一生分の愛
[明朝体]「ど、どういうこと!?」
僕は驚きすぎて少し舌を噛みながら冬姫さんにそう聞いた。
「うん。いきなり言われても困るよね。だから今から説明するね」
冬姫さんはそう言って、僕の顔をまじまじと見ながら説明を始めた。
「私はね、鈴木君。今すぐ彼女と別れて私と付き合ってほしいの。ここまで分かる?」
「いやいやいや…分からないよ…まず何で別れなくちゃいけないの?」
僕がそう聞くと冬姫さんは
「それはね…私が鈴木君のことを…その…好きだから」
と答えた。
ええ…
ちょっと待って。
冬姫さん、僕のこと好きだったのかよ…
そりゃ僕のことを好いてくれてたのはうれしいけど…
今はただただ困るんだよなあ…
「で、返事は?」
冬姫さんが僕に近づいてそう言う。
僕はもうどう返事をするか決めていた。
「ごめん。僕は彼女を裏切ることはできない。だから諦めてくれ」
冬姫さんの顔がみるみる暗くなっていく。
「どうして?」
冬姫さんはこちらを見てそう言ってきた。
なんてことだ…
泣いている。
「ねえ。どうして?何がいけなかったの?私よりあの子のほうがいいの?ねえ。教えて…?」
冬姫さんが泣きながら僕に聞いてくる。
「そ、そんなことはないんだけどさ…勿論冬姫さんのことは大切だよ?でもね、僕には愛沢さんという彼女がいる。そんな時に僕が冬姫さんが付き合っちゃったらどうなると思う?愛沢さんはきっと、いや確実に悲しむ。だから僕は彼女を裏切ることはできない。だから冬姫さんとは付き合えないんだ…ごめん」
僕はそう答えた。
「やだ…やだやだやだやだ…私には君しかいないの…だから、ね?私と付き合うって言って」
「だからできないって」
「付き合うって言ってよ。ねえ。言ってよ」
冬姫さんが僕の肩をつかむ。
「言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ!」
冬姫さんの手にさっきよりも力が入る。
「ちょっ!痛い!」
僕はそう言うが冬姫さんは聞いていない。
「ねえ。どうなの?私と付き合うの?」
「だから!付き合えないって!」
「何で!何でよぉ!」
冬姫さんがすごい力で僕の肩をつかむ。
「痛い!ちょっ!やめてって!」
「嫌だ…離さない…私のこと彼女にするまで離さない!」
冬姫さんは一向に僕の肩を放さない。
「やめてって!」
僕は冬姫さんにそう言うがやはり冬姫さんは聞いていない。
「彼氏君!」
この声は…智佳?
「早くこっちに!」
「う、うん…」
僕は冬姫さんの手を振り払い、ドアに近づいた。
「待って、待ってよ…置いていかないで…待って…待って…」
冬姫さんはうつろな目で僕を見ながらそう言った。
僕はそんな冬姫さんから離れた。
「さ、彼氏君。早く教室に戻ろう」
「う、うん」
気のせいだろうか…
智佳が冬姫さんのことをゴミを見るような眼で見ていた気がするが…
ま、気のせいだろう。
僕はそんな考えを頭の隅に追いやり教室に急いだ。[/明朝体]
僕は驚きすぎて少し舌を噛みながら冬姫さんにそう聞いた。
「うん。いきなり言われても困るよね。だから今から説明するね」
冬姫さんはそう言って、僕の顔をまじまじと見ながら説明を始めた。
「私はね、鈴木君。今すぐ彼女と別れて私と付き合ってほしいの。ここまで分かる?」
「いやいやいや…分からないよ…まず何で別れなくちゃいけないの?」
僕がそう聞くと冬姫さんは
「それはね…私が鈴木君のことを…その…好きだから」
と答えた。
ええ…
ちょっと待って。
冬姫さん、僕のこと好きだったのかよ…
そりゃ僕のことを好いてくれてたのはうれしいけど…
今はただただ困るんだよなあ…
「で、返事は?」
冬姫さんが僕に近づいてそう言う。
僕はもうどう返事をするか決めていた。
「ごめん。僕は彼女を裏切ることはできない。だから諦めてくれ」
冬姫さんの顔がみるみる暗くなっていく。
「どうして?」
冬姫さんはこちらを見てそう言ってきた。
なんてことだ…
泣いている。
「ねえ。どうして?何がいけなかったの?私よりあの子のほうがいいの?ねえ。教えて…?」
冬姫さんが泣きながら僕に聞いてくる。
「そ、そんなことはないんだけどさ…勿論冬姫さんのことは大切だよ?でもね、僕には愛沢さんという彼女がいる。そんな時に僕が冬姫さんが付き合っちゃったらどうなると思う?愛沢さんはきっと、いや確実に悲しむ。だから僕は彼女を裏切ることはできない。だから冬姫さんとは付き合えないんだ…ごめん」
僕はそう答えた。
「やだ…やだやだやだやだ…私には君しかいないの…だから、ね?私と付き合うって言って」
「だからできないって」
「付き合うって言ってよ。ねえ。言ってよ」
冬姫さんが僕の肩をつかむ。
「言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ言ってよ!」
冬姫さんの手にさっきよりも力が入る。
「ちょっ!痛い!」
僕はそう言うが冬姫さんは聞いていない。
「ねえ。どうなの?私と付き合うの?」
「だから!付き合えないって!」
「何で!何でよぉ!」
冬姫さんがすごい力で僕の肩をつかむ。
「痛い!ちょっ!やめてって!」
「嫌だ…離さない…私のこと彼女にするまで離さない!」
冬姫さんは一向に僕の肩を放さない。
「やめてって!」
僕は冬姫さんにそう言うがやはり冬姫さんは聞いていない。
「彼氏君!」
この声は…智佳?
「早くこっちに!」
「う、うん…」
僕は冬姫さんの手を振り払い、ドアに近づいた。
「待って、待ってよ…置いていかないで…待って…待って…」
冬姫さんはうつろな目で僕を見ながらそう言った。
僕はそんな冬姫さんから離れた。
「さ、彼氏君。早く教室に戻ろう」
「う、うん」
気のせいだろうか…
智佳が冬姫さんのことをゴミを見るような眼で見ていた気がするが…
ま、気のせいだろう。
僕はそんな考えを頭の隅に追いやり教室に急いだ。[/明朝体]