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「お前は役立たずだ」と追放された俺、実は最強スキル『バグ検出』の持ち主だった件

#10

新たな仲間と、終わりなき戦い

リオとフィリアは霧の森を抜け、新たな道を進んでいた。
しかし、まだ完全に安全とは言えない状況だった。
リオが目を凝らすと、遠くから何かが迫ってくるのが見える。

「リオ、あれ……?」

フィリアが指さす先に目をやると、そこには数人の影が見えた。
そのうちの一人が、リオたちに向かって近づいてきた。

「近づいてきます! 気をつけて!」

フィリアが警戒する中、その人物は一歩一歩確実に近づいてきた。

「誰だ?」

リオが問いかけると、その人物が突然立ち止まり、静かに答えた。

「私はアレン。魔法使いだ」

アレンと名乗るその人物は、深い緑のローブを身にまとい、精悍な顔立ちをしていた。
その瞳には、何か隠された秘密を感じさせるものがあった。

「魔法使い……?」

フィリアが少し驚きながら言うと、アレンは静かに頷いた。

「はい。あなたたちが、霧の森を抜けるのを見ていた。
その力が、もしかして“原初のコード”に関係があるのではないかと思って、追ってきたんだ」

リオはその言葉に少し驚きながらも、アレンに警戒を解かない。

「“原初のコード”に……?」

「はい。実は私も、その力に関心があって、長い間調べていた。
そして、あなたたちがその力を持っているなら、私も手を貸すことができるかもしれない」

その言葉に、リオはしばらく考え込む。
フィリアはアレンの真剣な眼差しを見て、静かに言った。

「あなた、私たちに何をしてほしいの?」

アレンは少しだけ微笑み、答えた。

「私もまた、世界を変えるために戦っている。そのために、あなたたちの力が必要だ」

その瞬間、リオは彼の言葉が嘘ではないことを感じ取った。
だが、アレンの力を信じるべきかどうか、まだ決めかねていた。

「リオ……」

フィリアが小さな声で呼びかけ、リオに答えるように言う。

「もしアレンが本当に信頼できるのなら、私たちと一緒に戦ってくれることになるわ」

リオはアレンをしばらく見つめ、その後に静かに言った。

「分かった。だが、信じるには時間がかかる」

アレンは頷き、リオの決断を待つ。

「それで構わない。私も、あなたたちと共に戦うつもりだ」

そして、その時、突然大地が揺れた。
周囲の木々が軋み、霧が渦巻く。何かが近づいていることを、誰もが直感的に感じ取った。

「何だ!?」

フィリアが急いで後ろを振り返ると、そこに現れたのは恐ろしい姿をした巨大な魔獣だった。
その姿は、まるで人間のような顔を持ちながら、獣の体を持つ異形の存在だった。

「なんだあれ……!」

リオが剣を握りしめ、構える。

「気をつけろ! あれは、魔獣の“バラード”だ。通常の武器では倒せない!」

アレンがその魔獣を見て警戒しながら言う。

「“バラード”!? そんなものがこんな場所に現れるとは!」

魔獣は低く唸り声を上げ、その大きな爪を振り上げてリオたちに向かって突進してきた。

「避けろ!」

リオはフィリアの手を引き、素早くその場を離れる。しかし、魔獣の一撃が地面を裂き、周囲の木々が次々と倒れていった。

「こんなものをどう倒せば……」

リオが焦る中、アレンが手を掲げ、呪文を唱え始めた。

「これで終わりだ!」

アレンの手から放たれた魔法の光が、魔獣に直撃する。だが、魔獣はその攻撃を受けても平然としている。

「効いていない……!」

アレンはさらに魔法を強化し、再び呪文を唱える。

「全力で行くぞ!」

その言葉と共に、リオも再び剣を振りかざし、魔獣に向かって突進する。

「フィリア! 後ろから援護してくれ!」

フィリアはしっかりと頷き、風の精霊の力を使ってリオをサポートする。
彼女の魔法がリオの剣に力を与え、リオの攻撃が魔獣の硬い皮膚を切り裂いた。

「行け、リオ!」

その瞬間、リオの剣が魔獣の心臓部を捉え、深く突き刺さる。
魔獣は一瞬、苦しむように鳴き声を上げ、力尽きて倒れ込んだ。

「倒した……!」

リオは息を切らしながら、剣を引き抜き、倒れた魔獣を見つめる。

「よくやった、リオ!」

アレンが微笑むと、フィリアも安堵の表情を浮かべた。

「これで、少しは楽になったかな?」

「いや、まだこれからが本番だ。あれはただの序章に過ぎない」

リオは前を向き、再び歩き出す。

「行こう、先に進むぞ」

アレンもその後を追い、三人はさらに深い冒険の中へと足を踏み入れていった。


2025/05/28 21:53

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