ある世界を救うまで
コツコツコツ…
俺は今ザンギ国王を探すため、通路を歩いている。
この「隠し監獄」は罪人を収容するだけあってかなり広い。
そして寒い。
まるで氷水に入ってるみたいだ。
あちらこちらに牢屋がある。
もう10分ほど歩いただろうか…
「もうすぐ一番奥の牢屋に着く」
ブレイブが言う。
「分かった。そういえばなんじゃが、何故おぬしはこんなに城内の事を知っておるのじゃ?」
テッショウがブレイブにそう聞く。
「あいつとこの国を救った時に当時の国王に長々と自慢されたのだ。まさかこんな時にあの話が役立つなんてな…人生…いや、剣生というのは分からないものだ」
ブレイブはそう答えた。
「ここが一番奥の牢屋だ。一番厳重な牢屋でもある」
一番厳重な牢屋というだけあって他の牢屋とは明らかに設備が違う。
「これ…どうやって開けるんですかね…」
俺は牢屋の扉を見てそうテッショウさんに囁く。
「わしには全く分からん」
テッショウさんも扉を見つめ俺にそう囁く。
「ここを見ろ」
ブレイブは扉の一部分を自身の先端で指す。
?
俺は言われた通りそこを見るが、一見何もない。
「ここが開くのだ」
ブレイブがそう言うと、扉の一部分が開く。
そこには10個の板があった。
「ここに番号を入力する。1、6、4,0の順番で板を押せ」
「は、はあ…」
俺は言われた通りの順番で板を押した。
ギギギギギ…
扉が古びた音をたてて開く。
「国王様!」
テッショウさんが扉の奥の牢屋にいたザンギ国王に駆け寄る。
「ん…?」
ぐたっとしていたザンギ国王は顔を上げテッショウを見つめる。
「あなたは…?」
「わしはテッショウという者です。こっちはタツヤ」
テッショウがザンギ国王にそう説明する。
「ああ…、助けが来ましたか…」
ザンギ国王はよろよろと立ち上がる。
「ここを開けてください。幸い番号はあの化け物たちに変えられていません。番号は9472です」
テッショウは言われた番号を牢屋の横にある板に入力する。
ガガガガガガ…
牢屋の扉が開く。
「ありがとうございます…」
ザンギ国王は頭を下げる。
「頭を上げてください」
テッショウはザンギ国王にそう言う。
「とにかく無事でよかったです。頼みがあるんですが、いいですか?」
テッショウはザンギ国王の手を取って立たせながらそう聞く。
「何でしょうか?私にできることならやれますが…」
ザンギ国王が脇腹を抑えながらそう言う。
「実は食べ物が欲しくて。わしらはこの城に乗り込んでから何も食べてなくてそろそろ体力がきついんですよ」
テッショウはそう言う。
「俺からもお願いします」
俺もザンギ国王にそう頼む。
「はい、分かりました。ですが…」
ザンギ国王が悔しそうに唇を噛み締める。
「どうしたんですか?」
テッショウがザンギ国王に聞く。
「実は…この城には食糧庫があるのですが、今化け物に占拠されていて…そう簡単には食べ物が確保できない状態なんです…」
ザンギ国王はそう言う。
「それなら大丈夫だ」
「!?」
ブレイブが喋ったのにザンギ国王は驚く。
「食糧庫にを守っているのは憶測だが雑魚共だろう。少なくとも私ならそうする。雑魚共なら体力がなくても大丈夫だ。生憎私は食物を生成できる魔法を覚えてなくてな。食糧庫に行くしかない」
「わしもそうだと思う」
テッショウはブレイブの意見に賛成する。
「なら早速行きましょう」
俺はそう言って牢屋の出口に向かう。
「そうしたいのは山々なんですが…」
ザンギ国王は脇腹を抑えながら立ち止まる。
「私、ここをさっき化け物に切られてしまっていて…歩くのが辛いんです…」
「そういう事なら心配ない」
ブレイブはザンギ国王に近づく。
「んっ」
ザンギ国王の顔がみるみる明るくなっていく。
「回復魔法、ですか…ありがとうございます」
ザンギ国王がブレイブにお礼を言う。
「礼などいい。行くぞ」
ブレイブは俺が持っている自分の鞘に収まりそう言った。
「あなたの事は知っています。呪いの剣と言われていますが私はそうは思いません」
ザンギ国王は優しい声色でブレイブにそう言う。
「…」
ブレイブは何も言わず、俺を牢屋の出口に引っ張った。
俺は今ザンギ国王を探すため、通路を歩いている。
この「隠し監獄」は罪人を収容するだけあってかなり広い。
そして寒い。
まるで氷水に入ってるみたいだ。
あちらこちらに牢屋がある。
もう10分ほど歩いただろうか…
「もうすぐ一番奥の牢屋に着く」
ブレイブが言う。
「分かった。そういえばなんじゃが、何故おぬしはこんなに城内の事を知っておるのじゃ?」
テッショウがブレイブにそう聞く。
「あいつとこの国を救った時に当時の国王に長々と自慢されたのだ。まさかこんな時にあの話が役立つなんてな…人生…いや、剣生というのは分からないものだ」
ブレイブはそう答えた。
「ここが一番奥の牢屋だ。一番厳重な牢屋でもある」
一番厳重な牢屋というだけあって他の牢屋とは明らかに設備が違う。
「これ…どうやって開けるんですかね…」
俺は牢屋の扉を見てそうテッショウさんに囁く。
「わしには全く分からん」
テッショウさんも扉を見つめ俺にそう囁く。
「ここを見ろ」
ブレイブは扉の一部分を自身の先端で指す。
?
