部活に入ったら異世界でした。
「た、建物一⁉︎」とつぐみが驚く。
「そ、そんな器用じやないです! ほらこれ! 技術の授業で作った本棚! 釘が見えているでしょ! こんな奴に頼んじゃダメですよ!」と技術の授業で作った、クラス中で一番下手な本棚を見せた。隙間から釘が見えているし、ガタガタしていて不安定だ。
俺は思わず「どこから出したんだよ」とツッコミを入れた。
「えーっと、たまだま持ってたからかな?」
「たまたまって……」
自分だったら絶対に持っていかない。持っていく意味がないし、邪魔になみた
けだからだ。多分、他の人もそう思うだろう。
「穴に入る前、机にそれが置いてあって……。何故か分からないんだけど多分
手す、手すり代わりに持ったのかも!」
「それはならんだろ」と俺といつきは同時に言った。いつきが言うのは珍しい。
今はしっかりている。ずっとこのままでいいのに、と俺は思った。
「えーっと、設計図とかって……」
設計園がないと作れない。頑張れば作れると思うが、形が歪になる。
「ありません」
即答だった。設計図や完成図がない中で作る……? プ口でもな悩みそうだ。
「じゃあ、完成図を」と村人は言い、少し太めの木の棒を持ち、地面に完成図を描いた。
「え……? これ……?」と思れず俺は呟いた。小さい子が、描きそうな家の
イラストだった。参考になる訳がない。
「えっと……。参考にしときます……」
やはり、つぐみも困っていた。
「しおんさ、設計図とか描くの上手いから、これ参考に描いてよ」とつぐみが言った。
昔から何かを作るのが好きだった俺。だけど大きな建物の設計図を描くのは初めてだった。
「作れると思うけど……。大きいものとか作ったことないから自信はないけど、それでいいならやるよ」
つぐみの顔がぱあっと明るくなり、「ありがとう! ありがとう!」と言った。
「まあできた」
二、三枚の紙を並べ俺は言った。
「うーん。分かんない」とつぐみは言い、「俺様のほうが、もっとすごいぜ」といつきは何がすごいのか分からない、意味不明なことを言った。
俺はその設計図を村人に見せた。許可が出たので、設計図通りにできるところまで造った。
夜になった。まだ、土台しか終わっていない。何日かかるのか。そして、無事に戻れるのか。
俺たちは。ゴルドさんの家に泊めてもらうことにした。
「うわぁー! ホテル並みのフカフカベッドだぁー!」と興奮するつぐみと、「ふっ……。夜の帳が降りる時、我の封印がゆるむ………!」と痛すぎることを言っているいつき。
「人ん家だからしっかりしろよ!」
「しおんくんうるさーい」と棒読みつぐみが言う。
確かにそうだと思ったが、しっかりしないとダメだ。ここは学校ではなく知い合いいの家だから。
「早く寝ろよ。うるさいから」と俺はせかすように言った。
「はぁー? うちら子供じゃないんだから!」「そうだ。俺様は選ばれし者なんだ。そんな俺様に言うのか?」
効果ナシ。いや、更にうるさくなってしまった。どうやったらこの二人を黙らせることができるのだろうか。
するとべッドの下から物音がした。「何だろ?」と俺は思いべッドの下を覗いた。
黒い影が見え、目が光った。俺は思わず「うわぁ!」と声を上げた。
つぐみは俺の叫び声に驚き、「ちょっと何!?」と怒った口調で言ってきた。
俺は無言で下を見ろと合図をした。
つぐみは下を見た。おどろくかと思いきや……。
「え⁉︎ かわいいー!」
ベッドの下にいたのは猫だった。
「ね、指か……」俺はほっとした。[漢字]この[/漢字][ふりがな]異[/ふりがな]世界では俺達がいる世界と違って、変な生き物や襲ってくるヤツらもいると思うから俺は描だと分かる前は少し怖かった。
「確か……。ゴルドさんが描飼ってるって言ってたような……」
つぐみは頷き、「確かに言ってたよね」と微笑みながら言った。
それから、つぐみは黙り、いつきは寝た。静かで気まずい空気が漂う。
「ってかさ」つぐみが口を開けた。何を言うのだろうか。
「な、何?」
「最初、怖がってただろうがぁ!」と急に怒り始めた。
俺は何に対して怒ているのか分からなかったため「な、何⁉︎」と叫んだ。
「はぁ? 猫だよ。猫。最初、怖がってたじゃん」
そうだった。つぐみは怒ると口が悪くなるんだ。あんな容姿なのに。
つぐみはこの学校で有名な生徒だ。知っていない人は絶対にいないはずだ。
それぐらいに有名でモテるつぐみ。普段は誰にでも優しい、明るい……時にはバカっぽい。
だけど部活動では優しさが無くなり、その代りに口が悪くなり、バカさが増す。これは決して悪口を言っている訳ではない。本当だからだ。
わぁ一ったよ。だから寝よう」俺は大きなあくびをして言った。
もう十一時を回っていた。俺の体も限界だ。
だが、俺の思いはつぐみの心に届かなかった。つぐみは、「ええー? オールしないのー? ……もしかして、早く寝るタイプ?」と煽るように言った。
そうだ。俺は一度もオールしたことない、オールできない人だ。どこへ行っても早く寝るタイプだ。
「ほら、いつきだってもう寝てるだろ。俺は寝るからおやすみ」
そう言って、俺はベッドに飛び込んだ。
「はぁ。私り描ちゃんと遊んででよーっと」
