「あ、ちょ、どうしたん！？」


「不破くんが明那泣かせたー」




　　　俺は、あの夏にどれくらい

　　　とらわれていたんだろう .



　　　死ぬ●●ばかり見てきて

　　　一生このままなんじゃ、と

　　　考えたこともあった .



　　　耐えかねて自殺に踏み込んだ .

　　　ベッドから降りれなかった .

　　　そんなこともあった .



　　　どこに行っても

　　　どうしても逃げられなくて

　　　真っ暗なままで .



　　　ひたすら怖くて、夢みたいな

　　　現実を受け入れるしかなくて、

　　　●●を失いたくなくて .




『おれさぁ、ずっと怖かったんだって、』




　　　ふわっちとまゆゆの

　　　優しさと手の温かさが

　　　とにかく心地よかった .




「...」


「..明那」




　　　子供みたいに泣き出した俺を

　　　安心したような目で

　　　二人はずっと見つめていた .