二次創作
イタチがHUNTER×HUNTERの世界に行ったら。
その際、目撃したもの達の記憶を消すことを忘れずに。
多少、術を使用してもここにいる者に一斉に幻術をかけるつもりでいた。
――でもそれは最終手段だが――
手荒な真似はなるべくしたくはないと思っていた。
イタチにはこの世界に呼び出した者を見つける目的がある。
その為に、この世界で生き抜き活動する際にハンターライセンスという証がどうしても必要だ。
だからこんなところで失格になる訳にはいかなかった。
どんな憎まれ口を叩かれようが、狡猾と言われようが、目的の為ならば他人を欺いてでも己1人でもやる。……そう思っていた。
――いや、前の世界かつてのイタチだったらそうしていた。
イタチはこの世界で再び生を受け(だと言っていいのか)ゴン達と出会い少しずつではあるが、己の中で変化しているものがあった。
前世か忍術によるもなのか未だよく分からないが、仮に忍びの世界で生きていた頃を前世とするならば、己の死因は1人で何でもかんでもやっていたこと、
つまり他人を頼る事をしなかったのがいけなかった。自分1人で全てできると、……それが間違いだった
ン。彼はサスケの友人であるナルトに似ている。
「(…懐かれているとは思う)」
イタチは懐いてくる少年を、かつての弟のように見てしまうのだ。【ブラコン能力発揮、、】
「(この少年に着いて行けば、何か分かる気がするのは何故だ?
神が存在するならば、これは人を頼れという天啓なのか?だから俺は再び生き、この少年の前に現れたのか?)」
――分からない、でもそんな気がするんだ……。
直感と言う不確実なものは信じたくはない、
だがイタチはこの時ばかりは信じてみたいと思った。
―――――――――――――――
老婆が出したクイズは特殊なもので、一般人からしたら心底、答えに迷うものであった。
だが、答えなければならない。
ゴン達の前に、後方から尾行していた受験者の1人はさっさと答え、先に行ってしまった。
なおも続く質問。当然答えの出ない問いに、レオリオは苛立ち、今にも老婆へ襲いかかりそうだ。
「!(そうか、このクイズの正解が分かったぞ!)」
1問目でクラピカはレオリオの言葉で質問の意図に気づいた。が教えようとしたところで老婆に阻止されてしまった。
ふと、クラピカは皆の様子を見る。
まず目に入ったのはゴン、まだ考えているのか答えが分かっているのかどちらか分からない。
次にレオリオ、答えは分かってなさそうだがそれでいい、早まって攻撃してくれるなよ、と。
最後にイタチだ。彼女はやはり気づいたらしい。唯一、目線が合いアイコンタクトだけで意思疎通を交わし、2人は頷く。
――――――――
――遡ることほんの少し前――
イタチは初め、老婆の質問に対し長年(忍者)の経験から反射的に自身の中で回答を立てていた。
だがそれは、誰か1人でも間違えば失格になってしまうこの場では言わなかった。
その判断は正解だった――
当初考えていたものとは別の回答だと言う事に思い至ったのだ。
そして先程尾行していた受験生の返答で確信した。
しかし、それはイタチが忍びの世に生きていた為に分かった事であり
反則わざ、と言われてもおかしくない。
そう本人は思っていた。
が感じるがまま、赴くままに欲し、追求し、人格者であれと言うのか。
……神は俺にそれを強いるのか。
この血にまみれてきたこの両手で――。
まるで、生前の生き方を否定されているようだと思っていた。
「(……俺はそれでもいいと思っていた。里の為ならばどんな闇をも飲み込もうと、例えどんな汚名をつけられても俺は木の葉のうちはイタチだと、……そうありたかった。今でもその気持ちは変わらない。
でもその考えは間違いだったというのか)」
イタチは分からなくなった。
――同じような質問が老婆からまた出された。
――瞬間クラピカと目が合う。
今は考えるのはよそう……。拳を握る力には無視をして。
