[漢字]私[/漢字][ふりがな]わたくし[/ふりがな]はふぁっと大きくあくびをする。
私はミーシャ・アーロンズ、16歳。
[漢字]王族[/漢字][ふりがな]クシャトリア[/ふりがな]の娘だ。
好きなクシャトリアの男の人が現れる訳がないし、ずっとお父様の元にいるつもりだ。
家族ももう了解している。
というのも、私には[漢字]お姉様[/漢字][ふりがな]ネオラ[/ふりがな]がおり、ネオラはもう跡継ぎを生んでいるからである。

私は大きくのびをすると、[漢字]奴隷[/漢字][ふりがな]スードラ[/ふりがな]の[漢字]使用人[/漢字][ふりがな]メイド[/ふりがな]、キャノンを呼ぶ。

「いつもありがとうございますわ。キャノン」
「敬語がおかしいですよ」

身の回りの管理の手を止めずにキャノンが優しく答えた。
拾った当時はボサボサだった髪の毛も今じゃつやつやだ。

「そうだ、お嬢様。[漢字]神官[/漢字][ふりがな]バラモン[/ふりがな]のミリアーナ様が婚約したそうですよ」
「えっ」

嘘、嘘だ。だって彼女……普通なら10歳前後で結婚までいくところを今まで婚約すらしていなかったじゃない。
なのに、この時期に婚約するなんて。

「私も驚きですよ。もう、16歳ですよ？このまま結婚しないのかとおもっていました」
「私も……ですわ」

（でも……ミリアーナ様のように幼馴染みの男の子がいるわけじゃないし……。好きな男の人なんて、現れないですわ！）