一生分の愛
[明朝体]「あ!いたいた!」
僕が満腹のためゆっくりしていると、背後から声がする。
「兄貴~!」
「っ!」
僕は腹を抱え、悶絶する。
「葵、か…」
そう、僕の妹、葵である。
いつものように僕に突撃してきたが、何とタイミングの悪い…
今は満腹でただでさえ苦しいのに…
「あ、兄貴…大丈夫?」
大丈夫じゃない。
僕はそう思いながら葵に首を振る。
「ご、ごめん…」
「彼氏君!大丈夫?!」
智佳が僕に気付き、駆け寄る。
僕は智佳の前に掌を突き出す。
『ちょっと待って』というサインである。
「うん…」
~少しして~
「うん、もう大丈夫…」
僕は地面から起き上がる。
「葵さぁ…」
「ごめん…」
葵が申し訳なさそうに謝る。
「この子は?」
智佳が僕に聞く。
「僕の妹だよ。ほら、前に言ったじゃん。妹二人いるって」
「あぁ…」
智佳は納得したように下を向く。
「兄貴、この人は?」
今度は葵が僕に聞く。
「彼女。前に話した」
僕は簡潔にそう葵に話す。
「…」
葵が黙ってしまった…
まあ、今はその方がいいか。
「兄さん。私もいるよ」
僕の後ろからひょこっと言葉が出てくる。
「ああ、言葉か…」
僕はもうリアクションする気力もない。
昼食をたくさん食べ、葵にタックルされたのだから…当たり前である。
「で、何で来たの?」
僕が二人に聞く。
「いや、応援に」
二人は当然のように答える。
「この後の競技、頑張ってね。兄さん」
「うん!頑張れ!兄貴!」
おお、心強い…
「うん。ありがとう」
僕は二人に頭を下げる。
「二人も頑張りなよ」
「うん!」
「うん…」
そう言うと、二人は自分のスペースに戻っていった。
「さあ、第2競技、総合競争です。本日は時間の都合上、1年生から3年生までの競争を行います。では1年生、自分の場所に移動してください」
「始まったねぇ」
「うん」
僕と智佳は隣同士に座り、さっきからこんな会話をしている。
智佳は半ば僕に寄りかかっている。
僕は全然余裕だ。
重さには慣れているからな…
第2競技、総合競争は時間の都合上、二日に分けて開催される。
だから今日僕たちは見るだけ。
今は疲れてるから助かる…
だとしたら何で妹たちは応援に来たのか…
まあそこはいいや。
総合競争は障害物競走やクイズなどを混ぜた異種競技。
頭も体も使うのでとても楽しいと見る側もやる側も好評だ。
噂にはこれでダービーも行われているそうだ…
「では第一コーススタートです」
早速走るようだ。
ちゃんと見ないとな。
僕はそうして1年生たちに注目した。[/明朝体]
僕が満腹のためゆっくりしていると、背後から声がする。
「兄貴~!」
「っ!」
僕は腹を抱え、悶絶する。
「葵、か…」
そう、僕の妹、葵である。
いつものように僕に突撃してきたが、何とタイミングの悪い…
今は満腹でただでさえ苦しいのに…
「あ、兄貴…大丈夫?」
大丈夫じゃない。
僕はそう思いながら葵に首を振る。
「ご、ごめん…」
「彼氏君!大丈夫?!」
智佳が僕に気付き、駆け寄る。
僕は智佳の前に掌を突き出す。
『ちょっと待って』というサインである。
「うん…」
~少しして~
「うん、もう大丈夫…」
僕は地面から起き上がる。
「葵さぁ…」
「ごめん…」
葵が申し訳なさそうに謝る。
「この子は?」
智佳が僕に聞く。
「僕の妹だよ。ほら、前に言ったじゃん。妹二人いるって」
「あぁ…」
智佳は納得したように下を向く。
「兄貴、この人は?」
今度は葵が僕に聞く。
「彼女。前に話した」
僕は簡潔にそう葵に話す。
「…」
葵が黙ってしまった…
まあ、今はその方がいいか。
「兄さん。私もいるよ」
僕の後ろからひょこっと言葉が出てくる。
「ああ、言葉か…」
僕はもうリアクションする気力もない。
昼食をたくさん食べ、葵にタックルされたのだから…当たり前である。
「で、何で来たの?」
僕が二人に聞く。
「いや、応援に」
二人は当然のように答える。
「この後の競技、頑張ってね。兄さん」
「うん!頑張れ!兄貴!」
おお、心強い…
「うん。ありがとう」
僕は二人に頭を下げる。
「二人も頑張りなよ」
「うん!」
「うん…」
そう言うと、二人は自分のスペースに戻っていった。
「さあ、第2競技、総合競争です。本日は時間の都合上、1年生から3年生までの競争を行います。では1年生、自分の場所に移動してください」
「始まったねぇ」
「うん」
僕と智佳は隣同士に座り、さっきからこんな会話をしている。
智佳は半ば僕に寄りかかっている。
僕は全然余裕だ。
重さには慣れているからな…
第2競技、総合競争は時間の都合上、二日に分けて開催される。
だから今日僕たちは見るだけ。
今は疲れてるから助かる…
だとしたら何で妹たちは応援に来たのか…
まあそこはいいや。
総合競争は障害物競走やクイズなどを混ぜた異種競技。
頭も体も使うのでとても楽しいと見る側もやる側も好評だ。
噂にはこれでダービーも行われているそうだ…
「では第一コーススタートです」
早速走るようだ。
ちゃんと見ないとな。
僕はそうして1年生たちに注目した。[/明朝体]