思考に耽る間、一瞬が長い時間に感じられた。
――――沈黙がゴン達を包んでいた。
――――――――――――――――――――――
――そう、俺が暗部でやってきたように、一族の時の様に――。
……結果や未来はどうなるか分からない。ただ言えるのはそこから先に好転する事は、限りなく無に等しい。最後はいつも己の弱さを自覚するだけだ。そこにはいつだって、残酷な現実があるだけ。
クラピカとレオリオ、ゴンは驚いていた。
――まさかイタチからそんな言葉が出るなんて、それに……その言葉にはどこか重みがあるし、やけにリアルだな、と。でも確かにイタチの言っていることはあり得る話だった。
そして3人とイタチの間には、根本的な何かが違うと感じてしまった。
「……確かに、来るべき状況に備える事は大事だ。レオリオの甘さもわかる。だが先程の老婆の質問と君の出した問いで、なぜどちらも助けないと断言する?」
「……正直、俺もどう選択するか分からない。でも、……できるならどちらも助けたいよ、、」
「……綺麗事だよ、それは」
イタチは冷ややかにゴン達を見る。
その双眼に、クラピカとレオリオの背に冷たい何かが通ったきがした。
た気がした。
――……そうか、そうだ。その考えもあったな。
遠くて忘れていた。最も近くて遠かったものだ――
もう一度、その綺麗事を諦めたくない、信じたい。希望を未来を掴みとりたい。
今世でも、また同じ過ちを繰り返そうとする所だった。
イタチはゴンの返答を聞くと、瞼をゆっくりと伏せた。そしてぽつりぽつりと話し出した。
「……そうだな、そうだといいな……」
フッと、イタチは目を伏せながら視線をゴンたちから外し、綻ぶように微笑した。言葉の意味をなぞるように、目を閉じて。
その表情はどこか、彼女自身に意味を持たせているようだと、ゴン達は感じた。
フワリ、と彼らの間に優しい風が吹き抜ける。
――やはり思考を変えるのは難しいものだな――
そして、次に目を開いた時、真っ直ぐとゴンの目を見ていた。
「………………なら、私が守るよ、ゴン。」
――今度こそ、守ろう、同じ立場で――
「……だから、もし私がそんな状況になった時は
、助けてくれるか?」
その声は小さかったが、何か確固たるものがあった。
「「……?」」
「うん、もちろんだよ!当たり前じゃん!」
「おいおい、俺らもいるぜ!」
「私もいるよ。まぁ、何を思い詰めていたか分からないが、解消したようで何よりだ」
ゴンの眩しい笑顔に当てられ、今度こそイタチもつられて笑った。
―さぁ行こう、辺りはもう暗い。でも彼らの周りは明るく、あたたかい――――
多少、術を使用してもここにいる者に一斉に幻術をかけるつもりでいた。
――でもそれは最終手段だが――
手荒な真似はなるべくしたくはないと思っていた。
イタチにはこの世界に呼び出した者を見つける目的がある。
その為に、この世界で生き抜き活動する際にハンターライセンスという証がどうしても必要だ。
だからこんなところで失格になる訳にはいかなかった。
どんな憎まれ口を叩かれようが、狡猾と言われようが、目的の為ならば他人を欺いてでも己1人でもやる。……そう思っていた。
――いや、前の世界かつてのイタチだったらそうしていた。
イタチはこの世界で再び生を受け(だと言っていいのか)ゴン達と出会い少しずつではあるが、己の中で変化しているものがあった。
前世か忍術によるもなのか未だよく分からないが、仮に忍びの世界で生きていた頃を前世とするならば、己の死因は1人で何でもかんでもやっていたこと、
つまり他人を頼る事をしなかったのがいけなかった。自分1人で全てできると、……それが間違いだった
ン。彼はサスケの友人であるナルトに似ている。
「(…懐かれているとは思う)」
イタチは懐いてくる少年を、かつての弟のように見てしまうのだ。【ブラコン能力発揮、、】
「(この少年に着いて行けば、何か分かる気がするのは何故だ?
