- 閲覧前にご確認ください -

この小説には一部過激な表現が含まれている場合があります。ご覧になるときは注意してご覧になってください。

文字サイズ変更

ある世界を救うまで

#75

仮面の下

タツヤ!待て!
「え?」
俺がブレイブを振り下ろそうとした瞬間、「颯丸」がそれを受け止めた。
いや、受け止めたというよりは・・・
流した・・・!?
「『我流・・・」
青年!避けろ!
そう言われても攻撃の余韻で、上手く動けない・・・!
俺は必死に這いつくばり、ムシャイドと距離をとろうとする。
「『陽夏炎』(かげろう)!」
しかし間に合わなかった。
ブシュッ!
俺の足が無残にも斬られ、鮮血が勢いよく飛び出す。
「む・・・?硬い・・・?」
「大地の皮膚」がなければすでに足1本飛んでいただろう。
刀が俺の骨辺りで泊まっている。
危ない所だった・・・。
しかし危機なのには変わりない。
足が思うように動かない。
まともに歩くことすらままならないだろう。
タツヤ。
「はい」
私の専技を使うぞ。
ブレイブもそのことは重々承知の様子で、俺に魔力を込め始める。
俺の体が少し宙に浮く。
と同時に、ムシャイドは刀を抜き、俺と距離をとった。
これで足を少し蹴れば、動けるぞ。
「はい」
俺は早速地面を蹴り、ムシャイドに攻撃を仕掛ける。
ムシャイドも颯丸を構える・・・。
刀で俺のもう1本の足も機能停止に追い込むつもりだ。
だが・・・
トッ
俺が少し地面を横に蹴ると、急旋回。
ムシャイドの攻撃は不発に終わった。
そして、がら空きになったムシャイドの背中に俺はブレイブを突き立てようとする。
しかし、突如ムシャイドの体がふわっと浮き上がった。
「!?」
驚いたのも束の間、すぐにムシャイドは颯丸を握りなおし、再び足を狙ってくる。
俺は同じ原理で攻撃を躱すが、どうも避けられた理由が分からない。
「ブレイブさん、なんで躱されたんでしょうか・・・?」
全く、魔法の事をちっとも知らないようだな。
「え?」
確かに学園では魔法は苦手だったが・・・
今のは風魔法だ。使う時に木の葉のような魔力が周りに漏れ出すのだ。
「成程・・・」
つまり風で自分を運んだおかげで、俺の攻撃を死角から躱せたというわけ。
これはまずい。
どちらも攻撃を簡単に避けられる状態だが、こちらには足のハンデがある。
止血はブレイブにしてもらったが、勿論出血はした。
持久戦になれば、確実に俺の負けだ。
どうする・・・?
見ろ。
言われた通りムシャイドの方を見てみると、先ほどと同じ構えをとっている。
「抜刀」・・・!
どうやら仕掛けるのはやめ、反撃。カウンター戦術に切り替えたようだ。
これは実にまずい。
俺は足をやられているため、あまり激しい動きができない。
メリットとして奇抜な動きができるが、スピードはあまり速くない。
そして、こちらから攻撃を仕掛けた場合。
見切られ、その瞬間ムシャイドの「抜刀」が飛んでくるというわけだ。
まだ喰らっていないから威力は未知数。しかし喰らわないに越したことはない。
どうすれば・・・
あ、そうだ。
「ブレイブさん・・・!地面をえぐって、それをあいつの上に落とせます?」
お前、また無茶なことを・・・!
無茶は承知だ。とにかく今は遠距離攻撃しかない。
では行くぞ・・・!ぐ・・・!
地面にひびが入っていく。
刹那、ムシャイドがこちらに走ってくる。
俺の思惑に気づいたようだ。
ここだ・・・!
俺はすかさずブレイブを強く握る。
「おりゃあっ!」
そして向かってきたムシャイドに強く剣を振る!
しかしムシャイド、それも想定内。
避けようとするが・・・
足がもつれた。
その隙に攻撃が容赦なくムシャイドのあばらに叩き込まれる。
「ぐ・・・!?」
そう。地面がひび割れていたのを利用したのだ。
俺は割れていく地面を見て思った。
これで即席の落とし穴を作れるのでは?と。
突拍子もないアイデアだったが、見事成功した。
俺は追撃をかけようと、ムシャイドに斬りかかる。
だが先ほどと同じ風魔法で、避けられてしまった。
「中々やるな・・・拙者の『我流武想』を見破るとは・・・!」
『我流武想』・・・?
そういう事か。
「え?」
ジャポルニックには「武想」という戦術があるのだ。
刀を振り回すのではなく、一太刀一太刀が一撃必殺になるように戦う・・・
武者ならではの戦い方だ。
「成程・・・」
道理でむやみに攻撃してこないわけだ。
一太刀が一撃必殺・・・
