ある世界を救うまで
「はっ!はっ・・・はぁ・・・」
体から急に力が抜け、俺は床に身を委ねる。
空がさっきよりも青い気がする。
「倒したのか?」
ブレイブがか細い声でそう聞く。
「倒したと思うぞ。流石に・・・」
テッショウさんがブレイブに言う。
「そうか。倒せたか」
ブレイブが安心しきった声でそう呟く。
「国王様・・・大丈夫ですじゃ?」
「なんとか・・・」
どうやら皆重症のようだ。
俺は体中が何かに圧迫されているように動きづらい。
ブレイブは刀身が少し黒ずんでいる。
さっきのサンダの攻撃で溶けたのだろう。
あくまでブレイブも剣なのか・・・
テッショウさんは拳から黒々しい血がどくどくと出ている。
しかし回復速度は早いようで、血が固まって止まっているところもある。
ザンギ国王はかなりきつそうだ。
ロークにかなりやられたのだろう。
体中にえぐられたような細い傷がいくつもある。
吐く息は荒く、顔は苦しみと痛みでいっぱいだ。
「ブレイブさん、回復魔法は・・・?」
ブレイブがふらふらと浮きながら言う。
「私の魔力量を舐めるな。魔力はまだかなり残っている」
「なら・・・」
「話を遮るな」
まだ話してたのか。申し訳ない。
「問題は私の刀身だ」
ブレイブは自分の刀身を俺たちに向けながら説明しだす。
「いいか?魔法というのは人間の赤ん坊と同じだ。生まれてくるときに母体を必要とする。この母体というのは魔法を使った人間の体などの事だ。私の母体は私自身の刀身。つまり・・・」
ブレイブが俺の方を向く。
「母体が破損しているから、魔法を使っても効果が最上ではなくなるのだ」
成程。
確かに友達が怪我をしたときは魔法を使いづらいって言ってたような・・・
体力的な問題かと思っていたが、肉体的な問題でもあったんだな。
「でも、回復魔法は使えるんじゃ・・・」
「ああ。使える」
使えるんじゃんかっ!
~10分後~
「皆、動けるか?」
「なんとか・・・」
ブレイブの回復魔法はやっぱりすごい。
さっきまで指一本動かせなかったのに、今では体が軽い。
と言っても、まだまだ動きづらいが。
「今の私にできるのはこれが精一杯だ。後は時間経過で回復させるしかない。問題は・・・」
ブレイブがザンギ国王の方を見る。
「国王の怪我が完治できていない。このままでは、」
「このままでは?」
チュン、チュン。
この空気に似合わない軽やかな鳥のさえずりが聞こえる。
「死ぬ」
「何てことじゃ・・・」
テッショウさんが頭を抱える。
「わしの、わしのせいじゃ!」
「わしがあんなことを言ったから・・・」
~少し遡る~
「うああああっ!」
バヂッ!
「タツヤ・・・」
見ると、タツヤの足が一部黒焦げになっている。
[明朝体]「これで逃げられまい・・・」[/明朝体]
ど、どうする!?テッショウ・ドルゴルド!
このままでは、タツヤが殺されてしまうぞ!
そうだ!やつを攻撃すれば・・・
しかし、わしの拳ではやつの鎧が硬すぎて、足止めにもならんじゃろう。
くっ!どうすればっ・・・
チラ。
「あれは・・・」
国王様の剣、『エヴィル・クラッシュ』!
以前聞いたことがあるぞ・・・
「この剣は有数の名刀の一つです。敵を力ではなく、魔力で斬る。そのおかげで、大体の敵は斬ることができるし、剣に炎や水の力を込めることができます」
この剣を使えば・・・
よし!
「国王様・・・」
「は、い?」
「大変申し訳ないのですが、この剣にありったけの魔力を込めてください」
「何故ですか?」
「かくかくしかじかで・・・」
国王様は少し考えこむ。
「分かりました。では剣を」
チャキ。
「はぁ・・・!」
ブゥン!
『エヴィル・クラッシュ』が明るく光り始める。
「今の私ではこれが限界です。さあ、行ってください・・・」
そのまま国王様は床に突っ伏す。
「国王様、かたじけない・・・」
わしは涙をぐっとこらえる。
[明朝体]「さらば、勇ましき者」[/明朝体]
時間がない!
間に合えっ!
わしは拳に全力で力を込める。
ガキキッ!
[明朝体]「?」[/明朝体]
「一杯食わされたのは私だったわけか・・・」
やった!
わしの手から力がつい抜けそうになる。
危ない、危ない。
[明朝体]「すまない、我が主」[/明朝体]
ドシャッ。
ボロボロ
~現在~
「う、うぅ・・・」
テッショウさんはふさぎ込み、細々と泣き出す。
「テッショウさんのせいじゃ、ないですよ・・・」
「国王様・・・」
テッショウさんが涙でぐしゃぐしゃの顔を上げる。
「私の、実力不足、ですから・・・」
「ありがたきお言葉・・・ありがとうございますじゃ・・・」
俺はテッショウさんの顔を見る。
良かった。
もう涙は流れてない。
体から急に力が抜け、俺は床に身を委ねる。
空がさっきよりも青い気がする。
「倒したのか?」
ブレイブがか細い声でそう聞く。
「倒したと思うぞ。流石に・・・」
テッショウさんがブレイブに言う。
「そうか。倒せたか」
ブレイブが安心しきった声でそう呟く。
「国王様・・・大丈夫ですじゃ?」
「なんとか・・・」
どうやら皆重症のようだ。
俺は体中が何かに圧迫されているように動きづらい。
ブレイブは刀身が少し黒ずんでいる。
さっきのサンダの攻撃で溶けたのだろう。
あくまでブレイブも剣なのか・・・
テッショウさんは拳から黒々しい血がどくどくと出ている。
しかし回復速度は早いようで、血が固まって止まっているところもある。
ザンギ国王はかなりきつそうだ。
ロークにかなりやられたのだろう。
体中にえぐられたような細い傷がいくつもある。
吐く息は荒く、顔は苦しみと痛みでいっぱいだ。
「ブレイブさん、回復魔法は・・・?」
ブレイブがふらふらと浮きながら言う。
「私の魔力量を舐めるな。魔力はまだかなり残っている」
「なら・・・」
「話を遮るな」
まだ話してたのか。申し訳ない。
「問題は私の刀身だ」
ブレイブは自分の刀身を俺たちに向けながら説明しだす。
「いいか?魔法というのは人間の赤ん坊と同じだ。生まれてくるときに母体を必要とする。この母体というのは魔法を使った人間の体などの事だ。私の母体は私自身の刀身。つまり・・・」
ブレイブが俺の方を向く。
「母体が破損しているから、魔法を使っても効果が最上ではなくなるのだ」
成程。
確かに友達が怪我をしたときは魔法を使いづらいって言ってたような・・・
体力的な問題かと思っていたが、肉体的な問題でもあったんだな。
「でも、回復魔法は使えるんじゃ・・・」
「ああ。使える」
使えるんじゃんかっ!
~10分後~
「皆、動けるか?」
「なんとか・・・」
ブレイブの回復魔法はやっぱりすごい。
さっきまで指一本動かせなかったのに、今では体が軽い。
と言っても、まだまだ動きづらいが。
「今の私にできるのはこれが精一杯だ。後は時間経過で回復させるしかない。問題は・・・」
ブレイブがザンギ国王の方を見る。
「国王の怪我が完治できていない。このままでは、」
「このままでは?」
チュン、チュン。
この空気に似合わない軽やかな鳥のさえずりが聞こえる。
「死ぬ」
「何てことじゃ・・・」
テッショウさんが頭を抱える。
「わしの、わしのせいじゃ!」
「わしがあんなことを言ったから・・・」
~少し遡る~
「うああああっ!」
バヂッ!
「タツヤ・・・」
見ると、タツヤの足が一部黒焦げになっている。
[明朝体]「これで逃げられまい・・・」[/明朝体]
ど、どうする!?テッショウ・ドルゴルド!
このままでは、タツヤが殺されてしまうぞ!
そうだ!やつを攻撃すれば・・・
しかし、わしの拳ではやつの鎧が硬すぎて、足止めにもならんじゃろう。
くっ!どうすればっ・・・
チラ。
「あれは・・・」
国王様の剣、『エヴィル・クラッシュ』!
以前聞いたことがあるぞ・・・
「この剣は有数の名刀の一つです。敵を力ではなく、魔力で斬る。そのおかげで、大体の敵は斬ることができるし、剣に炎や水の力を込めることができます」
この剣を使えば・・・
よし!
「国王様・・・」
「は、い?」
「大変申し訳ないのですが、この剣にありったけの魔力を込めてください」
「何故ですか?」
「かくかくしかじかで・・・」
国王様は少し考えこむ。
「分かりました。では剣を」
チャキ。
「はぁ・・・!」
ブゥン!
『エヴィル・クラッシュ』が明るく光り始める。
「今の私ではこれが限界です。さあ、行ってください・・・」
そのまま国王様は床に突っ伏す。
「国王様、かたじけない・・・」
わしは涙をぐっとこらえる。
[明朝体]「さらば、勇ましき者」[/明朝体]
時間がない!
間に合えっ!
わしは拳に全力で力を込める。
ガキキッ!
[明朝体]「?」[/明朝体]
「一杯食わされたのは私だったわけか・・・」
やった!
わしの手から力がつい抜けそうになる。
危ない、危ない。
[明朝体]「すまない、我が主」[/明朝体]
ドシャッ。
ボロボロ
~現在~
「う、うぅ・・・」
テッショウさんはふさぎ込み、細々と泣き出す。
「テッショウさんのせいじゃ、ないですよ・・・」
「国王様・・・」
テッショウさんが涙でぐしゃぐしゃの顔を上げる。
「私の、実力不足、ですから・・・」
「ありがたきお言葉・・・ありがとうございますじゃ・・・」
俺はテッショウさんの顔を見る。
良かった。
もう涙は流れてない。