二次創作
《斬の記憶と英雄の世界》
タイトル:《斬の記憶と英雄の世界》
第一話:「異界への目覚め」
「――ここは、どこ……?」
静かな呻き声とともに、あなたは目を覚ました。まるで落下した直後のような身体の痛み。立ち上がると、目の前には見たこともない高層ビル群。そして……空を飛ぶヒーローと、逃げ惑う人々。
「逃げろ!ヒーローが来るまで持たないぞ!」
怒号と共に突進してきたのは、巨大な怪物のような男。筋肉が膨張し、腕が異様なほど肥大化している。まるで人間ではない。
(異形……?化け物……?)
そう思った瞬間、あなたの手は自然と腰の刀に伸びた。
――いや、これは自分の行動ではない。だが、確かに知っている。この柄の感触、この重さ。
(これは……山田浅ェ門・佐切の……?)
断片的に蘇る記憶。女斬り役として、死罪人たちと共に地獄の島に渡ったあの人物――佐切。いつの間にか、あなたの中には彼女の人格と技、そして信念が根を張っていた。
「下がっていてください。あの化け物、私が斬りますから」
気づけばあなたは前に出ていた。腰の刀を抜く。その音に、怪物が目を向ける。
「なにィ?ただの人間が……!」
「――一太刀、入れる」
瞬間、風が切り裂かれた。目にも止まらぬ踏み込み。そして、次の瞬間、怪物の腕が切り落とされていた。
「な……なんだこいつ……」
動揺する怪物。しかし、止める気などなかった。あなた――いや、“佐切”は一息で踏み込み、首筋へ鋭く刃を滑らせる。
――ドサリ。
怪物は、驚愕のまま崩れ落ちた。
「す、すげぇ……誰だあの人!?」
「ヒーロー……?いや、プロじゃないよな……」
騒ぐ群衆を背に、あなたは空を見上げる。その時、空から降り立った影――赤いマントの男、オールマイトが声をかけた。
「素晴らしい動きだった……だが、君は一体何者なのかな?」
あなたは答えることができなかった。
“自分は誰なのか”――それすらも、今のあなたには分からなかったのだから。
(私は……山田浅ェ門佐切? それとも、別の誰?)
英雄の世界で、斬り役の魂が目を覚ました――
To be continued...
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