そんなもの、当たらなければいい!
しかしある疑問が俺の頭に浮かんでいた。
あばらに命中したはずなのに、何故立っていられるんだ・・・?
その答えはとうにブレイブが知っていた。
タツヤ、気を付けろ。奴は風魔法で衝撃も和らげている。
「成程・・・!」
瞬間的に風で壁を作ったわけだ。
だから攻撃の威力も死に、軽傷で済んだ・・・。
これでは不利中の不利。
相手の攻撃は1発1発が必殺なのに、こちらの攻撃は決定打にならない。
どうすればいいんだ・・・!
タツヤ、いい考えがある。
「え?」
いいからお前は風魔法の事は気にせずに戦え。
「はい・・・」
俺がそう考えている間に、ムシャイドは次の構えに移っていた。
刀を天高く上げ、右足を前に出している。
そのままじりじりと近づいてくる・・・
これも「抜刀」のようなものなのだろう。
こちらが攻撃を仕掛けた途端、頭上へ刀が落ちてくる。
上から攻撃をしようとしても、足を払われ、そこにまたもや刀が飛んでくる。
生憎相手のリーチは長い。
説明せずとも不利だ。
そう思っていた俺の脳裏にふと「ある考え」が浮かぶ。
待てよ?刀を奪えば・・・?
それだ。それで行こう。
「ムシャイド、なんのためにこんなことしてるんだ?」
俺は挑発のためにムシャイドに喋りかける。
「今は決闘の最中だ。黙っていろ」
ムシャイドは構えを解こうとしない。
俺は距離をとりながら続ける。
「その構え、誰かに習ったのか?」
「黙れ」
いいぞ。
「それとも自分で考えついたのか?」
「今は神聖な決闘の最中だぞ!」
我慢しきれなくなったムシャイドが刀を振り下ろしてくる。
今だ!
そう思った俺は刀をギリギリ躱し、ムシャイドの足を払う。
「な・・・!」
無防備になった背中を抑え、颯丸を奪い取る。
「ムシャイド様!」
颯丸がそう叫ぶが、ムシャイドは動けない。
これで無力化・・・
ビュオオオッ!
「うわっ!?」
突然ものすごい風が起こり、俺を吹き飛ばす。
「ムシャイド様!早く拙者を!」
「ああ・・・すまん。怒りに駆られた」
風を起こしていたのはムシャイドではなく、こいつだったのか・・・!
油断した・・・!
だが今ので分かった。
やつは剣技に特化した剣士。
颯丸を奪い取れば、無力化できる。
タツヤ、見事だ。
「ええ・・・弱点発見です」
ああ。もう勝ったようなものだ。
「え?」
その瞬間、ブレイブに炎が灯った。
「わっ!?」
俺は突然の熱気に、ブレイブを落としそうになる。
これが秘策・・・?
確かに炎を纏わせれば威力は上がるだろうが・・・秘策と言えるほどではないんじゃないか?
お前には「熱耐魔法」をかけた。とにかくそのまま戦ってみろ。
「はい・・・」
俺は地面を蹴り、再びムシャイドに向かう。
ムシャイドは戻ってきた颯丸を握りなおす。
臨戦態勢だ。
「行くぞ、颯丸・・・!」
「はい、ムシャイド様」
ビュウウッ!
ブレイブと同じように、颯丸の周りを風が覆い始める。
『我流・龍巻希』(たつまき)!
凄まじい風を纏った攻撃が、ブレイブに向けられる。
だが・・・
ゴォォォォォ!!!
「な!?」
ブレイブの炎が強くなり、逆に風を飲み込んだ!
気付かなかったが、これは学園で習った・・・!
そう、風は逆に炎を大きくしてしまうのだ。
「熱・・・!」
ムシャイドは慌てて炎から脱出した。
纏っている鎧が少し煤けている。
しかし、鎧を着た中で炎に包まれたという事は・・・
「熱いっ!」
そう、蒸し焼き状態になるのだ。
ガチャ、ガチャン。
鎧が地面に放り出される。
「風を封じたわけでござるか・・・」
ムシャイドはそう言って深く息を吐く。
カチャ。
ムシャイドはヘルメットも外す・・・
その下には、一つ目の顔があった。

作者メッセージ

どうでしたでしょうか?
投稿が遅れてしまい申し訳ありません!
最近本当にペースが・・・
色々忙しいんです・・・(´;ω;`)
指摘や感想などありましたらコメントに書いていただけると幸いです。
良ければ戦法のアドバイスなども書いてみてください!
これからもどうぞよろしくお願いします!

2026/06/14 14:21

柴T ID:≫ 73uaQYEMLJl4k
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 75

コメント
[12]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL