ぱた。私は読んでいた小説を閉じた。
大昔、死んだ者が転生して現世に現れたという、実話を元に書き下ろされた小説だ。
私：はぁ。
この小説は、私の私のひぃひぃおばさん？に当たる人だ。と母から聞いている。
発行は一切しておらず、趣味だけで書いていたので、家にある大体の小説は、
すべてひぃひぃおばさんのだった。

遅れてしまったが、私は[漢字]文月[/漢字][ふりがな]ふづき[/ふりがな]　[漢字]稚奈[/漢字][ふりがな]ちな[/ふりがな]。今は春休みで、家でのんびり過ごしている。そしてたまたまあの小説を見つけた。

でも、あの小説は、途中で終わってしまっていたのだ。
あ、遠くで母の呼ぶ声がした。いかなきゃ。
あの小説は、とてもボロで、100年以上の歴史を持つことから、家では「[漢字]刻[/漢字][ふりがな]とき[/ふりがな]の本」と呼ばれている。