ある世界を救うまで
「よし。いいぞ」
ブレイブは周りを見渡し、そう言う。
もうバッガラ城は目前だ。
ブレイブが言うには、フィナンシェ女王は城にいる可能性が高いらしい。
バチバチッ!
「隠れろ!」
俺たちはとっさにその音に気付き、建物の陰に隠れる。
もう少しで城だってのに…
俺はそう思いながら、少し音がした方に顔を出す。
何だ?あいつは?
何やら金色の鎧をまとった2トーメルほどの怪人が巨大な槍を持って立っている。
そのそばには黒く焦げた何かがある。
きっとさっきの音はあいつの攻撃だ。
だが今はフィナンシェ王女を助けることが先決、戦っている場合ではない。
何とか見つからないようにしないと…
「!?」
怪人が急にこちらを向いた。
怪人の顔を一瞬見たが、金色の輪の中に複雑に小さな輪が絡まっている物体が頭があるべき場所にあった。
やはりあれは人間ではない。
カツ…カツ…
怪人がこちらに近づいてくる。
ど、どっかに隠れないと!
え~っと…え~っと…
あそこだ!
「ハァ…ハア…」
カツ…カツ…
バキバキッ!
「!」
カツ…カツ…
「あ、あぶねえ…」
怪人は俺に気づかず、去ったようだ。
俺は安心して一気に息を吐く。
ギィ…
俺はすぐ傍にあった大きな空き箱に隠れていた。
目の前を見ると、廃棄された食器棚が塵になっていた。
少し間違えたら俺がああなっていたと考えたら冷汗が止まらない。
「青年!青年!」
左の方から小さな声が聞こえる。
「あ、ブレイブさん!無事だったんですね!」
「声が大きい!」
声のする方を見ると大きな宝箱が一つある。
「ここを開けてくれ」
ブレイブは俺にそう言う。
バカッ
俺は宝箱を開ける。
そこには横になったブレイブがいた。
「テッショウと国王は?」
ブレイブが箱から出て、俺に聞く。
「いや…分かんないです…」
俺は申し訳なさそうにブレイブに言う。
「タツヤ!ここじゃ!」
俺の下から太い声が聞こえる。
俺は驚いて、思わずしりもちをつく。
ギギギ…
俺がさっきいた場所の地面が開いていく。
「ふう、あやつは行ったか…」
そう声がすると、冷汗でまるで鏡のようになっているテッショウさんと、少し怖がっているザンギ国王が出てきた。
「なんじゃ、あいつは…」
テッショウさんが疲れ切った声で呟く。
「はあ、怖かった…」
ザンギ国王はドサッと地面に尻をつく。
「何なんですか?あいつは?」
俺がブレイブに聞く。
「分からん。だがただものではないことは確かだ。あいつに見つかったら大変なことになるぞ…」
ブレイブの声も少し低くなっている。
どうやらブレイブにも怖いものがあるようだ。
「じゃあ、急ぎましょう」
俺がみんなにそう言う。
「その前に…」
ザンギ国王がおずおずと手を上げる。
「少し用を足したいのですが…」
ブレイブがため息をつく。
「またか…」
「すみません…」
ザンギ国王がブレイブに謝る。
「俺も行っていいですかね?」
俺は今だと言わんばかりにブレイブに提案する。
「ああ。全部出してこい」
俺はその言葉にほっとする。
危ない危ない…出そうになった…
「じゃあわしも…」
テッショウさんもそれに乗っかる。
「よし。行ってこい」
そうブレイブが言った瞬間、俺たち三人は一斉に走り出した。
ブレイブは周りを見渡し、そう言う。
もうバッガラ城は目前だ。
ブレイブが言うには、フィナンシェ女王は城にいる可能性が高いらしい。
バチバチッ!
「隠れろ!」
俺たちはとっさにその音に気付き、建物の陰に隠れる。
もう少しで城だってのに…
俺はそう思いながら、少し音がした方に顔を出す。
何だ?あいつは?
何やら金色の鎧をまとった2トーメルほどの怪人が巨大な槍を持って立っている。
そのそばには黒く焦げた何かがある。
きっとさっきの音はあいつの攻撃だ。
だが今はフィナンシェ王女を助けることが先決、戦っている場合ではない。
何とか見つからないようにしないと…
「!?」
怪人が急にこちらを向いた。
怪人の顔を一瞬見たが、金色の輪の中に複雑に小さな輪が絡まっている物体が頭があるべき場所にあった。
やはりあれは人間ではない。
カツ…カツ…
怪人がこちらに近づいてくる。
ど、どっかに隠れないと!
え~っと…え~っと…
あそこだ!
「ハァ…ハア…」
カツ…カツ…
バキバキッ!
「!」
カツ…カツ…
「あ、あぶねえ…」
怪人は俺に気づかず、去ったようだ。
俺は安心して一気に息を吐く。
ギィ…
俺はすぐ傍にあった大きな空き箱に隠れていた。
目の前を見ると、廃棄された食器棚が塵になっていた。
少し間違えたら俺がああなっていたと考えたら冷汗が止まらない。
「青年!青年!」
左の方から小さな声が聞こえる。
「あ、ブレイブさん!無事だったんですね!」
「声が大きい!」
声のする方を見ると大きな宝箱が一つある。
「ここを開けてくれ」
ブレイブは俺にそう言う。
バカッ
俺は宝箱を開ける。
そこには横になったブレイブがいた。
「テッショウと国王は?」
ブレイブが箱から出て、俺に聞く。
「いや…分かんないです…」
俺は申し訳なさそうにブレイブに言う。
「タツヤ!ここじゃ!」
俺の下から太い声が聞こえる。
俺は驚いて、思わずしりもちをつく。
ギギギ…
俺がさっきいた場所の地面が開いていく。
「ふう、あやつは行ったか…」
そう声がすると、冷汗でまるで鏡のようになっているテッショウさんと、少し怖がっているザンギ国王が出てきた。
「なんじゃ、あいつは…」
テッショウさんが疲れ切った声で呟く。
「はあ、怖かった…」
ザンギ国王はドサッと地面に尻をつく。
「何なんですか?あいつは?」
俺がブレイブに聞く。
「分からん。だがただものではないことは確かだ。あいつに見つかったら大変なことになるぞ…」
ブレイブの声も少し低くなっている。
どうやらブレイブにも怖いものがあるようだ。
「じゃあ、急ぎましょう」
俺がみんなにそう言う。
「その前に…」
ザンギ国王がおずおずと手を上げる。
「少し用を足したいのですが…」
ブレイブがため息をつく。
「またか…」
「すみません…」
ザンギ国王がブレイブに謝る。
「俺も行っていいですかね?」
俺は今だと言わんばかりにブレイブに提案する。
「ああ。全部出してこい」
俺はその言葉にほっとする。
危ない危ない…出そうになった…
「じゃあわしも…」
テッショウさんもそれに乗っかる。
「よし。行ってこい」
そうブレイブが言った瞬間、俺たち三人は一斉に走り出した。