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「お前は役立たずだ」と追放された俺、実は最強スキル『バグ検出』の持ち主だった件

#2

精霊王族の少女、フィリア

森の奥、焚き火の前。

フィリアは膝を抱えて震えていた。俺のローブを掛けてやったが、怯えた様子は変わらない。

「……ありがとう。でも、どうして助けてくれたの?」

俺は答えず、火に枝をくべる。そして、スキル《バグ検出》を発動。

《対象:フィリア
種族:精霊王族(隠蔽中)
状態異常:呪印拘束(解除可能)
スキル封印:外部干渉による制御コード発見》

「……やっぱりな」

「……な、何が?」

「君、スキルを封じられてる。何者かに“コード”を書き換えられて」

フィリアの目が大きく見開かれる。だが、すぐに目を伏せた。

「あなた……私の正体を知って、怖くないの?」

「正直、ビビってる。でも、見ちゃったものは仕方ない」

俺は笑う。

俺のスキル《バグ検出》は、文字通り世界の“バグ”──つまり、本来あってはならない嘘や歪みを見抜く力だ。だから、嘘の身分、捏造された戦績、封印された力……全部わかる。

「君に何があったのかは、話したくなったときでいい。今は、君の封印を解く」

「でも、それは……命の危険が──」

「“命の危険”なら、慣れてる」

俺は片手を掲げ、スキルを全力展開する。

《バグ修復コード起動──フィリアのスキル封印を解析・解除開始》

空間に薄い光が走る。次の瞬間──

フィリアの体から、眩い緑の風が吹き出した。

「……っ!」

風が一瞬、暴風となって俺を吹き飛ばす。しかしそれもすぐに止み、少女の瞳にかつてない光が宿った。

「……戻った……私の“風”が……!」

俺は地面に倒れながら、にやりと笑った。

「おかえり、フィリア」

その夜──
精霊王族の力を取り戻した少女と、追放された元冒険者の少年。
この世界に新たな“バグ”修正者が誕生した。

2025/05/16 21:18

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