遠くからつぐみの声が聞こえた。
「そ、そんな器用じやないです! ほらこれ! 技術の授業で作った本棚! 釘が見えているでしょ! こんな奴に頼んじゃダメですよ!」と技術の授業で作った、クラス中で一番下手な本棚を見せた。隙間から釘が見えているし、ガタガタしていて不安定だ。
俺は思わず「どこから出したんだよ」とツッコミを入れた。
「えーっと、たまだま持ってたからかな?」
「たまたまって……」
自分だったら絶対に持っていかない。持っていく意味がないし、邪魔になみた
けだからだ。多分、他の人もそう思うだろう。
「穴に入る前、机にそれが置いてあって……。何故か分からないんだけど多分
手す、手すり代わりに持ったのかも!」
「それはならんだろ」と俺といつきは同時に言った。いつきが言うのは珍しい。
今はしっかりている。ずっとこのままでいいのに、と俺は思った。
「えーっと、設計図とかって……」
設計園がないと作れない。頑張れば作れると思うが、形が歪になる。
「ありません」
即答だった。設計図や完成図がない中で作る……? プ口でもな悩みそうだ。
「じゃあ、完成図を」と村人は言い、少し太めの木の棒を持ち、地面に完成図を描いた。
「え……? これ……?」と思れず俺は呟いた。小さい子が、描きそうな家の
イラストだった。参考になる訳がない。
「えっと……。参考にしときます……」
やはり、つぐみも困っていた。
「しおんさ、設計図とか描くの上手いから、これ参考に描いてよ」とつぐみが言った。
昔から何かを作るのが好きだった俺。だけど大きな建物の設計図を描くのは初めてだった。
「作れると思うけど……。大きいものとか作ったことないから自信はないけど、それでいいならやるよ」
つぐみの顔がぱあっと明るくなり、「ありがとう! ありがとう!」と言った。
「まあできた」
二、三枚の紙を並べ俺は言った。
「うーん。分かんない」とつぐみは言い、「俺様のほうが、もっとすごいぜ」といつきは何がすごいのか分からない、意味不明なことを言った。
俺はその設計図を村人に見せた。許可が出たので、設計図通りにできるところまで造った。
夜になった。まだ、土台しか終わっていない。何日かかるのか。そして、無事に戻れるのか。
俺たちは。ゴルドさんの家に泊めてもらうことにした。
「うわぁー! ホテル並みのフカフカベッドだぁー!」と興奮するつぐみと、「ふっ……。夜の帳が降りる時、我の封印がゆるむ………!」と痛すぎることを言っているいつき。
「人ん家だからしっかりしろよ!」
「しおんくんうるさーい」と棒読みつぐみが言う。
確かにそうだと思ったが、しっかりしないとダメだ。ここは学校ではなく知い合いいの家だから。
「早く寝ろよ。うるさいから」と俺はせかすように言った。
「はぁー? うちら子供じゃないんだから!」「そうだ。俺様は選ばれし者なんだ。そんな俺様に言うのか?」
効果ナシ。いや、更にうるさくなってしまった。どうやったらこの二人を黙らせることができるのだろうか。
するとべッドの下から物音がした。「何だろ?」と俺は思いべッドの下を覗いた。
黒い影が見え、目が光った。俺は思わず「うわぁ!」と声を上げた。
つぐみは俺の叫び声に驚き、「ちょっと何!?」と怒った口調で言ってきた。
俺は無言で下を見ろと合図をした。
つぐみは下を見た。おどろくかと思いきや……。
「え⁉︎ かわいいー!」
ベッドの下にいたのは猫だった。
「ね、指か……」俺はほっとした。[漢字]この[/漢字][ふりがな]異[/ふりがな]世界では俺達がいる世界と違って、変な生き物や襲ってくるヤツらもいると思うから俺は描だと分かる前は少し怖かった。
「確か……。ゴルドさんが描飼ってるって言ってたような……」
つぐみは頷き、「確かに言ってたよね」と微笑みながら言った。
それから、つぐみは黙り、いつきは寝た。静かで気まずい空気が漂う。
「ってかさ」つぐみが口を開けた。何を言うのだろうか。
「な、何?」
「最初、怖がってただろうがぁ!」と急に怒り始めた。
俺は何に対して怒ているのか分からなかったため「な、何⁉︎」と叫んだ。
「はぁ? 猫だよ。猫。最初、怖がってたじゃん」
そうだった。つぐみは怒ると口が悪くなるんだ。あんな容姿なのに。
つぐみはこの学校で有名な生徒だ。知っていない人は絶対にいないはずだ。
それぐらいに有名でモテるつぐみ。普段は誰にでも優しい、明るい……時にはバカっぽい。
だけど部活動では優しさが無くなり、その代りに口が悪くなり、バカさが増す。これは決して悪口を言っている訳ではない。本当だからだ。
わぁ一ったよ。だから寝よう」俺は大きなあくびをして言った。
もう十一時を回っていた。俺の体も限界だ。
だが、俺の思いはつぐみの心に届かなかった。つぐみは、「ええー? オールしないのー? ……もしかして、早く寝るタイプ?」と煽るように言った。
そうだ。俺は一度もオールしたことない、オールできない人だ。どこへ行っても早く寝るタイプだ。
「ほら、いつきだってもう寝てるだろ。俺は寝るからおやすみ」
そう言って、俺はベッドに飛び込んだ。
「はぁ。私り描ちゃんと遊んででよーっと」
遠くからつぐみの声が聞こえた。