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ネタバレあり

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曲パロ

#1

少女レイ

へぇ、理科でネズミの解剖を?
どうです?お嬢様は上手くできましたか?
血が怖くて無理だった?
それは実にお嬢様らしいですね。
そういえば、お嬢様はハツカネズミをご存じですか?
あまり知らない?では、簡単に説明しましょうか。
そもそも、日本では実験用に改良したり繁殖させたネズミを「マウス」と呼ぶのですが、それこそが実はハツカネズミなんです。
まぁ、さらに簡単に言ってしまえば、ハツカネズミは実験用として使われているものなんです。
おや、ハツカネズミが可哀そう?
そうですね、私もそう思いますよ。
人間もそうですが、[下線]本能が狂い始める[/下線]と、どれが正しいのかも、右も左もわからないものなんだそうです。
さぁさぁ、着替えて、朝ご飯を食べて来てください?
皆様が待ってらっしゃいますよ。

お嬢様を見送った後、自室に籠る。
普段ならパチンコへ向かうところだが今日は違った。
彼女のことを思い出していたから。

あれは人生一生分の悪夢だと思う。
誰にも、お嬢様にも、ご主人様にも、北見にも、魁星にも言えない悪夢。
俺の恋心から始まる“実験”で[下線]追い詰められた[漢字]ハツカネズミ[/漢字][ふりがな]君[/ふりがな][/下線]が線路に飛び出し、電車に轢かれてしまったのだ。
あの時、空っぽの頭に嫌というほど[下線]蝉の声[/下線]が頭に響いていた。
近くにいた大人に必死に宥められながら君の姿を確認した。
まだ、生きているかもしれない──…という、今思えば馬鹿馬鹿しい希望を膨らませながら。
線路に、[下線]お揃いのキーホルダー[/下線]が粉々になった状態で散らばっていてそれは俺を一気に絶望の底へと突き落とされたような気がしたよく、恐ろしいほどに覚えている。
[下線]二度とは[/下線]俺の元へ[下線]帰らぬ君[/下線]。
そんな現実を一気に見せつけられた気分だった。
[下線]夏が消し去った白い肌の[漢字]少女[/漢字][ふりがな]君[/ふりがな]に[/下線]嫌になってしまうぐらい。
そう、[下線]哀しい程 とり憑かれて仕舞いたい[/下線]程に、俺は君に──…。




おや、新聞ですか。
学生の自殺…?
そうですね…。最近はこのように自殺というニュースが多くて気が滅入ってしまいそうですね。
──…そういえば、知ってますか?お嬢様。
一年間で学生の自殺が最も多い日を。
それは、9月1日って言われているんですよ。
よく言われるのは、9月1日って多くの学校が夏休みを終え、学校へ行く日でしょう?
夏休みという長い期間で味わった嫌いな人やいじめっ子から離れることのできる快感は学校に行くということを苦痛に変えるんです。
だから、学校に行きたくないという思いが暴走し、不登校になったり、自殺をしてしまうんですって。
──…え、どうしてそんなに詳しいの?ですか…
そうですね、私が学生時代に好意を寄せていた方が自殺してしまいましてね。
それをきっかけに知っただけですよ。
──…全貌を教えてくれないと学校に行かない?
それは困りましたね。お嬢様、ご主人様に私もですが、お嬢様も叱られてしまいますよ?
さっ、学校へ行きましょうか。

[下線]9月のスタートを告げるチャイム[/下線]が響く。
クラスメートなどは皆、嫌そうに登校している。
本性というのが大体、この時期に現れるもので、そんな[下線]本性が暴れ始める[/下線]人も数名いた。
夏休みに入る前、虐められていた人は来なかった。
代わりのターゲットのような人を必ず誰かが選ぶ。
そして、[下線]次の標的に置かれた花瓶 仕掛けたのは“僕”だった[/下線]。
自分自身を嫌いになったらきっと生きてはいけない。
そう考えた僕は自分を守るための言葉の鎧を身に着けた。

[下線]そう 君が悪いんだよ
僕だけを見ててよ
そう 君の苦しみ
助けが欲しいだろ[/下線]

君のせいにして。
虐めの苦しみを知っているのにそれを逆に使い、助けが欲しいだろと何度心の中で呟いただろうか。
ある日、かけられた水でびしゃびしゃになった君に近寄りハンカチやらなんやらで拭いてる途中、バレないようにまるで水に[下線]溺れた[/下線]ようにしわしわな細く白い[下線]其の手にそっと[漢字]口吻[/漢字][ふりがな]kiss[/ふりがな]をした[/下線]
俺の心の中で暴れる[下線]薄笑いの獣たちはその心が晴れるまで爪を突き立てる[/下線]のだ。
夏にはそぐわないような[下線]静寂を切り裂くような[/下線]君の[下線]悲鳴が谺する教室の窓には[/下線]雲一つない美しい[下線]青空[/下線]が広がっていた。

[下線]そう君は“友達”僕の手を掴めよ
そう君が居なくちゃ居場所なんて僕には無いんだよ[/下線]

君が周りの人と俺と一緒の時よりずっとずっと楽しそうにするから。
たまに思う。
[下線]透き通った世界で愛し合えたら──。[/下線]と。



君が死んだとき。
ただの妄想かもしれないけど、
見えていたよ。
知っていたよ。
死ぬ直前、君は『私の分まで楽しんで生きて──』
そう言ってた事と、
[下線]透明な君は“僕”を指差してた事を──。[/下線]

そっと机の引き出しに仕舞っていた三枚の写真を手に取る。
「[小文字]ずっと、好きだったんだけどな…[/小文字]」
一体何処で俺は道を間違えたのだろう。
それはきっと最初からだ。
もし、やり直せるのなら。
でも、その資格は俺にはない。
「あ、魁星?北見?ちょっとさ、相談があるんだけど──…」
君の分まで生きよう。
あの言葉がたとえ、妄想の世界であろうとも。
いや、違うな。
俺は俺の分を楽しんで満喫して行こう。

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作者メッセージ

榊ネス様の一人称が曲を優先していますので違います。
年齢操作あり。
https://www.youtube.com/watch?v=PGzsIq-17ko←榊ネス様
https://www.youtube.com/watch?v=JW3N-HvU0MA&t=1s←本家様

2024/07/25 00:21

伊折 ID:≫ppBd7rNLoAd1k
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