ガチャッ

「ただいま」

「あ、おかえりなさい」

「良い子にしてたか？ハヤト」

「、はい！」

自分の頭を撫でるその手

愛しい人では無いその温もり

「、、浮かない顔してるな、どうしたんだ？」

「[漢字]遥斗[/漢字][ふりがな]はると[/ふりがな]さん、」

彼に抱きつきに行く

「、笑、どうしたんだ、甘えたいのか」

そうやってぎゅっと抱きしめてくれる彼に、

[漢字]あの人[/漢字][ふりがな]●●[/ふりがな]がいいななんて思う自分に

[大文字]嫌気が差す[/大文字]

苦しい吐き気を喉の奥へと無理やり押し戻した

ーー

コンコンッ

『すいませーん、、、営業部の柚月の夫なんですが、』

「あぁ！貴方があの」

『え？』

「柚月のところまで案内しますよ！」

『ありがとうございます！』

柚月の弁当を届けに来たのだが、、貴方があの、、ってなんだ？

「柚月ちゃんね、いっぱい夫さんの事自慢してるんですよ」

『ふふ、少し恥ずかしいですね』

「すっごく優しくて私には勿体ないぐらい大事な人って」

へぇ、、そんな事を言っていたのか、、、

[大文字]家では言ってくれないのに[/大文字]

ーー

「っあ」　prrrr

ちょうど、自分の声と電話のコール音がなるのが同時だった

「ごめんなさい、遥斗さん」

画面に写っているのは部下とのトーク画面

今プロジェクトを進めているお偉いさんが急に来たそうだ

「いや、、その様子だと仕事のことなんだろう？」

「はい、」　なんとも言えない感情が体の中を巡る

「良いよ、行ってきな」

「ありがとうございます、！」

あぁ、優しいな

罪だらけのわたくしとは違って

ーー