ある世界を救うまで
「すまねえな、あんたら。俺と家族がうるさくて」
ゴドルが少し笑いながらそう言う。
「全然いいですよ」
ザンギ国王はそう言ってゴドルに微笑んだ。
「そんなことをしている場合ではない。私たちは王女を助けなくては」
「あ…」
俺はブレイブの言葉で目的を思い出し、ポカンとする。
「やれやれ…忘れていたのか…では私たちは行かせてもらう」
ブレイブがそう言って扉から外に出ようとする。
「ま、待ってくれ!」
ゴドルがブレイブの柄をつかみ、引き留める。
必死な顔だ。
「何だ?放せ」
ブレイブはそう言い、ゴドルを軽く振り払おうとする。
「い、いや…どうしてとは言わねぇが、食べ物を分けてくれねぇか?俺たちは少しの食料を分けてきたんだ…でもそろそろ限界なんだよ…お願いだ…、いや、お願いします…」
ゴドルはそうブレイブにすがる。
「だが…」
「少しくらいならいいんじゃないですか?」
ザンギ国王が続ける。
「この人たちも辛いでしょうし…」
ブレイブがため息をつく。
「これだから王族は…仕方ない。これっきりだぞ」
「あ、ありがとうございます!」
ゴドルがブレイブの柄をより強く握りしめる。
「放せと言っている。じゃあ私は少しあっちに…」
ブレイブはそう言って奥の部屋に体を向けた。
「これくらいあれば3日はもつ。今はこれが限界だ」
ブレイブはゴドルと家族の前に食料を差し出す。
「あ、ありがてえ…お詫びと言っちゃあなんですが、この銃をもらってくれませんか?」
ゴドルはそう言い、ブレイブにさっきの銃を見せる。
「いいのか?」
「いいんですよ。ほら」
ゴドルが服のポケットからもう一丁銃を取り出す。
「もう一丁あるから」
ゴドルがにんまり笑う。
「では、もらっていこう。安心しろ、使い方は覚えた」
不安気なゴドルが口を開こうとしたところにブレイブが大丈夫だと言わんばかりに口をはさむ。
ゴドルはそんなブレイブに無言で銃の弾を渡す。
「じゃあな。頑張って生きろ」
ブレイブはそう言い、扉から外に出る。
「なあ、国王様」
「はい?」
ザンギ国王が扉からゴドルの方に振り返る。
「あんた、王女を救いに行くんだろ?」
「はい。私にとって妻はとても大事な存在ですから」
ザンギ国王が答える。
「どうかお気を付けて…」
ゴドルはそう言って家族の方にとぼとぼとこちらに背中を向け、歩いて行った。
その背中は悲しそうだったが、同時に希望を見出した者の背中に見えた。
ゴドルが少し笑いながらそう言う。
「全然いいですよ」
ザンギ国王はそう言ってゴドルに微笑んだ。
「そんなことをしている場合ではない。私たちは王女を助けなくては」
「あ…」
俺はブレイブの言葉で目的を思い出し、ポカンとする。
「やれやれ…忘れていたのか…では私たちは行かせてもらう」
ブレイブがそう言って扉から外に出ようとする。
「ま、待ってくれ!」
ゴドルがブレイブの柄をつかみ、引き留める。
必死な顔だ。
「何だ?放せ」
ブレイブはそう言い、ゴドルを軽く振り払おうとする。
「い、いや…どうしてとは言わねぇが、食べ物を分けてくれねぇか?俺たちは少しの食料を分けてきたんだ…でもそろそろ限界なんだよ…お願いだ…、いや、お願いします…」
ゴドルはそうブレイブにすがる。
「だが…」
「少しくらいならいいんじゃないですか?」
ザンギ国王が続ける。
「この人たちも辛いでしょうし…」
ブレイブがため息をつく。
「これだから王族は…仕方ない。これっきりだぞ」
「あ、ありがとうございます!」
ゴドルがブレイブの柄をより強く握りしめる。
「放せと言っている。じゃあ私は少しあっちに…」
ブレイブはそう言って奥の部屋に体を向けた。
「これくらいあれば3日はもつ。今はこれが限界だ」
ブレイブはゴドルと家族の前に食料を差し出す。
「あ、ありがてえ…お詫びと言っちゃあなんですが、この銃をもらってくれませんか?」
ゴドルはそう言い、ブレイブにさっきの銃を見せる。
「いいのか?」
「いいんですよ。ほら」
ゴドルが服のポケットからもう一丁銃を取り出す。
「もう一丁あるから」
ゴドルがにんまり笑う。
「では、もらっていこう。安心しろ、使い方は覚えた」
不安気なゴドルが口を開こうとしたところにブレイブが大丈夫だと言わんばかりに口をはさむ。
ゴドルはそんなブレイブに無言で銃の弾を渡す。
「じゃあな。頑張って生きろ」
ブレイブはそう言い、扉から外に出る。
「なあ、国王様」
「はい?」
ザンギ国王が扉からゴドルの方に振り返る。
「あんた、王女を救いに行くんだろ?」
「はい。私にとって妻はとても大事な存在ですから」
ザンギ国王が答える。
「どうかお気を付けて…」
ゴドルはそう言って家族の方にとぼとぼとこちらに背中を向け、歩いて行った。
その背中は悲しそうだったが、同時に希望を見出した者の背中に見えた。