リオたちの戦いは続き、次々と迫る試練に立ち向かってきた。
だが、彼らが予想だにしなかった強大な敵が、ついにその姿を現す時が来た。

「これまでの戦いで、俺たちの力は少しずつ強くなった。でも、次に立ち向かう敵は、今までのどんな相手とも違う」

アレンが少し前を見つめ、冷徹に言った。
その目の奥には、どこか不安そうな影が宿っている。

「リオ、この先に待ち受ける敵は、ただの魔獣ではない。あれは、闇の王、シャルドレアス」

「闇の王？」

フィリアがその名を聞いて、表情を固くした。

「シャルドレアス、あの伝説の魔王か……。奴がまだ生きていたのか」

リオがその名前に耳を澄ませると、アレンはゆっくりと続けた。

「はい。シャルドレアスは、かつて世界を滅ぼそうとした力を持っていた男。だが、封印されていたはずだ。しかし、何らかの理由で再び姿を現した」

その言葉に、リオは背筋を伸ばし、決意を新たにする。

「なら、俺たちがその封印を解く前に、倒さないといけないってことだな」

アレンが静かに頷く。

「その通りです。シャルドレアスを倒せなければ、世界がまた闇に包まれてしまう」

その時、遠くの空が暗くなり、雷鳴が轟いた。
突然、空に大きな裂け目が開き、そこから黒い霧が渦巻きながら降り注いできた。

「来たか……！」

リオの目が鋭く光り、剣を握りしめた。
その霧の中から、徐々に姿を現すのは、黒い鎧を身にまとった異形の男だった。
その姿は、まるで人間のようでありながら、どこか不自然で、異様な迫力を放っていた。

「シャルドレアス……！」

アレンがその名を叫ぶと、闇の王は静かに笑みを浮かべ、ゆっくりと歩み寄ってきた。

「そうだ。俺がシャルドレアス。お前たちが俺を倒せると思うか？」

その声は、まるで闇そのものから発せられているようだった。
リオたちはその圧倒的な存在感に圧倒されつつも、一歩も引かない。

「俺たちは、お前を倒す！」

リオが剣を構え、叫ぶ。
だが、シャルドレアスの笑みは変わらない。

「ならば、試してみるがいい」

その瞬間、シャルドレアスが手を振り上げると、空間が歪み、周囲の大地が揺れた。
リオたちがその異変を感じ取る暇もなく、地面から無数の闇の魔物が這い出してきた。

「これが……お前の力か！」

フィリアが風の精霊を呼び出し、魔物たちを吹き飛ばす。だが、魔物たちの数は無限に近く、どこからともなく湧き出してくる。

「俺たちだけでは、どうにもならない！」

アレンが呪文を唱えようとするが、シャルドレアスは冷徹な目で彼を見据え、言った。

「無駄だ。お前たちの力では、この闇の王には敵わぬ」

その言葉と共に、シャルドレアスが両手を広げ、空を覆い尽くすほどの闇を放った。
その闇の力が、リオたちを包み込もうと迫る。

「フィリア！」

リオは叫び、フィリアの手を握りしめる。
その瞬間、フィリアの手から、風の精霊が最強の力を放った。その風の力で、闇を吹き飛ばし、リオたちを守る。

「まだ終わらせない！」

リオが剣を強く握りしめ、闇の王に立ち向かう決意を込めて言った。

「俺が、お前を倒す！」

その瞬間、リオは全力でシャルドレアスに突進した。
シャルドレアスはリオを冷ややかな目で見ながらも、次第にその力を解放していく。

「お前のその力で、どこまで俺に立ち向かえる？」

リオの剣が光を放ち、シャルドレアスの闇と激突する。その力の衝撃で周囲の大地が割れ、雷鳴が轟く。

「これは……ただの始まりに過ぎない！」

シャルドレアスの闇の力がさらに膨れ上がり、リオを飲み込まんとする。その闇に飲まれそうになるが、リオは何とかそれを打破する。

「終わらせる！ 俺の剣で！」

リオの剣が再び閃き、シャルドレアスに直撃する瞬間、シャルドレアスは大きな叫び声を上げ、その闇の力を爆発させた。