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「お前は役立たずだ」と追放された俺、実は最強スキル『バグ検出』の持ち主だった件

#11

迫る闇、選ばれし者たち

リオたちの歩みは、ますます深い闇へと進んでいた。
アレンと共に進む霧の森は、だんだんと不気味な雰囲気を放ち、あたりの空気が重く感じられた。

「この先には何が待っているんだろう?」

リオがふと呟くと、フィリアが静かに答える。

「分からない。でも、私たちが進んだ先にこそ、答えがあるはずよ」

アレンが少し顔をしかめ、前を指さす。

「ここを抜けると、次の村がある。だが、そこにはもう、ただの村人は住んでいないかもしれない」

「どういうことだ?」

リオが尋ねると、アレンは言葉を選ぶように続けた。

「魔獣の出現に伴い、村の住民たちは力を欲し、古の魔法に手を染めた。だが、その力は制御できず、次第に異形の存在となった」

「異形の存在……それは、私たちの敵?」

フィリアの声に、アレンは静かに頷いた。

「はい。あの村には、魔法に囚われた者たちがいる。彼らは、もう人間ではない」

その言葉に、リオの心が重くなった。
だが、もう後戻りはできない。彼らはその村を目指して進むしかなかった。



村に近づくにつれて、異様な気配が強くなっていった。
リオたちが村の入り口に差し掛かると、突然、目の前に大きな影が現れた。

「誰だ!?」

リオが叫ぶと、影はゆっくりと姿を現した。
そこには、かつて見たことがない、異形の人間が立っていた。その顔は、どこか人間の面影を残しながらも、目が異常に光っていた。

「私は、ここで死んだ者たちのひとり。魔法に魂を捧げ、力を得た者だ」

その声には、冷徹な響きがあった。

「君たちのような者が、ここに来るとはな。だが、ここから先には進ません」

リオは剣を抜き、構えた。

「俺たちは、この村の者たちを救うために来た! それができるなら、どんな相手でも倒してみせる!」

異形の者はゆっくりと笑みを浮かべた。

「ふふ、力を持っている者が、力を求める者を倒す。その繰り返しだ。だが、君たちにはまだその力が足りない」

その言葉を聞いた瞬間、異形の者が手を掲げ、周囲の土地が震えだした。
突然、地面から無数の魔獣の手が伸び、リオたちを取り囲んでいった。

「くっ…!」

フィリアは風の精霊を呼び出し、魔獣たちを吹き飛ばそうとするが、次々と現れる魔獣の数は想像以上だった。

「このままでは、いつかやられてしまう!」

アレンが焦りながらも、魔法の杖を構えて呪文を唱え始めた。

「これで終わらせる!」

アレンの魔法が爆発的な光となり、周囲の魔獣を吹き飛ばす。だが、その力は完全には魔獣を打倒することができなかった。

「こんなものでは、終わらない!」

異形の者が叫ぶと、さらに新たな魔獣たちが現れる。
その姿は、ますます巨大化し、凶暴さを増していた。

リオはその光景を見て、心の中で決意を固めた。

「このままじゃ、みんなが危ない! 俺が行く!」

リオは剣を握りしめ、魔獣の群れに飛び込んだ。
フィリアとアレンもその背を追い、力を合わせて魔獣たちを倒し始める。

「この力を使う時が来たか!」

リオはその剣を空高く掲げ、強く振り下ろした。その瞬間、周囲の空気が震え、強力な光が剣から放たれる。
その光は、まるで神の力のように魔獣たちを一掃した。

「す、すごい……!」

フィリアとアレンは、その力に驚きながらも、リオの後ろをしっかりと守る。

「これで、終わりだ!」

その一撃が魔獣たちを完全に倒し、異形の者もその力に押し潰されて倒れた。

「お前……!」

異形の者が最後の力で立ち上がろうとするが、リオの鋭い視線にその足が止まった。

「もうお前たちの時代は終わりだ。俺たちが、世界を変えていく!」

その言葉を最後に、異形の者は完全に力尽きて倒れた。



村の中には静けさが戻り、魔獣たちも消え去った。
だが、リオたちが見たものは、ただの平穏な風景ではなかった。村の住民たちの中には、まだ目を覚まさぬ者たちがいる。

「これで、すべてが終わったわけじゃない」

フィリアが呟くと、アレンはしばらく黙ってから言った。

「はい。まだ、これからが本当の戦いです。
でも、リオが選んだ道が正しかったと証明するために、私たちは戦い続けなければならない」

リオはしばらく考え込み、そして頷いた。

「次は、もっと強力な敵が現れるだろう。でも、俺たちは恐れない」

その言葉を胸に、リオたちは再び歩みを進めていった。
次に待ち受ける試練が何であれ、彼らは前に進み続けるのだった。

2025/05/29 21:15

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