俺は言われた通りそこを見るが、一見何もない。
「ここが開くのだ」
ブレイブがそう言うと、扉の一部分が開く。
そこには10個の板があった。
「ここに番号を入力する。1、6、4,0の順番で板を押せ」
「は、はあ…」
俺は言われた通りの順番で板を押した。
ギギギギギ…
扉が古びた音をたてて開く。
「国王様!」
テッショウさんが扉の奥の牢屋にいたザンギ国王に駆け寄る。
「ん…?」
ぐたっとしていたザンギ国王は顔を上げテッショウを見つめる。
「あなたは…?」
「わしはテッショウという者です。こっちはタツヤ」
テッショウがザンギ国王にそう説明する。
「ああ…、助けが来ましたか…」
ザンギ国王はよろよろと立ち上がる。
「ここを開けてください。幸い番号はあの化け物たちに変えられていません。番号は9472です」
テッショウは言われた番号を牢屋の横にある板に入力する。
ガガガガガガ…
牢屋の扉が開く。
「ありがとうございます…」
ザンギ国王は頭を下げる。
「頭を上げてください」
テッショウはザンギ国王にそう言う。
「とにかく無事でよかったです。頼みがあるんですが、いいですか?」
テッショウはザンギ国王の手を取って立たせながらそう聞く。
「何でしょうか?私にできることならやれますが…」
ザンギ国王が脇腹を抑えながらそう言う。
「実は食べ物が欲しくて。わしらはこの城に乗り込んでから何も食べてなくてそろそろ体力がきついんですよ」
テッショウはそう言う。
「俺からもお願いします」
俺もザンギ国王にそう頼む。
「はい、分かりました。ですが…」
ザンギ国王が悔しそうに唇を噛み締める。
「どうしたんですか?」
テッショウがザンギ国王に聞く。
「実は…この城には食糧庫があるのですが、今化け物に占拠されていて…そう簡単には食べ物が確保できない状態なんです…」
ザンギ国王はそう言う。
「それなら大丈夫だ」
「!?」
ブレイブが喋ったのにザンギ国王は驚く。
「食糧庫にを守っているのは憶測だが雑魚共だろう。少なくとも私ならそうする。雑魚共なら体力がなくても大丈夫だ。生憎私は食物を生成できる魔法を覚えてなくてな。食糧庫に行くしかない」
「わしもそうだと思う」
テッショウはブレイブの意見に賛成する。
「なら早速行きましょう」
俺はそう言って牢屋の出口に向かう。
「そうしたいのは山々なんですが…」
ザンギ国王は脇腹を抑えながら立ち止まる。
「私、ここをさっき化け物に切られてしまっていて…歩くのが辛いんです…」
「そういう事なら心配ない」
ブレイブはザンギ国王に近づく。
「んっ」
ザンギ国王の顔がみるみる明るくなっていく。
「回復魔法、ですか…ありがとうございます」
ザンギ国王がブレイブにお礼を言う。
「礼などいい。行くぞ」
ブレイブは俺が持っている自分の鞘に収まりそう言った。
「あなたの事は知っています。呪いの剣と言われていますが私はそうは思いません」
ザンギ国王は優しい声色でブレイブにそう言う。
「…」
ブレイブは何も言わず、俺を牢屋の出口に引っ張った。