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曲パロ

#3

ファタール(夢主無しver.)

『ルビー、アクア。愛してる』
[下線]また夢から覚める、[/下線]というのもこの夢をもう何度見ただろうか。
最近ずっと。そんな気がした。
「お兄ちゃん?あー!まだ寝てるの?ずるいよー!私もまだ眠いのに…」
ルビーの声。
寝てる?俺はもう起きてる。
──…ああ、目を開けていないからか。
なぜだか、目を開ければ夢でみたアイの姿を忘れてしまうような気がした。
「もう、起きてる」
ゆっくりと不思議と涙で[下線]濡れた瞼を開ける[/下線]
あの日の事を毎日のように[下線]狂おしいほど思い残[/下線]している。
だってそうだろ?
目の前でアイが殺されたのだから。
もう、あれは[下線]遠い日の[/下線]出来事。
それでも自分の[下線]無力さを呪う[/下線]ように凄し続けている。
この復讐もその呪いを解こうとしているのだろうか。
無駄なのに。


アイの写真を見つめる。
[下線]キラキラ[/下線]と輝く[下線]お星様を宿した[漢字]瞳[/漢字][ふりがな]eyes[/ふりがな][/下線]。
[下線]全てを孤独から救う[/下線]ようなそんな[下線]眩しい光[/下線]。
「すごいなぁ…」
若くしてストーカーに刺され死亡…。
アイを調べて分かったことがある。
「もしかして…。」
アイは[下線]カラカラ渇いて[/下線]しまうほど、それは[下線]可哀想な[/下線]ほど[下線][漢字]アイが足りなかった[/漢字][ふりがな]lack of 愛[/ふりがな]?[/下線]
まぁ、いっか。
「アクアくんの好みになれるように..!」

今日もまた復讐をする。
俺らの父親を捜す、ただそれだけと言ってしまえばそれだけの復讐。
ホント、父親には困ったものだ。
あの日から俺はカウンセリングを定期的に受け続けていた。
それでもトラウマは治らない。
アイを思い出す度、時々ではあるが体調を崩す時が多かった。
「[小文字]ホント、父親にはお礼を言いたいぐらいだ…。[下線]致命的な欠落をくれた[/下線]なって[/小文字]」
このままでは仕事にならない。アイを思い出す度なのだからそれが遠征先で起これば頼れる人間がいない。
定期的に起これば使う側も困るから使わなくなる。そうすれば父親捜しは難航する…。
まぁ、もとはと言えばアイなんだけどな。
[下線]身勝手な[漢字]巨星[/漢字][ふりがな]アイ[/ふりがな][/下線]のおかげで多くの人が人[下線]生[/下線]を[下線]狂わされた[/下線]と言っても過言ではないだろう。
あのストーカーも、父親も、俺らも。


「ねえ、ママ。[下線]お願い[/下線]してもいい?聞いてくれるだけでもいいの。」
ママのお墓参り。嫌になったことがあったりしたら時々来ちゃう。
「──…[下線]声を聞かせて[/下線]?」
そう言ってもママは返事をしてくれない。
風が吹くだけ。
心の中でぐちゃぐちゃになった気持ち。
「ママ、アイドルって大変だね」
ママみたいに輝いてるかなぁ。
[下線]絡まって歪んでしまった[漢字]傷[/漢字][ふりがな]夢[/ふりがな]さえくれたのは[漢字]アイ[/漢字][ふりがな]あなた[/ふりがな]だけ[/下線]。
[下線][漢字]心[/漢字][ふりがな]宿命[/ふりがな]に刻まれた痛みさえ武器にして[/下線]私はこの[漢字]世界[/漢字][ふりがな]芸能界[/ふりがな]で生きて見せるから。
私の、お兄ちゃんの、ミヤコさんの、社長の、[下線][漢字]あの日[/漢字][ふりがな]いつか[/ふりがな]の後悔すら照らせるように[/下線]。

──…結局僕はアイに依存し続けた。
いや、今も依存し続けているんだろうね。
アイとは似た者同士だと思っていた。
でも違った。
だって嘘は愛なんてアイは言うけれど、僕は愛は嘘だと思うから。
それでもあの時は理解しあえてるって思ってた。
ねえ、アイ。
「戻ってきて」
何て言うのはダメ?
命の重み。
それを僕はよく知っているはずなのにアイを間接的に殺してから何人殺しただろう。
アイに会いたい。
やっぱり僕は[下線][漢字]アイ[/漢字][ふりがな]あなた[/ふりがな]がいないと生きていけない[/下線]。
アイになら[下線]何もかも捧げてしまってもいい[/下線]と思える。
ねえ、アイ。あの時僕たちは愛し合えていた?
[下線][漢字]アイ[/漢字][ふりがな]あなた[/ふりがな]の愛がまだ足らない[/下線]のはどうして?
もっと、もっと、アイとずっと一緒に居たかったよ…。
「[下線][小文字][小文字]欠けたものは何で埋めたらいい[/小文字][/小文字][/下線]の?アイ…」
[下線]致命的な[/下線]程に足りない[下線]愛[/下線]。
[下線]運命的で、必然的なあい[/下線]。


「ア・ナ・タのアイドル」
完璧な角度で銃を手で作る。
「サインはB[漢字]♡[/漢字][ふりがな]チュッ[/ふりがな]」
ウィンクを決めながら投げキッス…。
うんうん、いつも通りよくできていると思う。
この会場全員のありと[下線]あらゆる視界をジャック[/下線]してさ、ねっ?
この私の[下線]輝きは[漢字]自己中心的[/漢字][ふりがな]エゴイスティック[/ふりがな]でしょ?[/下線]
頑張ったんだ~!
どうやったらみんなが好きな笑顔になるか1mm単位で調整しまくってるし!
ルビーとアクアの可愛い可愛い寝顔もばっちり見たし!
──…寂しい。
こんなにも皆が私の事を見てくれているのになんだか寂しい。
[下線]胸の奥[/下線]に[下線]仕舞いこんだ感情さえ[/下線]私は支障が出ないように[下線]引っ張り出して[/下線]ちょっとだけ寂しいに変える。
そうすればそのちょっとだけは簡単に埋まる。
寂しいという感情は消える──…。
この前、別れた男になんとなーく連絡を取ってみた。
ダメだった。
私から会わない方がいいかなって言ったのに会いたくなってしまった。
彼は年下で私に何でも話してきてくれるようなかわいい子。
本当は好きだった。愛してた。
でも彼の負担になるのが怖かった。
見てくれてるかな?


[下線]この[漢字]舞台[/漢字][ふりがな]芸能界[/ふりがな]で足掻くことを[/下線]俺たちは[下線]やめない[/下線]。
だって、私は[下線]ただ[漢字]一つ[/漢字][ふりがな]一人[/ふりがな]のアイに近づきたい[/下線]から。
俺は、[下線][漢字]あの[/漢字][ふりがな]アイ[/ふりがな]の星の光から零れた[漢字]闇[/漢字][ふりがな]涙[/ふりがな]のため[/下線]に。


「「「見ていてね、最愛の[漢字]ファタール[/漢字][ふりがな]魅惑な女性[/ふりがな]」」」


風が優しく吹いた。

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作者メッセージ

https://www.youtube.com/watch?v=8tQiWHXSGN0 
ファタール / GEMN - Fatal / GEMN

https://www.youtube.com/watch?v=PAcf55v6zqQ
【推しの子】第2期ノンクレジットオープニング|GEMN「ファタール」

2024/08/16 15:09

伊折 ID:≫ppBd7rNLoAd1k
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