[明朝体]全競技、しゅ～りょ～う。
「はい。これにて総合競争は終了となります。お疲れさまでした。では一旦休憩時間となります」
休憩だァ！
まあ、もう休憩してるようなもんだけど…
ガヤガヤガヤ…
校庭も賑わってきたねぇ～
休憩時間はチームで作戦会議でもするか…
「ちょっとみんな？」
僕が自分のチームメイトを呼ぶ。
あっという間に集まったな…
「何ですか？」
いつもの5年生が僕に聞く。
「あ、え～っとね」
僕は姿勢を正す。
「これからチーム対抗戦が始まる。これは分かるね？」
全員が小さく頷く。
「うん。で、僕たちの順番は？」
「最後…」
5年生がか細い声で答える。
「正解」
僕は首を縦に振る。
「ということで最後じゃなくてもそうだけど、この『チーム対抗戦』は勝たなきゃならない。そのために以前、作戦会議をしたよね？覚えてる？」
全員がもう一度首を縦に振る。
「おけ。じゃあ僕は今から考えた作戦を振り返ろうと思うんだけど、参加する人？」
智佳が一番早く手を挙げる。
えげつねぇな…
他のメンバーも少しづつ手を挙げる。
「じゃあ振り返ろうか。まずはね…」
こうして僕たちの2度目の作戦会議が始まった。

「まあ、こんなもんかな…」
作戦をおさらいしたが、これならいけそうだ。
なんせ考えに考えてひねり出した策だからな…
フフフフフフ…
「あ～にき～！」
こ、この声は…
「おりゃあっ！」
ボスッ！
葵が僕のお腹にいつものように突撃してくる。
くだらん技だ…
今の僕には効かん…
この間は腹いっぱいでダメージを食らったが、今の僕の腹は空！
だから効かないのだよ！
ハハハハハハ！
「なににやけてんの？」
はっ！
表情に出てたか…
葵がいるという事は…
言葉がいるって事なんだぁ！
「よっ！」
「…」
僕が言葉に声をかけると、言葉は無言で手を挙げた。
「で、何？」
「いや、頑張ってって言いに」
葵がそう答える。
「てか兄貴すごかったよぉ！バーンッてなって、ビューンってなってボボーンッて！」
オノマトペ多…
オトッ〇かよ。
「ね～、姉貴！」
「…」
またもや沈黙…
何？喋れなくなったの？
「あれ？葵ちゃん？」
ん？
「え？あ！多美子ちゃん！」
葵が僕のチームの3年生を見て言う。
「知り合い？」
「うん！同じクラス！」
どうやらこの二人はクラスメイトらしい。
気づかなかった…
まあ、気付くないはずないか。
気付いたら逆に怖えよ…
何やら視線を感じる…
チラッ
じ～っ…
ガン見っ！
何だ？これは何のアピだ？！
妬いてるのか？何か僕に伝えたいのか？
何だ、何だ？！
いやまだガン見ぃっ！[/明朝体]