[明朝体]チュンチュンチュン…チチチチ…
ジリリリリリ…
「う～ん…」
カチッ
午前6時、鈴木圭太目覚める。
いや～今日もいい目覚めです。
智佳は…？
あらあら。
思いっきり顔、僕にうずめてる…
幸せそうな顔…
いけないいけない！
起こさなきゃ！
「智佳、起きて」
「ん～？かれひくぅん？」
「今日、運動会だから、起きて」
「ふぁい」
智佳が起き上がる。
「おふぁよう、かれひふぅん…」
智佳はそう言いつつ、僕の体に顔をまたうずめる。
「ちょっと、智佳…」
僕は困りつつも思わず顔がにやける。
「起きて、起きて」
僕は仕方なく智佳の体を揺さぶる。
「あと5分…ぎゅっとしてたい…」
智佳は眠そうな声で僕にそう返事を返す。
あの作戦、使ってみっか…
「じゃあ起きなかったらこの間の事、してあげないよ？」
[太字]ガバッ[/太字]
智佳が僕の体から顔を離す。
「い、嫌だ！起きるから！」
この間の事とは僕が智佳のいう事を「一つだけ」聞くという約束だ。
僕に言うことを聞いてもらえないのがそんなに嫌らしい。
僕はそんな智佳を見てくすっと笑ってしまった。

「あら。愛沢さん、おはようございます」
母さんが智佳にそう言う。
そんなに堅苦しくならなくてもいいのに…
「おはようございます」
智佳は母さんに返事を返す。
「父さんは？」
僕が母さんに聞く。
「ああ、お父さんはまだ寝てるわ。全く、あの人は朝にめっぽう弱いんだから…」
母さんはそう言いながら、洗面所に向かっていった。
僕はそんな母さんの言葉で一つ頭に考えが浮かぶ。
「智佳ってさ、もしかして朝弱い？」
ギクッ
智佳の体がまさにこの音が合う動作で動く。
「あはは…実はね…」
よし。
智佳の弱点を一つ見つけたぞ…
フフフ…どう利用してやろうか…
ククククク…
「彼氏君、顔洗お」
ああ、そうだったわ…
顔洗わなきゃ…
～20分ほどたちまして～
智佳遅いな…
何してんやろ…
スキンケアかな？
僕もお肌には気を付けてるけど、ここまで長くはないぞ。
どうしたんやろな…
「お待たせ」
！？
ち、智佳が輝いて見える…だとっ？！
お肌が輝いて見える…
一体全体、どんなスキンケアをしたらこうなるんだよ！
髪もサラサラだしぃ！
「どう？」
うわ！まぶしっ！
「うん。スゴクキレイデス…」
僕は智佳にそう答える。
「やった！彼氏君に認めてもらえたってことでいいよね？これ」
「うん…てかどんなスキンケアしてんの？」
僕がそう聞くと、智佳は顎に手を当てる。
「まず、肌は化粧水とクリームで保湿して、ローラーでむくみとって…髪は髪用のお水で濡らしてからドライヤーで乾かして…」
「すみません。よく分かりません」
「そっか…」
智佳は少し苦笑いをする。
「朝ごはんできましたよ」
「は～い」
僕はそうして智佳と一緒にリビングに向かった。[/明朝体]