ある世界を救うまで
最悪のタイミングで出くわしちまった・・・
今は全員体力を消耗してる。
ザンギ国王なんてもうロクに動けないし。
フィナンシェ女王も恐らく戦えないだろう。
ここで殺されるわけにはいかない。
一体どうすれば・・・
「;:。<|¥¥!」
そう俺が考えているうちにも、雷兵がこちらに走ってくる。
バァン!
「?」
ドサッ。
轟音が辺りに響き、雷兵が後ろに倒れこむ。
「=~^!?」
雷兵たちが驚き、慌て、震える。
バァン!バァン!
ドサッ!ドサッ!
その間にも雷兵は次々と倒れていく。
「‘*!」
「1体逃げたか」
テッショウさんの声がしたので俺が横を見てみると、テッショウさんは手に「フリントロック式小型火薬銃」を握り締めていた。
「まさか、お前がこれを?」
ブレイブがテッショウにそう聞く。
「そうじゃ。一応これでも射撃は得意でな」
本当だ。
雷兵全員の胸に小さい穴が開いている。
それにかすかだけど火薬のにおい。
「すごいですね。ありがとうございます」
「いえいえ。女王様に認めてもらうにはまだまだ届かない実力ですじゃ。1体逃がしてしまいましたし・・・」
どうやら俺たちはテッショウさんのおかげで助かったらしい。
「今はそんなことを言っている場合ではない。早くゴドルのもとへ行くぞ」
「は、はい・・・」
少しくらい時間をくれてもいいじゃないかと思うが、今はブレイブの方が正しい。
人が死にそうなんだ。とにかく時間は無駄にできない。
「女王。またよろしく頼む」
「はい」
~5分後~
「止めてくれ」
板が一つの民家の前で止まる。
到着したのだ。
専技というのは本当にすごい。
俺たちならここまで30プーン(分)以上はかかったはずだ。
それが専技を使えば5プーン超しかかからない。
「おい、青年。何をぼさっとしている。国王を運ぶのを手伝え」
「!分かりました」
今はそんなこと考えてる暇じゃなかったな。
トントン
テッショウが民家の戸を叩く。
返答はない。
「わしじゃ。テッショウじゃよ。お前さんに銃をもらった」
カチャ
戸が少し開き、そこから銃口がはみ出す。
「なら証拠を見せろ」
テッショウは自分の持っている銃を戸の隙間から見せる。
ガチャ。
戸がゆっくりと開き、ゴドルが銃をこちらに向けて出てきた。
「ああ、あんたか・・・無事でよかった」
ゴドルの肩から力が抜ける。
「ああ、わしじゃよ。それより国王様が大変なんじゃ。誰か医者か魔法士を知らんか?」
「医者なら今、俺の家ん中にいるぜ。さ、入りな。その姿じゃ国王様は大分あぶねぇんだろ?」
「恩に着る」
俺たちは家の中に急いで入る。
「ほら、この人だ」
そこには立派な髭を蓄えた老人が静かに座っていた。
~少したって~
「よし。これでいいはずです。あとは無理をせずに1日ほど安静にすればよくなります」
「ありがとうございます・・・」
フィナンシェな泣きながら老人に何度も頭を下げる。
「顔を上げてください。フィナンシェ様。私はやれることをやったまでです」
老人は優しい顔でそう言う。
「処置後に悪いが、お前は誰なんだ?」
ブレイブが老人にそう聞く。
「申し遅れました。私はライド・メラン・ダカーレ。これでも国家医師です。化け物に襲われてたところをゴドルさんに助けていただきまして・・・今はこの民家に身を寄せさせてもらっております」
国家医師か。かなりすごい人だったんだな。
国家医師。
一国に10人ほどしか存在しない国直属の医者だ。
そのほとんどは伝説を残しており、中には本になっている者もいる。
その腕はまさに「神業」と言われており、手術成功率は100パーセントの者がほとんど。
こんなじいさんが国家医師だなんて。
人は見た目で判断しちゃだめだな。
「ダカーレ、まだバッガラに残っていたのですね。私はてっきり化け物に殺められたものかと・・・無事でよかったです」
フィナンシェ女王は涙で少し濡れた優しい笑顔をライドに向ける。
「正直危なかったですよ。ゴドルさんに助けてもらえなければ今頃私はどうなっていたか」
「ちなみに国王の容体は?」
ライドが答える。
「ザンギ様はかなり回復なされました。先ほどは酷い傷で・・・体内の魔力もほとんど使い切っており、非常に危ない状態でした。あと5分遅れれば命はなかったでしょう。傷は全て私の魔法で塞ぎましたが、激しく動いたら体内で血管がちぎれるでしょう。魔力は1日ほどで回復すると思います。骨は奇跡的にひびが入っていただけでした。そちらも治しておきましたので1日安静にすれば、完全に回復するでしょう」
「そうか、ありがとう」
ブレイブは深く自分の柄を下げる。
多分「お辞儀」のつもりなのだろう。
「そういえば、疑問があるんですけど。聞いてもいいですか?」
「いいですよ。私が答えられるかは分かりませんが」
俺は頭の中の疑問をライドさんに打ち明ける。
「俺はさっき化け物と戦っていたんです。その時専技を使ったらとんでもない吐き気に襲われまして。体も重くなっちゃって・・・」
「ほう・・・」
あの時、俺は確かに正しく呪文を読んだはずだ。
体に負担がかかるというのはこういうことなのか?
