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「お前は役立たずだ」と追放された俺、実は最強スキル『バグ検出』の持ち主だった件

#7

王都の決戦と、“支配者の選択”

セヴァンの笑みが消え、場の空気が一瞬にして冷え込む。

「君はどうして、そんなに無駄な抵抗をするのかね?」

セヴァンの声には冷徹な響きがあった。背後に立つ兵士たちが一斉に剣を抜き、リオとフィリアを取り囲む。

「リオ、お前が選ぶべき道はひとつだ。世界を支配する者として、我々と手を組み、全てを変えることだ」

リオは息を飲むが、その目は揺るがない。

「俺は……支配される側じゃない」

その言葉と同時に、リオの体から強烈なエネルギーが放たれた。コードが空間を震わせ、周囲の兵士たちが後退する。

「それが、俺の力だ!」

セヴァンは少しも驚かない。

「……やはり、君は“原初のコード”の使い手だ。だが、力が強いだけでは意味がない」

リオが剣を抜き、フィリアに目を向ける。

「フィリア、行くぞ!」

「うん!」

フィリアの手から、輝く風の刃が現れる。彼女の力が一気に解放された瞬間、セヴァンは冷ややかな笑みを浮かべた。

「それが君の全力か?」

その瞬間、セヴァンの手がかすかに動く。空間が歪み、周囲の兵士たちが一斉に動き出す。
彼の力は、まるで周囲の時間を支配しているかのようだった。

「お前の力に、ついていけると思うなよ」

リオは踏み込んでいく。
だが、セヴァンの手のひらから放たれた光の波動が、リオを迎え撃つ。

「!?」

その衝撃に、リオは一瞬動きが止まる。

「この世界には、力を持つ者とそうでない者がいる。君がどうしても修正したいのなら、まずはその力を支配する者にならねばならない」

リオは胸を張り、強い意志で立ち向かう。

「俺が目指すのは、自由だ! 誰もが縛られることのない世界!」

セヴァンの目に一瞬の光が宿る。

「君が選んだ道が“正しい”とでも思っているのか?」

その言葉に、リオの目が鋭く光った。

「俺には俺の正義がある」

その瞬間、リオの体に無数の光のコードが現れた。
『コード生成』──それは彼の中で最も強力な力だ。

リオがその力を使い、セヴァンに向かって振るう。

「コード、修正!」

しかし、セヴァンの空間を操る力がリオの攻撃を弾き返し、再びリオを押し込む。

「無駄だ。君の力は、俺には通じない」

その瞬間、フィリアが目を見開く。

「待って! もう一度、リオの力を試してみて!」

フィリアが手を伸ばし、風の精霊の力を呼び覚ます。彼女の力がリオに流れ込んだ瞬間、リオの中で何かが変わった。

「……フィリア、ありがとう」

リオは再び剣を握りしめ、前に進み出す。その瞳には、以前とは違う力強さが宿っていた。

「今度こそ、終わらせる!」

リオの力が爆発的に膨れ上がる。空間が歪み、周囲の物体が浮き上がり始める。

「――修正、開始!」

リオの放った光の波動は、セヴァンを直撃し、彼の力が崩れ始めた。

「ぐっ……!?」

セヴァンの目に、初めて焦りが見える。

「俺の力が……!」

その瞬間、セヴァンの体から無数のコードが飛び散り、空間が破裂する。
フィリアもその力を借りて、空間を安定させる。

リオは深く息をつく。

「まだ終わりじゃない。俺は、王都を――いや、この世界を“修正”する!」

セヴァンが倒れ、王都の支配者としての威光が消え去った。だが、リオの戦いはまだ終わっていない。

彼は心の中で誓っていた。
――この力で、必ず世界を変えてみせると。



その後、王都の外れにて、リオとフィリアは王宮を離れた。
戦いの後、王都に残る者たちは、動揺と混乱の中にあった。
だが、リオはまだ見ぬ未来を見据えて歩みを進める。

「フィリア、これからだ。俺たちの戦いは」

フィリアは、静かに頷く。

「はい、リオ。私も一緒に」

王都を背に、二人の前に広がるのは、新たな未来だった。

2025/05/25 11:07

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