一話完結vol.2病に倒れて
#1
医療が発達していなかった頃の話である。[漢字]寒太[/漢字][ふりがな]かんた[/ふりがな]は病院で療養生活を送っていた(病院といっても、木造で最低限入院ができるくらいである)。医者からはもう長くないと告げられた。
「寒太、まだ十三でこれからも長いはずなのに…」
と母はいう。
寒太は日に日に衰弱していった。亡くなる前の日、同級生の一郎を呼び出した。
「俺を呼び出して、なんだ。お前とは仲がいいわけじゃないだろう」
「急に呼び出してごめんな。お前とはもう会えないかもしれないから」
「だったら家族とか、お前の想い人がいいだろう」
寒太には[漢字]雪子[/漢字][ふりがな]ゆきこ[/ふりがな]という想い人がいた。
「家族には天国で会える。雪子とも天で一緒になればいい。お前とは、天でも地獄でももう会わん」
「寒太、まだ十三でこれからも長いはずなのに…」
と母はいう。
寒太は日に日に衰弱していった。亡くなる前の日、同級生の一郎を呼び出した。
「俺を呼び出して、なんだ。お前とは仲がいいわけじゃないだろう」
「急に呼び出してごめんな。お前とはもう会えないかもしれないから」
「だったら家族とか、お前の想い人がいいだろう」
寒太には[漢字]雪子[/漢字][ふりがな]ゆきこ[/ふりがな]という想い人がいた。
「家族には天国で会える。雪子とも天で一緒になればいい。お前とは、天でも地獄でももう会わん」
/ 1