「その専技はなんという専技で?」
「過剰投厄っていう専技で・・・周りの悪しき力を集めて自分を強化するらしいです。そのかわり負担がかなりかかるっていう」
「うーん・・・」
ライドは少し考えこむ。
「その専技を使うのは初めてですか?」
「はい」
「成程。なら恐らくその吐き気の原因はあなたが専技に慣れていなかったせいでしょう」
「慣れていなかった?」
「はい。専技というのは人間の力を超えるものも多く存在します。それらの専技を我々の業界では『人超技』というんですけどね。それらの専技を使う時、体が慣れていないと多くの負担がかかることがあるんです。例えば吐き気や頭痛、ひどいときにはショック死するほどの激痛が起こります。恐らくあなたはそれを引き起こしたのでしょう。でも大丈夫。専技を使ううちに体が順応していきますから」
「成程・・・ありがとうございます」
そういうことだったのか。今度からは気を付けよう。
「さて、我々も休息しなければな」
そういえばそうだ。
何だかとても体がだるい。
「すいません。ブレイブさん。俺、少し寝てもいいですか?」
「ああ、勿論」
ブレイブが頷く。
「そちらの武精さんの言う通りです。今は体力を回復させるのが先決でしょう」
「分かりました・・・」
俺はそう言われ、ゆっくりと目を閉じた。
今は全員体力を消耗してる。
ザンギ国王なんてもうロクに動けないし。
フィナンシェ女王も恐らく戦えないだろう。
ここで殺されるわけにはいかない。
一体どうすれば・・・
「;:。<|¥¥!」
そう俺が考えているうちにも、雷兵がこちらに走ってくる。
バァン!
「?」
ドサッ。
轟音が辺りに響き、雷兵が後ろに倒れこむ。
「=~^!?」
雷兵たちが驚き、慌て、震える。
バァン!バァン!
ドサッ!ドサッ!
その間にも雷兵は次々と倒れていく。
「‘*!」
「1体逃げたか」
テッショウさんの声がしたので俺が横を見てみると、テッショウさんは手に「フリントロック式小型火薬銃」を握り締めていた。
「まさか、お前がこれを?」
ブレイブがテッショウにそう聞く。
「そうじゃ。一応これでも射撃は得意でな」
本当だ。
雷兵全員の胸に小さい穴が開いている。
それにかすかだけど火薬のにおい。
「すごいですね。ありがとうございます」
「いえいえ。女王様に認めてもらうにはまだまだ届かない実力ですじゃ。1体逃がしてしまいましたし・・・」
どうやら俺たちはテッショウさんのおかげで助かったらしい。
「今はそんなことを言っている場合ではない。早くゴドルのもとへ行くぞ」
「は、はい・・・」
少しくらい時間をくれてもいいじゃないかと思うが、今はブレイブの方が正しい。
人が死にそうなんだ。とにかく時間は無駄にできない。
「女王。またよろしく頼む」
「はい」
~5分後~
「止めてくれ」
板が一つの民家の前で止まる。
到着したのだ。
専技というのは本当にすごい。
俺たちならここまで30プーン(分)以上はかかったはずだ。
それが専技を使えば5プーン超しかかからない。
「おい、青年。何をぼさっとしている。国王を運ぶのを手伝え」
「!分かりました」
今はそんなこと考えてる暇じゃなかったな。
トントン
テッショウが民家の戸を叩く。
返答はない。
「わしじゃ。テッショウじゃよ。お前さんに銃をもらった」
カチャ
戸が少し開き、そこから銃口がはみ出す。
「なら証拠を見せろ」
テッショウは自分の持っている銃を戸の隙間から見せる。
ガチャ。
戸がゆっくりと開き、ゴドルが銃をこちらに向けて出てきた。
「ああ、あんたか・・・無事でよかった」
ゴドルの肩から力が抜ける。
「ああ、わしじゃよ。それより国王様が大変なんじゃ。誰か医者か魔法士を知らんか?」
「医者なら今、俺の家ん中にいるぜ。さ、入りな。その姿じゃ国王様は大分あぶねぇんだろ?」
「恩に着る」
