恋と病
僕は今、大きな建物の前に立っている。
自動ドアを抜け院内に足を踏み入れると、薄らと消毒液のような病院特有の匂いが広がっていた。
受付を済まそうと窓口まで向かおうとしたその時、ふわ、と柔らかな香りと一つの人影が僕を追い抜いていった。髪の毛が長いことから考えるに、女性なのだろう。それに加え、柔らかな香りの正体もそれだった。いい匂いだな、なんて場違いなことを考えていると、突然彼女が振り返った。
自動ドアを抜け院内に足を踏み入れると、薄らと消毒液のような病院特有の匂いが広がっていた。
受付を済まそうと窓口まで向かおうとしたその時、ふわ、と柔らかな香りと一つの人影が僕を追い抜いていった。髪の毛が長いことから考えるに、女性なのだろう。それに加え、柔らかな香りの正体もそれだった。いい匂いだな、なんて場違いなことを考えていると、突然彼女が振り返った。