二次創作
《斬の記憶と英雄の世界》
《斬の記憶と英雄の世界》
第三話:「交差する正義」
雄英高校、仮入学当日。
あなたは制服ではなく、白い着物に身を包んでいた。
柄のないその衣は、過去を断ち切れずにいる自分の象徴のようだった。
「紹介しよう。彼女が……特別推薦枠で入る、新たなヒーロー候補生だ」
オールマイトがそう告げた教室では、一瞬空気が凍った。
「え?推薦?誰だよ、あの人……」
「普通科じゃないよな……てか、刀持ってる?!」
「……すごい気配……殺気じゃないけど、なんか違う」
波立つ空気の中、あの少年――緑谷出久が一歩、前に出た。
「は、初めまして。僕は緑谷出久。よろしくね」
あなたは彼に目を合わせ、静かに一礼した。
「……こちらこそ。よろしくお願いします」
その瞬間、教室の雰囲気がほんの少し、柔らいだ。
――しかし、その後の訓練は甘くなかった。
体力測定では、他の生徒たちの個性が飛び交う中、あなたは“斬術”のみで挑んだ。
スピード、反応、動作精度。どれを取っても群を抜いていたが――その動きには、殺意が滲んでいた。
「……あんた……佐切はヒーローというより、昔の……なんつーか…武士みたいだ」
轟焦凍がつぶやいたその言葉に、あなたの心は揺れる。
(私は……また“斬る者”として見られている)
その夜、校舎の屋上であなたはひとり、月を見ていた。
そこに現れたのは、爆豪勝己だった。
「お前、なんでヒーローになりてぇんだ?」
突然の問いに、あなたは少し間を置いて答えた。
「……必要とされたから。“人間が、生きていてはならない”と、心から思えた。だから私は人を助けたい。」
爆豪は少しだけ眉を上げたが、笑った。
「へぇ……上等だな。俺はただ、全部ぶっ壊して前に進むだけだ」
二人の沈黙。だが、そこには奇妙な理解があった。
数日後。街での合同実習。
あなたの班が遭遇したのは、突然現れた“個性暴走者”だった。
無差別に周囲を破壊し、止まらないその暴走に、ヒーローたちも足止めを食っていた。
「個性じゃ止められねえ……!」
「誰か、何とかしてくれ!!」
その時、あなたは前に出た。
――カチリ。鞘から刃が抜かれる音。
「……すまない。でも、ここで止めなければ、もっと多くの命が奪われる」
斬撃一閃。
あなたの一撃は、暴走者に正確に届き、無力化させた。
騒然とする周囲の中、あなたは刀を納め、ただ静かに言った。
「“斬る”は、終わらせるための手段。奪うためじゃない」
その瞬間、あなたの中で、何かが明確になった。
――私は“斬る者”ではない。
――私は、“救うために刃を振るう者”になる。
その決意の火は、小さくも確かに、胸の奥で燃え始めていた。
To be continued...
第三話:「交差する正義」
雄英高校、仮入学当日。
あなたは制服ではなく、白い着物に身を包んでいた。
柄のないその衣は、過去を断ち切れずにいる自分の象徴のようだった。
「紹介しよう。彼女が……特別推薦枠で入る、新たなヒーロー候補生だ」
オールマイトがそう告げた教室では、一瞬空気が凍った。
「え?推薦?誰だよ、あの人……」
「普通科じゃないよな……てか、刀持ってる?!」
「……すごい気配……殺気じゃないけど、なんか違う」
波立つ空気の中、あの少年――緑谷出久が一歩、前に出た。
「は、初めまして。僕は緑谷出久。よろしくね」
あなたは彼に目を合わせ、静かに一礼した。
「……こちらこそ。よろしくお願いします」
その瞬間、教室の雰囲気がほんの少し、柔らいだ。
――しかし、その後の訓練は甘くなかった。
体力測定では、他の生徒たちの個性が飛び交う中、あなたは“斬術”のみで挑んだ。
スピード、反応、動作精度。どれを取っても群を抜いていたが――その動きには、殺意が滲んでいた。
「……あんた……佐切はヒーローというより、昔の……なんつーか…武士みたいだ」
轟焦凍がつぶやいたその言葉に、あなたの心は揺れる。
(私は……また“斬る者”として見られている)
その夜、校舎の屋上であなたはひとり、月を見ていた。
そこに現れたのは、爆豪勝己だった。
「お前、なんでヒーローになりてぇんだ?」
突然の問いに、あなたは少し間を置いて答えた。
「……必要とされたから。“人間が、生きていてはならない”と、心から思えた。だから私は人を助けたい。」
爆豪は少しだけ眉を上げたが、笑った。
「へぇ……上等だな。俺はただ、全部ぶっ壊して前に進むだけだ」
二人の沈黙。だが、そこには奇妙な理解があった。
数日後。街での合同実習。
あなたの班が遭遇したのは、突然現れた“個性暴走者”だった。
無差別に周囲を破壊し、止まらないその暴走に、ヒーローたちも足止めを食っていた。
「個性じゃ止められねえ……!」
「誰か、何とかしてくれ!!」
その時、あなたは前に出た。
――カチリ。鞘から刃が抜かれる音。
「……すまない。でも、ここで止めなければ、もっと多くの命が奪われる」
斬撃一閃。
あなたの一撃は、暴走者に正確に届き、無力化させた。
騒然とする周囲の中、あなたは刀を納め、ただ静かに言った。
「“斬る”は、終わらせるための手段。奪うためじゃない」
その瞬間、あなたの中で、何かが明確になった。
――私は“斬る者”ではない。
――私は、“救うために刃を振るう者”になる。
その決意の火は、小さくも確かに、胸の奥で燃え始めていた。
To be continued...
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