俺たちは家の中に急いで入る。
「ほら、この人だ」
そこには立派な髭を蓄えた老人が静かに座っていた。
~少したって~
「よし。これでいいはずです。あとは無理をせずに1日ほど安静にすればよくなります」
「ありがとうございます・・・」
フィナンシェな泣きながら老人に何度も頭を下げる。
「顔を上げてください。フィナンシェ様。私はやれることをやったまでです」
老人は優しい顔でそう言う。
「処置後に悪いが、お前は誰なんだ?」
ブレイブが老人にそう聞く。
「申し遅れました。私はライド・メラン・ダカーレ。これでも国家医師です。化け物に襲われてたところをゴドルさんに助けていただきまして・・・今はこの民家に身を寄せさせてもらっております」
国家医師か。かなりすごい人だったんだな。
国家医師。
一国に10人ほどしか存在しない国直属の医者だ。
そのほとんどは伝説を残しており、中には本になっている者もいる。
その腕はまさに「神業」と言われており、手術成功率は100パーセントの者がほとんど。
こんなじいさんが国家医師だなんて。
人は見た目で判断しちゃだめだな。
「ダカーレ、まだバッガラに残っていたのですね。私はてっきり化け物に殺められたものかと・・・無事でよかったです」
フィナンシェ女王は涙で少し濡れた優しい笑顔をライドに向ける。
「正直危なかったですよ。ゴドルさんに助けてもらえなければ今頃私はどうなっていたか」
「ちなみに国王の容体は?」
ライドが答える。
「ザンギ様はかなり回復なされました。先ほどは酷い傷で・・・体内の魔力もほとんど使い切っており、非常に危ない状態でした。あと5分遅れれば命はなかったでしょう。傷は全て私の魔法で塞ぎましたが、激しく動いたら体内で血管がちぎれるでしょう。魔力は1日ほどで回復すると思います。骨は奇跡的にひびが入っていただけでした。そちらも治しておきましたので1日安静にすれば、完全に回復するでしょう」
「そうか、ありがとう」
ブレイブは深く自分の柄を下げる。
多分「お辞儀」のつもりなのだろう。
「そういえば、疑問があるんですけど。聞いてもいいですか?」
「いいですよ。私が答えられるかは分かりませんが」
俺は頭の中の疑問をライドさんに打ち明ける。
「俺はさっき化け物と戦っていたんです。その時専技を使ったらとんでもない吐き気に襲われまして。体も重くなっちゃって・・・」
「ほう・・・」
あの時、俺は確かに正しく呪文を読んだはずだ。
体に負担がかかるというのはこういうことなのか?
「その専技はなんという専技で?」
「過剰投厄っていう専技で・・・周りの悪しき力を集めて自分を強化するらしいです。そのかわり負担がかなりかかるっていう」
「うーん・・・」
ライドは少し考えこむ。
「その専技を使うのは初めてですか?」
「はい」
「成程。なら恐らくその吐き気の原因はあなたが専技に慣れていなかったせいでしょう」
「慣れていなかった?」
「はい。専技というのは人間の力を超えるものも多く存在します。それらの専技を我々の業界では『人超技』というんですけどね。それらの専技を使う時、体が慣れていないと多くの負担がかかることがあるんです。例えば吐き気や頭痛、ひどいときにはショック死するほどの激痛が起こります。恐らくあなたはそれを引き起こしたのでしょう。でも大丈夫。専技を使ううちに体が順応していきますから」
「成程・・・ありがとうございます」
そういうことだったのか。今度からは気を付けよう。
「さて、我々も休息しなければな」
そういえばそうだ。
何だかとても体がだるい。
「すいません。ブレイブさん。俺、少し寝てもいいですか?」
「ああ、勿論」
ブレイブが頷く。
「そちらの武精さんの言う通りです。今は体力を回復させるのが先決でしょう」
「分かりました・・・」
俺はそう言われ、ゆっくりと目を閉じた。