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国姫が転生したのに、歌えないってどういうことですか!?〜0からやり直し人生〜

#2

国姫・ジゼル

 一⚪︎××年。
初めて国姫という座に就き、聖なる歌姫と呼ばれた人物がいた。
歌姫は国の宝であり、政権すら動かすことのできる。

 その歌姫のトップに初めてついたのは、当時16歳のジゼルという少女だった。
 ジゼルの歌声は、枯れた地を潤し、病に苦しむ人を救い、荒れた天気さえ左右した。
どんなに遠くにある小さな町でも駆けつけ、老若男女問わず歌い、救った。

 しかし、ジゼルに悲運が訪れる。
『聖なる歌姫、死す』
当時はやっていた「嘘つき新聞」の最前線だったオル新聞社が発表した新聞。
誰もが嘘だと呆れ、歌姫で遊ぶなと怒った。

 だが、他の新聞社も
『歌姫・ジゼル 何者かに刺されて死亡か』
というニュースを出したため、国中は同様に溢れかった。

 「ジゼルが殺された」
その事実は、国の発表により、明らかになった。
 ジゼルの遺体が発見されたのは、オル新聞社がジゼルの記事を出した日の朝。
起こしても起きてこないジゼルを心配して、部屋の中に入ったメイドが、寝台の上で横たわるジゼルを発見した。

 寝ている間だったのだろう。
かけ布団の上から一本のナイフで殺されていた。
ベットに一番近い窓が空いていて、カーテンが激しく揺れている。
犯人は、そこから侵入したと推測された。

 鑑定魔法というものがある。
鑑定魔法を仕事とする鑑定士は宝石の値打ちから探偵のようなものまでする。
 しかし、鑑定省の鑑定長を呼び、ジゼルを殺した犯人を魔法で詮索したが、何も出てこなかった。

 普通、鑑定魔法を使えば犯人がわかる。
魔法使いなら尚更だ。
ジゼルの体に触れたナイフはないが、刺した時に動いた魔力がジゼルに残るはずだ。
 しかし、魔力の痕跡ひとつ残っていなかった。
3階の、鍵をかけたジゼルの部屋に侵入するのだから、魔法使いで間違いない。 例え、魔力を持っていない人でも鑑定士の手にかかれば一瞬でバレる。
魔力を流さないような工夫をしたのか、後から消したのか、どちらにしても犯人は高度な技術を持つ魔法使いだろうということにされた。
 でなければ、魔法の痕跡を消す方法などこの世にないにだから。

 犯人が未確定なことに、国民から酷いブーイングが飛んだが、国もお手上げだった。

 謎は解明されないまま、ジゼルの葬式が執り行われた。
一般入場も許可し、墓場にはこれまでないほどの人が訪れ、花を添えた。
 多くの人がジゼルの死に悲しみ、国は長い間、暗闇に包まれたのである。
わずか、16年の人生だった。

作者メッセージ

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2025/05/10 19:39

あちゃぱ ID:≫ 2.0XvDvCgJqrM
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