[明朝体]う～ん。智佳が挨拶に来るって言ったけど、どうしようかなぁ…
あの後一応母と父にはお嬢様と付き合ってるって説明したけど…
母は驚きすぎて一瞬意識を失ったし、父は何も言えなくなってたしなあ…
とりあえず後１時間ほどで智佳は僕の家に来てしまう。
少しでもきれいにしないとなあ。
「ほらっ！圭太！何ボケッとしてるの！あと１時間で智佳さん来ちゃうのよ！」
母が血眼になっていう。
「は～い。でもそんなに急がなくても・・・」
「何言ってるの！智佳さんはこの国でも有数のお嬢様なのよ！失礼があったらどうなるかわからないわ！」
母はそこらじゅうを掃いている。
父は何も言わず必死に床や棚にあるごみを片付けている。
「分かったよ。も～」
さて僕も片付けるとするか・・・

ふう・・・
あらかた片付け終わったけど、あと10分くらいしかない。
「みんな！これに着替えて！」
母がなにやらクローゼットから服を取り出す。
「え？これ七五三の時とかに着るやつじゃん」
僕はスーツを見て言う。
「これ着るの？」
「当たり前でしょ！相手はお嬢様なのよ！失礼がないようにしなきゃ！」
母が言う。父もそれを見てうなずく。
「ええ…でも着るのに時間かかるよ？」
「はい！口より手を動かす！さっさと着る！」
母はそう言ってスーツを僕に差し出した。

スーツを着終わった…
間に合わないかと思った…
「ほら！約束の時間まであとちょっとよ！準備して！」
そんなことを母が言っている間にチャイムが鳴った。[/明朝体]