「青年！次は右だ！」
俺はブレイブの言葉通り、ガルドの攻撃を右によける。
ガシャアン！
俺が右によけたおかげでガルドの攻撃は当たらず、攻撃はさっき俺がいたところの床に当たる。
「青年、今だ！」
俺はまたブレイブの言葉に従い、ガルドの腹を斬りつける。
「ぐあっ！」
ガルドが痛みに悶える。
「離れろ！」
俺はブレイブの言葉を聞いてすぐにガルドから離れる。
ブオッ！
ガルドがさっきまで俺がいたところに砂と岩の槌を振り回す。
しかし、俺がガルドから離れたおかげで攻撃は当たらない。
「くそっ！何で当たらねぇんだ！」
ガルドが俺の方を見て叫ぶ。
実際、俺も攻撃が当たらないことには驚いている。
信じられないが、この「勇剣ブレイブ」の言うことに従えば俺は安全に戦うことができるのだ。
きっと俺の先祖もこんなふうに戦っていたんだろう。
「おらぁ！」
俺がそんなことを考えているうちにガルドはポケットから砂を取り出し、自分の周りに巻いた。
「オオオォ…」
砂の兵士が10体ほど俺の前に出てくる。
「野郎ども！行けえ！」
「オオオォォ！」
砂の兵士はテッショウさんには目もくれず、俺の方に全員走ってきた。
「青年、私を振れ」
俺はブレイブを言われて通り、砂の兵士たちに向けて振る。
ビュオッ！
その瞬間ブレイブの先から空気の塊のようなものが砂の兵士たちに向けて飛び出した。
「アアアァァ…」
砂の兵士たちが元の砂に戻っていく。
「何！？」
ガルドが砂の兵士たちが砂に戻ったのを見て驚く。
「くそっ！こうなったらもうやけくそだ！はああ！」
ガルドが俺に向かって走ってくる。
「食らえ！岩砕衝撃大破撃（がんさいしょうげきだいはげき）！」
ガルドがそう言った瞬間、ガルドの持っている砂と岩の槌が光りだす。
これはやばい！
俺はそう思って攻撃を避けようとする。
「青年！私で受け止めろ！」
だが、ブレイブはそう言った。
俺はその言葉に疑問を持ったが言うとおりにする。
ガキィン！
ブレイブと砂と岩の槌がぶつかる。
「あ、ああ…」
ガルドの持っている砂と岩の槌が崩れだす。
「あのお方に作ってもらったのに…」
ガルドがもう槌とは言えなくなった砂と岩の槌を握り締めて言う。
「よくも！よくもぉ！」
ガルドが俺に拳を向ける。
「青年、斬れ」
ブレイブがそう言う。
ザシュッ
「ああ…」
ドサッ
ガルドが俺の攻撃を受け、膝から崩れ落ちる。
「偉大なるあのお方、万歳」
ガルドはそう言い残して動かなくなった。