二次創作
夢と現実
#1
「兄ちゃん、大好きだよ!」
幾度となく見た弟の夢の残像を見ながら、目を覚ます。夢の中の弟__コメルは笑っていた。まだ何も知らなかった、昔のように。
彼はもういない。かつての笑顔を見せてくれるのは、俺の思い出の中だけだ。彼はもう、俺の隣にはいないのだ。
だが。
夢から覚めた時に絶望が頬を伝わなくなったのは。
夢の中のコメルが、俺の腕の中で後悔の涙を流すのではなく、隣で笑うようになったのは、いつからだろうか。
現実に戻ってきた時に、夢と現実の違いを理解しながらも、こっちの世界で生きることにも希望を見いだせるようになったのは、いつからだろう。
それはきっと、あいつらのおかげだ。
横に置いていたガヴフォンが鳴る。ゆっくりと体を起こして液晶を見ると、通知が来ていた。あいつらからだ。どうやらまた、はぴぱれで何かするらしい。
あの三人らしい、騒がしい文面を見て、思わず笑みが零れる。立ち上がって、一度呼吸をする。上着を羽織ってから、帽子を軽く頭の上に乗せる。
俺には、あいつらがいる。そして、守るべき存在がいる。
扉を開けて、一歩踏み出す前に呟いた。
「いってきます」
いってらっしゃい、とコメルが笑ったような気がした。
幾度となく見た弟の夢の残像を見ながら、目を覚ます。夢の中の弟__コメルは笑っていた。まだ何も知らなかった、昔のように。
彼はもういない。かつての笑顔を見せてくれるのは、俺の思い出の中だけだ。彼はもう、俺の隣にはいないのだ。
だが。
夢から覚めた時に絶望が頬を伝わなくなったのは。
夢の中のコメルが、俺の腕の中で後悔の涙を流すのではなく、隣で笑うようになったのは、いつからだろうか。
現実に戻ってきた時に、夢と現実の違いを理解しながらも、こっちの世界で生きることにも希望を見いだせるようになったのは、いつからだろう。
それはきっと、あいつらのおかげだ。
横に置いていたガヴフォンが鳴る。ゆっくりと体を起こして液晶を見ると、通知が来ていた。あいつらからだ。どうやらまた、はぴぱれで何かするらしい。
あの三人らしい、騒がしい文面を見て、思わず笑みが零れる。立ち上がって、一度呼吸をする。上着を羽織ってから、帽子を軽く頭の上に乗せる。
俺には、あいつらがいる。そして、守るべき存在がいる。
扉を開けて、一歩踏み出す前に呟いた。
「いってきます」
いってらっしゃい、とコメルが笑ったような気がした。
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