神が存在するならば、これは人を頼れという天啓なのか?だから俺は再び生き、この少年の前に現れたのか?)」
――分からない、でもそんな気がするんだ……。
直感と言う不確実なものは信じたくはない、
だがイタチはこの時ばかりは信じてみたいと思った。
―――――――――――――――
老婆が出したクイズは特殊なもので、一般人からしたら心底、答えに迷うものであった。
だが、答えなければならない。
ゴン達の前に、後方から尾行していた受験者の1人はさっさと答え、先に行ってしまった。
なおも続く質問。当然答えの出ない問いに、レオリオは苛立ち、今にも老婆へ襲いかかりそうだ。
「!(そうか、このクイズの正解が分かったぞ!)」
1問目でクラピカはレオリオの言葉で質問の意図に気づいた。が教えようとしたところで老婆に阻止されてしまった。
ふと、クラピカは皆の様子を見る。
まず目に入ったのはゴン、まだ考えているのか答えが分かっているのかどちらか分からない。
次にレオリオ、答えは分かってなさそうだがそれでいい、早まって攻撃してくれるなよ、と。
最後にイタチだ。彼女はやはり気づいたらしい。唯一、目線が合いアイコンタクトだけで意思疎通を交わし、2人は頷く。
――――――――
――遡ることほんの少し前――
イタチは初め、老婆の質問に対し長年(忍者)の経験から反射的に自身の中で回答を立てていた。
だがそれは、誰か1人でも間違えば失格になってしまうこの場では言わなかった。
その判断は正解だった――
当初考えていたものとは別の回答だと言う事に思い至ったのだ。
そして先程尾行していた受験生の返答で確信した。
しかし、それはイタチが忍びの世に生きていた為に分かった事であり
反則わざ、と言われてもおかしくない。
そう本人は思っていた。
が感じるがまま、赴くままに欲し、追求し、人格者であれと言うのか。
……神は俺にそれを強いるのか。
この血にまみれてきたこの両手で――。
まるで、生前の生き方を否定されているようだと思っていた。
「(……俺はそれでもいいと思っていた。里の為ならばどんな闇をも飲み込もうと、例えどんな汚名をつけられても俺は木の葉のうちはイタチだと、……そうありたかった。今でもその気持ちは変わらない。
でもその考えは間違いだったというのか)」
イタチは分からなくなった。
――同じような質問が老婆からまた出された。
――瞬間クラピカと目が合う。
今は考えるのはよそう……。拳を握る力には無視をして。
思考に耽る間、一瞬が長い時間に感じられた。
――――沈黙がゴン達を包んでいた。
――――――――――――――――――――――
――そう、俺が暗部でやってきたように、一族の時の様に――。
……結果や未来はどうなるか分からない。ただ言えるのはそこから先に好転する事は、限りなく無に等しい。最後はいつも己の弱さを自覚するだけだ。そこにはいつだって、残酷な現実があるだけ。
クラピカとレオリオ、ゴンは驚いていた。
――まさかイタチからそんな言葉が出るなんて、それに……その言葉にはどこか重みがあるし、やけにリアルだな、と。でも確かにイタチの言っていることはあり得る話だった。
そして3人とイタチの間には、根本的な何かが違うと感じてしまった。
「……確かに、来るべき状況に備える事は大事だ。レオリオの甘さもわかる。だが先程の老婆の質問と君の出した問いで、なぜどちらも助けないと断言する?」
「……正直、俺もどう選択するか分からない。でも、……できるならどちらも助けたいよ、、」
「……綺麗事だよ、それは」
イタチは冷ややかにゴン達を見る。
その双眼に、クラピカとレオリオの背に冷たい何かが通ったきがした。
た気がした。
――……そうか、そうだ。その考えもあったな。
遠くて忘れていた。最も近くて遠かったものだ――
もう一度、その綺麗事を諦めたくない、信じたい。希望を未来を掴みとりたい。
今世でも、また同じ過ちを繰り返そうとする所だった。
イタチはゴンの返答を聞くと、瞼をゆっくりと伏せた。そしてぽつりぽつりと話し出した。
「……そうだな、そうだといいな……」
フッと、イタチは目を伏せながら視線をゴンたちから外し、綻ぶように微笑した。言葉の意味をなぞるように、目を閉じて。
その表情はどこか、彼女自身に意味を持たせているようだと、ゴン達は感じた。
フワリ、と彼らの間に優しい風が吹き抜ける。
――やはり思考を変えるのは難しいものだな――
そして、次に目を開いた時、真っ直ぐとゴンの目を見ていた。
「………………なら、私が守るよ、ゴン。」
――今度こそ、守ろう、同じ立場で――
「……だから、もし私がそんな状況になった時は
、助けてくれるか?」
その声は小さかったが、何か確固たるものがあった。
「「……?」」
「うん、もちろんだよ!当たり前じゃん!」
「おいおい、俺らもいるぜ!」
「私もいるよ。まぁ、何を思い詰めていたか分からないが、解消したようで何よりだ」
ゴンの眩しい笑顔に当てられ、今度こそイタチもつられて笑った。
―さぁ行こう、辺りはもう暗い。でも彼らの周りは明るく、あたたかい――――