うり「返事きてたぞ!!!!!」
玄関からドタバタと騒がしい音を立てて転けそうになりながらも、うりは白地の赤い封泥で封をされた手紙を持ってきた。
玄関の方で落ち着かなく待機していたメンバーは、うりの方へ一直線に向かっていく。

じゃぱぱ「差出人は!?」
うり「『クレミア・ブラットレース』……今回は住所もしっかり書いてある。」
実は、前に投函されたこの封筒には差出人も住所も何も書いていなかったのだ。
今回は住所や差出人も書いてあるが、なぜか切手だけが貼られていない。

のあ「ふあぁわ……」
興奮し切ったこの空気を、のあの欠伸が緩めていく。
えと「今日、みんな起きるの遅かったよね。まぁ私はいつもなんだけど…」
シヴァ「そういや、いつも早起きなのあさんも今日は寝坊してきたよな。俺も眠いし……」
原因不明の睡魔に疑問を抱きながらも、じゃぱぱが代表して封を切った。
わざとらしい咳払いをすると、カードの中身を読み上げる。

じゃぱぱ「『ご参加のご意向をお伝えくださり、ありがとうございます。このパーティはブラッドレース邸で開催され、20人以内の少人数パーティです。ドレスコードは美しく高級感のある正装であればなんでも構いません。それでは、当日の18時ピッタリにお迎えにあがります。』……だそうです。」
そう、数日前に送られてきたパーティへの招待状は、全員でしっかり話し合った結果パーティに参加することに決めたのだ。
じゃぱぱが読み上げた文面の下には、日程と開催時間、そしてブラッドレース邸の位置が簡潔にわかりやすく書かれている。

ゆあん「…ってか、ドレスコードどうする？この格好で行くわけにもいかないしさー……ふわぁあ…」
ゆあんは見事なまでの大欠伸をかましながら、いつの間にかじゃぱぱの背後から手紙を覗き込んだ。

たっつん「確かにな〜、そんなドレスやらスーツやらって一応持ってるけど大したもんじゃないしなぁ……」
レンタル？などと思考を広げていく中、その網をえとの『あ！』という声が全て破っていった。

るな「どうしたんですか!?」
えと「……2025開催の、アニメイトオンリーショップ、覚えてる？」
ヒロ「そりゃ覚えて………」
全員の『あー！』という声が見事にシンクロし、自室がある方向にドタバタと向かっていく。
発案者のえとも、クリスタル寮へダッシュで向かって行った。

そう、えとのアイディアとは、イベントで使用したスーツやドレスを流用することだった。