ある世界を救うまで
「ハァ、ハァ、ハァ…」
俺たちが城を出て大分経った。
いや、正確にはさほど経っていないのかもしれない。
今、俺たちは荒らされた民家に隠れている。
ブレイブが言うに防衛された場所より既にボロボロの場所の方が隠れるにはうってつけらしい。
「ふう。ここなら見つからなさそうですし、一旦食事をとりませんか?」
ザンギ国王はブレイブにそう言う。
「そうだな。このままでは体が持たん」
ブレイブはそう答える。
俺たち3人は黙って目をつぶる。
「学んだようだな」
ブレイブはそう安心した声で言った。
「よし。目を開けていいぞ」
俺は目を開ける。
目の前には少しの非常食と乾物があった。
「今日はこれくらいでいいだろう。干し小麦と体力肉だ。これなら十分体力が回復する」
カラン。
ブレイブは地面に横になる。
「ブレイブさんは食べないんですか?」
ザンギ国王が自分の分の食べ物を取りながらそう言う。
「私は剣だからな。少し休んで魔力を貯めれば何とかなる」
どうやらブレイブは食事が必要ないらしい。
便利な体だな…
「よし。早く食べよう。わしらにはあまり時間がない」
テッショウは自分の分の干し小麦を袋から出す。
「はい。食べましょう」
俺はそう言って肉にかぶりついた。
「ザンギ様はこの後どうするんです?」
テッショウがザンギ国王に聞く。
「私は…」
ザンギ国王は少しの間黙り込む。
「妃を探すのだろう?」
「…ええ」
そういえばこの国の女王、フィナンシェ女王をずっと見ていない。
ザンギ国王と一緒に閉じ込められていると思っていたが…
「わが妃、フィナンシェは9王という集団の一人、雷王サンダという輩に連れ去られてしまったのです。今は人質になっているようでして…」
ザンギ国王は悲しそうにそう話す。
俺はそんな話を聞いてあることを思い出した。
ジョンの事だ。
あいつは今頃無事だろうか…
だが今はそんなことを気にしている場合ではない。
この国、いやこの世界を救うことが先決だから。
「雷王、サンダ…?」
テッショウさんはそんな俺の思いなどしらず初めて聞いた名前に首をかしげる。
「ええ。私も詳しくは分かりませんが、そう名乗っていました」
ザンギ国王も詳しくは知らないのか…
「9王という集団の一人か…そいつも倒す必要があるな」
ブレイブはそうボソッと言う。
「なので私はフィナンシェを取り戻しに行きます。あなたたちは?」
ブレイブが口を開く。
「私は国王と共に行った方がいいと思うぞ。目的は違うが、目的地は一緒だしな」
確かに俺もその意見には賛成だ。
「じゃあわしらもそうするか…。。。いいですかね?ガルド様」
テッショウがザンギ国王にそう聞く。
「ええ、勿論です。私も頼もしいですよ」
ザンギ国王は少し微笑む。
「タツヤ、おぬしもそれでいいか?」
俺はその言葉に首を縦に振る。
「よし、次の目的地が決まったな。だがそのサンダというやつがいる場所は何処なのだ?」
ブレイブがそうザンギ国王に聞く。
「サンダという輩がいるのは隣国の『バッガラ連合国』に連れていたらしいです。フィナンシェの出身地なのでこのシャルド王国とも交流がある国です」
ザンギ国王はブレイブの言葉にそう答えた。
「じゃあそこに向かいましょう」
俺は残りの肉を一気に口に詰め込み言う。
「ああ。お前たち体力は戻ったか?」
ブレイブは起き上がって俺たちに聞く。
「ええ。ばっちりです」
ザンギ国王はさっきよりも明るい顔でそう答えた。
俺たちが城を出て大分経った。
いや、正確にはさほど経っていないのかもしれない。
今、俺たちは荒らされた民家に隠れている。
ブレイブが言うに防衛された場所より既にボロボロの場所の方が隠れるにはうってつけらしい。
「ふう。ここなら見つからなさそうですし、一旦食事をとりませんか?」
ザンギ国王はブレイブにそう言う。
「そうだな。このままでは体が持たん」
ブレイブはそう答える。
俺たち3人は黙って目をつぶる。
「学んだようだな」
ブレイブはそう安心した声で言った。
「よし。目を開けていいぞ」
俺は目を開ける。
目の前には少しの非常食と乾物があった。
「今日はこれくらいでいいだろう。干し小麦と体力肉だ。これなら十分体力が回復する」
カラン。
ブレイブは地面に横になる。
「ブレイブさんは食べないんですか?」
ザンギ国王が自分の分の食べ物を取りながらそう言う。
「私は剣だからな。少し休んで魔力を貯めれば何とかなる」
どうやらブレイブは食事が必要ないらしい。
便利な体だな…
「よし。早く食べよう。わしらにはあまり時間がない」
テッショウは自分の分の干し小麦を袋から出す。
「はい。食べましょう」
俺はそう言って肉にかぶりついた。
「ザンギ様はこの後どうするんです?」
テッショウがザンギ国王に聞く。
「私は…」
ザンギ国王は少しの間黙り込む。
「妃を探すのだろう?」
「…ええ」
そういえばこの国の女王、フィナンシェ女王をずっと見ていない。
ザンギ国王と一緒に閉じ込められていると思っていたが…
「わが妃、フィナンシェは9王という集団の一人、雷王サンダという輩に連れ去られてしまったのです。今は人質になっているようでして…」
ザンギ国王は悲しそうにそう話す。
俺はそんな話を聞いてあることを思い出した。
ジョンの事だ。
あいつは今頃無事だろうか…
だが今はそんなことを気にしている場合ではない。
この国、いやこの世界を救うことが先決だから。
「雷王、サンダ…?」
テッショウさんはそんな俺の思いなどしらず初めて聞いた名前に首をかしげる。
「ええ。私も詳しくは分かりませんが、そう名乗っていました」
ザンギ国王も詳しくは知らないのか…
「9王という集団の一人か…そいつも倒す必要があるな」
ブレイブはそうボソッと言う。
「なので私はフィナンシェを取り戻しに行きます。あなたたちは?」
ブレイブが口を開く。
「私は国王と共に行った方がいいと思うぞ。目的は違うが、目的地は一緒だしな」
確かに俺もその意見には賛成だ。
「じゃあわしらもそうするか…。。。いいですかね?ガルド様」
テッショウがザンギ国王にそう聞く。
「ええ、勿論です。私も頼もしいですよ」
ザンギ国王は少し微笑む。
「タツヤ、おぬしもそれでいいか?」
俺はその言葉に首を縦に振る。
「よし、次の目的地が決まったな。だがそのサンダというやつがいる場所は何処なのだ?」
ブレイブがそうザンギ国王に聞く。
「サンダという輩がいるのは隣国の『バッガラ連合国』に連れていたらしいです。フィナンシェの出身地なのでこのシャルド王国とも交流がある国です」
ザンギ国王はブレイブの言葉にそう答えた。
「じゃあそこに向かいましょう」
俺は残りの肉を一気に口に詰め込み言う。
「ああ。お前たち体力は戻ったか?」
ブレイブは起き上がって俺たちに聞く。
「ええ。ばっちりです」
ザンギ国王はさっきよりも明るい顔でそう答えた。