那。
ブレイブは自分の柄を颯丸にぶつけ、バランスを崩させる。
「らぁっ!」
一瞬でもできたチャンスを、ブレイブは逃さなかった。
ブゥン!
「がっ!?」
颯丸の体が地面に押し付けられる。
重力魔法だ。
スラッ・・・
「勝負あったな。私の勝ちだ」
「くそ・・・っ!」
颯丸は観念した様子だ。
きっと持ち主に似て、正々堂々な戦いを好むのだろうな。
完全なマウントポジションだが・・・
ここを離れていいものだろうか?
ムシャイドは消耗しているし、鈍くなっているのは事実だ。
しかしタツヤの足は回復直後。
絶対に痛みは残っている。
私がサポートしなければまずいのではないか・・・?
上手く走ることができずに、やられてしまう。
仕方がない。助太刀に入るか。
「おい、颯丸。貴様、動くなよ?」
「は、はい・・・///」
なんだ、その弱弱しい返事は!と言いたくなるがここは控えるか。
ジャラ・・・
『魔力の枷』!
ギチィッ!
これで縛れば動けまい。
さて、子守りに行くとするか。
ドカ!ドカ!
「く・・・!」
俺は今、ムシャイドに殴られ続けている。
さっき足をかけられ、俺とムシャイドの上下が逆になってしまったからだ。
攻めに回ったムシャイドは強い。
間髪入れずに打撃を入れてくる。
対する俺は足を怪我しているため、体制を戻すことができない。
まさに防戦一方。実にまずい。
しかもムシャイドは前のめりに殴ってくるため、体重の分拳が痛い。
どうすれば・・・!
「タツヤ!」
「っ!?」
声が聞こえた瞬間、ムシャイドの脇腹に刃が飛ぶ。
ヒュッ!
しかし流石ムシャイド。その攻撃は避けた。
だが大きな隙が生まれてくれた。
俺は瞬間、ムシャイドの胸に思い切り握りこぶしをぶつける!
ドガッ!!!
鈍い音が響き、ムシャイドは倒れ込む。
「ゲホッ、ゲホッ!ヴゥ・・・」
やつがせき込んでいる間に、ブレイブを握る。
「行きますよ。ブレイブさん」
ああ、分かっている。
ムシャイド・・・覚悟!
ダッ!
ムシャイドはよろよろと立ち上がっている。
だが・・・
その速さなら、俺の勝ちだ。
ガン!
ムシャイドの腕のガードが外れる。
「うおりゃあああああああああああああ!」
「『二(つぐのに)、慧弐(けいじ)』!!!!!
「あ、が・・・!」
ズザザザザ!
ムシャイドの体が派手に転がっていく。
ドシャッ
壁にぶつかった。
そのまま奴は首を垂れた。
「・・・」
そして、ムシャイドは何も言わなくなった。
~すっかり夜になって~
「拙者は・・・?」
「起きましたよ!」
ガチャッ!
ハナさんの声が聞こえ、俺は慌ててドアを開ける。
「貴殿・・・拙者を生かしたのか?」
「そうだ。正確にはブレイブさんがだけど・・・」
ムシャイドは近くのナイフを手に取り、腹に向ける。
「無念・・・」
「ちょっと待ってください!ちょっと!」
すぐそばのハナさんが、焦ってナイフを取り上げようとしている。
「止めるな・・・拙者は負けたのだ。。。」
「いいや、今死なれては困る」
「なに・・・?」
ブレイブさんが俺の後ろから出てくる。
何やら小瓶を浮かべて。
「お前とは情報を吐いてもらうように約束したはずだ。勝負には勝った。さあ、質問に答えてもらおう」
「そうだぜ?早く吐いちまいな」
「お前は黙っていろ」
「すいません・・・」
ムシャイドは黙ってナイフを脇に置く。
「わっ!?」
ハナさんはその腕にぶつかって転び、しりもちをついた。
歪んだ顔をしている。
「いてて・・・何するんですか!」
ムシャイドは軽く「すまん」とだけ言い、ブレイブに向き直った。
ハナさんは色々と文句がありそうだが、我慢したようだ。
よし。
じゃあまずは1番気になっていた情報から聞くとするか。
「1つ目の質問だ。お前は誰に仕えている?」
ムシャイドは即答した。
「拙者は戦王、トルバ様に仕えている。まあ、厳密にはあの方にも仕えているが・・・」
ブレイブは「あの方」の名に興味を示していたようで、続けて質問する。
「あの方というのは?以前出会った地兵も同じことを言っていたが・・・」
今度は黙り込んだ。
「どうした?言えないのか?」
ムシャイドは口を開いた。
「そうでござる。いくら負けたと言えど、これは言えん」
成程・・・
サイガもあの時、「裏切ってしまった」と自害していた。
かなり信頼されているのか、それとも支配されているのか・・・
どちらにせよ、「あの方」はかなりの実力者と見ていいだろう。
「じゃあ次だ。こいつは?」
コン。
小瓶が床にゆっくりと置かれる。
「アードゥか・・・」
そう。小瓶の中身は先ほどの戦兵である。
これには事情があって・・・
(10プーン前)
「+>!?‘:@!;)!」
戦兵特有の機械的な声が背後からした。
「何者だ!?」
「<>!」
あ、そうだ。専技解除してたから言葉が分からないんだった・・・
キン!
攻撃が飛んでくる。
俺は剣で簡単に攻撃を防いだ。
こいつはアードゥとか言うやつだ。
今度は人の姿をしている。
しかしそれも一瞬。
すぐに液体のような姿になり、突撃してきた。
こいつ、学んでないな。
俺は再度攻撃を受け止める。
「@!」
べちゃっ
アードゥが煙を上げ、身悶えている。
俺は近くの瓶のふたを開け、そこにアードゥを押し込む。
抵抗する暇もないほど熱かったのだろう。
当たり前だ。
ブレイブの刀身は赤色になっていたのだから。
「貴様・・・!こやつは決闘に勝ったのだぞっ!?う・・・ガハッ!」
ムシャイドは黒い血を吐いた。
「まあまあ・・・まだ回復してませんから・・・」
やはりハナさんは優しい。
誰にだって真面目に接するし、看病もしてくれる。
「理想の奥さん」っていうのはこういう人の事を言うんだろうな。
「アードゥ、貴様は降格処分を検討しておくでござる」
その言葉を聞いた瞬間、瓶が大きく揺れた。
「~~~~!」
何か言っているようだが、流石ブレイブの防音魔法。
ほとんど音が消えている。
「颯丸は?」
「ああ、そうだ。こいつを早く抑えろ・・・」
ブレイブがそう言って、横に退くと、後ろに颯丸の姿。
「あ、ブレイブ様ぁ・・・!」
ん?
何やら口調がおかしい。
「酷いですよぉ。拙者をムシャイド様に早く渡そうとするなんて」
「やかましい。お前とは敵同士。用件が済めば早く別れたいのだ」
颯丸は項垂れて言う。
「えー・・・でも!拙者、頑張ってブレイブ様のお役に立ちます!」
「じゃあタツヤに使われるか?」
「・・・それは団への反逆になるので・・・」
ブレイブは「またか」と言わんばかりの表情(剣情かもしれない)でこちらを見た。
「颯丸・・・其方・・・」
「ええ、その・・・ブレイブ様に焦がれまして・・・///」
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