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「お前は役立たずだ」と追放された俺、実は最強スキル『バグ検出』の持ち主だった件

#7

王都の支配者と、“選ばれし者”

王都に近づくにつれて、空気はどんどん重くなっていった。
街を包む霧、そして不穏な気配。
リオとフィリアは無言で歩きながら、それぞれに感じる違和感をかみしめていた。

「この辺り、何か変だな」

「……王都が近づくにつれて、異常を感じる。空気が“歪んでいる”」

フィリアの言葉通り、王都の外壁が見え始めると、その圧倒的な存在感に息を呑む。

「どんな力が、ここを支配してるんだ?」

「王都の支配者は、“選ばれし者”と呼ばれる存在よ。
王族の血筋ではない、外部から選ばれた者たちがこの王都の核心に関わっている。そして……」

「そして?」

「その者たちが“コード”を使う者たちよ。王都はすでに、“バグ”に取り込まれている」

リオはフィリアの言葉を飲み込むように聞いた。

「コード使いが、王都を支配している……」

「その通り。
そして、その力を持つ者が──今、王宮で待っている」

二人は王都の門前に到着した。



王都に入ると、街並みは一見、何の問題もないように見えた。
ただし、街の住民たちの目がどこか浮かない様子をしていることに気づく。

「どうして、みんなこんな顔してるんだ?」

「それも、“コード”による影響だと思う。
王都を支配する者たちは、民の精神にも干渉できる能力を持っている。無意識に、民を“管理”しているのよ」

リオは歩みを進めながらも、強く疑問を抱いていた。

(これが……世界の支配構造か)

王都の中心に近づくにつれ、重く、冷たい空気がさらに濃くなっていく。

「おい、止まれ」

突然、目の前に現れたのは、王都の兵士たちだった。彼らの目はどこか輝いていて、明らかに通常の人間とは違う。

「この先は立ち入り禁止だ。目的は?」

リオが冷静に答える。

「王宮に行く」

兵士たちは一瞬の間、リオを見つめた。すると、その目が急に変わり、異様な輝きを放つ。

「……来い。通す」

兵士たちが一列に並び、道を開ける。しかし、その表情はどこか不気味で、リオとフィリアは一歩引きながら進んだ。



王宮の中に足を踏み入れると、その壮麗さに圧倒された。
しかし、その美しさの裏には、恐ろしい“気配”が漂っている。

「ここが……王宮か」

「はい。私たちが知る限り、ここに“選ばれし者”がいる。彼らが王都を支配している」

廊下を歩いていると、すぐに一つの扉が開かれ、無言で兵士たちが入ってきた。

その中から現れた人物は、背が高く、青い装飾の施されたローブをまとった男だった。
彼はゆっくりと近づき、リオとフィリアを見据える。

「ようこそ、リオ。待っていたよ」

リオの目が鋭くなる。

「お前……誰だ?」

その男はにっこりと笑う。

「私はセヴァン。王都を管理する者の一人だ。君に会いたくて、仕方がなかったよ」

セヴァンの目が輝く。その瞬間、リオの体が一瞬、凍りつく。

「……君の力、まさに原初の力だ。だからこそ、君には“選ばれるべき”だと思ってね」

フィリアが反応する。

「選ばれる? お前の言っていることが分からない」

セヴァンは笑みを崩さずに言う。

「君はこの世界の“バグ”を修正する者だろう?
でも、君の力はただの修正では済まない。君が修正できるのは──世界そのものを支配する力だ」

「……!」

リオの心臓が跳ねる。彼の目の前に立つセヴァンこそ、今の王都を支配している者、その本当の姿だ。

「さあ、リオ。君が持っている力──その力こそが、この世界を“修正”する力だと、私たちは信じている」

その瞬間、リオの中で何かが炸裂する。

「俺が……修正する?」

「その通り。君がその力を使えば、私たちは永遠に支配者となることができる。君と手を組み、世界を変えよう」

「……お前の言う“世界”を変えたくなんてない」

リオの目が激しく光った。

「俺は、俺自身の世界を作る。お前たちが作り出した“歪み”を直すために!」

セヴァンの顔に一瞬の陰りが走る。

「そうか……ならば、仕方ない」

彼の手が動き、背後の兵士たちが一斉に動き出す。

「では、君にはその力を試してもらおう」

2025/05/22 22:11

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