バレンタイン&バーテンダー晴信ネタ
#1
実はこの為にしばらく「蜘蛛の糸」でバイトしてた晴信
す……、と目の前に滑らせるように差し出されたカクテルグラスには、深いブラウンと淡い色の泡の層に分かれたカクテルが注がれていた。景虎はしばらくそのグラスをキョトンと見つめていたが、「どうした、飲まないのか?」と言う声を聞いて顔を上げると、声の主である晴信はシェイカーやメジャーカップを濯いでいた。
「あの、これは……」
「ん? やはりカクテルに馴染みは無かったか……?」
「いえ、そうではなく……。というか、何故貴方がバーカウンターの中に?」
景虎がそういうのも無理は無い、何故なら晴信は今BAR「蜘蛛の糸」のバーテンダーの1人として彼の前に立っていたのだ。何時ものスーツとは異なり、白いシャツに黒のベスト、そして赤のネクタイという晴信の姿に景虎は何となくソワソワしながら尋ねた。
「……まぁ、一口飲め。それで分かるだろ」
晴信の一言で景虎はおずおずと出されたカクテルを口にする。途端にアルコールと共に鼻を抜けた甘い香りには覚えがあった。
「これはジンという洋酒とチョコレー……。な、成程、そういうことですか」
「お前にしては察しがいいな」
「マスターと共に歩んだこの4年で私も多少は戦以外の事も分かるようになったのですよ!」
「そりゃいい事だ」
そんな会話をしていた2人だったが、晴信は景虎が最初の一口以降カクテルに手を付けていないことに気づいた。
「……その、口に合わなかったか……?」
「えっ、あっ、そんなことないです! 甘すぎなくて私好みです!! ですが……」
そういうと何故か景虎の頬にほのかに赤みが差した。
「……貴方と共に飲みたかったな〜、なんて思ってしまいまして……」
柄にも無いことを口走ってしまった。そう思った景虎が晴信に目線を移すと、景虎以上に頬と耳を赤く染めて「狡いぞ」と少し不貞腐れたような顔で晴信は呟いた。
少し待ってろ、と言って奥から氷を入れたコリンズグラスを持ってくると手早くウイスキーとチョコレートリキュール、トニックウォーターをステアしてハイボールを用意した。
「……ハッピーバレンタイン」
そう言って晴信が差し出したグラスに、景虎は嬉しそうに自分のグラスを軽くぶつけて、始まったばかりの甘い夜に乾杯した。
「あの、これは……」
「ん? やはりカクテルに馴染みは無かったか……?」
「いえ、そうではなく……。というか、何故貴方がバーカウンターの中に?」
景虎がそういうのも無理は無い、何故なら晴信は今BAR「蜘蛛の糸」のバーテンダーの1人として彼の前に立っていたのだ。何時ものスーツとは異なり、白いシャツに黒のベスト、そして赤のネクタイという晴信の姿に景虎は何となくソワソワしながら尋ねた。
「……まぁ、一口飲め。それで分かるだろ」
晴信の一言で景虎はおずおずと出されたカクテルを口にする。途端にアルコールと共に鼻を抜けた甘い香りには覚えがあった。
「これはジンという洋酒とチョコレー……。な、成程、そういうことですか」
「お前にしては察しがいいな」
「マスターと共に歩んだこの4年で私も多少は戦以外の事も分かるようになったのですよ!」
「そりゃいい事だ」
そんな会話をしていた2人だったが、晴信は景虎が最初の一口以降カクテルに手を付けていないことに気づいた。
「……その、口に合わなかったか……?」
「えっ、あっ、そんなことないです! 甘すぎなくて私好みです!! ですが……」
そういうと何故か景虎の頬にほのかに赤みが差した。
「……貴方と共に飲みたかったな〜、なんて思ってしまいまして……」
柄にも無いことを口走ってしまった。そう思った景虎が晴信に目線を移すと、景虎以上に頬と耳を赤く染めて「狡いぞ」と少し不貞腐れたような顔で晴信は呟いた。
少し待ってろ、と言って奥から氷を入れたコリンズグラスを持ってくると手早くウイスキーとチョコレートリキュール、トニックウォーターをステアしてハイボールを用意した。
「……ハッピーバレンタイン」
そう言って晴信が差し出したグラスに、景虎は嬉しそうに自分のグラスを軽くぶつけて、始まったばかりの甘い夜に乾杯した。
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