一生分の愛
[明朝体]「では、今日の競技は終了です。みなさんお疲れさまでした」
ガヤガヤガヤ…
「終わったぁ…」
僕は安心して地面にどかっと座り込む。
「彼氏君?」
「ら?」
ああもう…
疲れすぎてらって言っちゃったよ…
「一緒に帰ろう」
「はいよ」
僕は重たい腰を上げる。
「あ~、どっこいしょっと」
智佳はそんな僕の手を握る。
「じゃあ帰ろう」
「あん」
もう駄目だわ…
「はい。荷物全部持ちました!」
僕はリュックを背負い、後輩たちを見る。
「じゃあ今日はありがとう!明日もよろしく!」
僕がそう言うと後輩たちはそれぞれ僕にお礼を言い、帰っていった。
「いたわ!」
僕は大きな声に思わず後ろを振り返る。
「ああ、母さん」
母さんと父さんだ。
葵と言葉もいる。
「帰りましょ!お疲れ様!」
母さんは僕にそう言う。
「はいよ。あ、それとさ」
「何?」
母さんが眉間にしわを寄せる。
「智佳が一緒に帰りたいんだって」
僕がそう言うと、智佳が後ろからひょこっと出てきた。
「どうもこんばんは」
母さんはあんぐりと口を開けている。
「ああ、こ、こんばんは…」
「一緒に帰ってもいいですかね?」
智佳が母さんに聞く。
「ええ…勿論…」
母さんは目の焦点が定まっていない。
驚きすぎだろ…
「あ、親御さんは大丈夫なの?」
「うん。僕の両親は来てないんだ。ボディーガードだけだよ」
智佳は僕に嬉しそうに言う。
何で嬉しそうなのか…
ていうかボディーガードいるのかよ…
さすが金持ち。
「じゃあ帰りましょうか」
智佳がそう言って僕と手をつなぐ。
「え、ええ…」
母さんは呆然としながら智佳の後についていく。
「ほら、彼氏君も」
智佳が僕の手を引っ張る。
「分かった、分かった」
僕は智佳の方へ近づく。
[太字]「お嬢様!」[/太字]
遠くから太い、大きな声が聞こえる。
「金木…」
黒服の男性だ。
ガタイがよく、身長が高い。
多分この人がボディーガードだろう。
「ご無事で?」
「無事」
智佳は面倒くさそうに金木という男性に言う。
「この方たちは?」
金木が智佳に心配そうな声で聞く。
「僕の交際相手のご家族。金木は本当にリサーチ力が足りないね」
「はあ、すいません…」
金木がポリポリと頭をかく。
「今日は大丈夫だから」
「いえいえ!旦那様に言われておりますから!できませんよ!」
金木は苦しそうな顔をしている。
案外、弱気な性格なのかもしれない。
「一緒に帰れば?」
僕はそう智佳に提案する。
「僕、彼氏君との間を邪魔されたくないから…」
智佳はそう言って僕の服の裾を掴む。
うっ!
可愛い…
しかし、今は耐えろ!
金木さんも困ってるし!
耐えるんだ圭太ぁ!
「いや、金木さんも困ってるでしょ?」
「分かった。彼氏君の言うとおりにするよ。その代わり今度、言うこと聞いてね?」
「はい。分かりました」
僕は渋々首を縦に振る。
「やったぁ!」
智佳が満面の笑みをこちらに向ける。
智佳って意外と無邪気なのかもな。
「じゃあ帰ろう」
そして僕たち7人は帰路に着いた。[/明朝体]
ガヤガヤガヤ…
「終わったぁ…」
僕は安心して地面にどかっと座り込む。
「彼氏君?」
「ら?」
ああもう…
疲れすぎてらって言っちゃったよ…
「一緒に帰ろう」
「はいよ」
僕は重たい腰を上げる。
「あ~、どっこいしょっと」
智佳はそんな僕の手を握る。
「じゃあ帰ろう」
「あん」
もう駄目だわ…
「はい。荷物全部持ちました!」
僕はリュックを背負い、後輩たちを見る。
「じゃあ今日はありがとう!明日もよろしく!」
僕がそう言うと後輩たちはそれぞれ僕にお礼を言い、帰っていった。
「いたわ!」
僕は大きな声に思わず後ろを振り返る。
「ああ、母さん」
母さんと父さんだ。
葵と言葉もいる。
「帰りましょ!お疲れ様!」
母さんは僕にそう言う。
「はいよ。あ、それとさ」
「何?」
母さんが眉間にしわを寄せる。
「智佳が一緒に帰りたいんだって」
僕がそう言うと、智佳が後ろからひょこっと出てきた。
「どうもこんばんは」
母さんはあんぐりと口を開けている。
「ああ、こ、こんばんは…」
「一緒に帰ってもいいですかね?」
智佳が母さんに聞く。
「ええ…勿論…」
母さんは目の焦点が定まっていない。
驚きすぎだろ…
「あ、親御さんは大丈夫なの?」
「うん。僕の両親は来てないんだ。ボディーガードだけだよ」
智佳は僕に嬉しそうに言う。
何で嬉しそうなのか…
ていうかボディーガードいるのかよ…
さすが金持ち。
「じゃあ帰りましょうか」
智佳がそう言って僕と手をつなぐ。
「え、ええ…」
母さんは呆然としながら智佳の後についていく。
「ほら、彼氏君も」
智佳が僕の手を引っ張る。
「分かった、分かった」
僕は智佳の方へ近づく。
[太字]「お嬢様!」[/太字]
遠くから太い、大きな声が聞こえる。
「金木…」
黒服の男性だ。
ガタイがよく、身長が高い。
多分この人がボディーガードだろう。
「ご無事で?」
「無事」
智佳は面倒くさそうに金木という男性に言う。
「この方たちは?」
金木が智佳に心配そうな声で聞く。
「僕の交際相手のご家族。金木は本当にリサーチ力が足りないね」
「はあ、すいません…」
金木がポリポリと頭をかく。
「今日は大丈夫だから」
「いえいえ!旦那様に言われておりますから!できませんよ!」
金木は苦しそうな顔をしている。
案外、弱気な性格なのかもしれない。
「一緒に帰れば?」
僕はそう智佳に提案する。
「僕、彼氏君との間を邪魔されたくないから…」
智佳はそう言って僕の服の裾を掴む。
うっ!
可愛い…
しかし、今は耐えろ!
金木さんも困ってるし!
耐えるんだ圭太ぁ!
「いや、金木さんも困ってるでしょ?」
「分かった。彼氏君の言うとおりにするよ。その代わり今度、言うこと聞いてね?」
「はい。分かりました」
僕は渋々首を縦に振る。
「やったぁ!」
智佳が満面の笑みをこちらに向ける。
智佳って意外と無邪気なのかもな。
「じゃあ帰ろう」
そして僕たち7人は帰路に着いた。[/明朝体]