国姫が転生したのに、歌えないってどういうことですか!?〜0からやり直し人生〜
声の主は、テルビア侯爵だ。
「少し良いか?」
侯爵に続いて、ベルは侯爵の書斎に入った。
侯爵の書斎はどこか冷たく、悲しい空間だ。
「大変だったの」
「いえ…」
「アイストから大体の話は聞いた。歌姫を目指しているようじゃな」
「はい」
再び熱くなる、別の体。
ベルは、侯爵に止められたら諦めようと思っていた。
しかし侯爵はふっ微笑んで言った。
「いいのう。諦めず、そのためにまず声帯を治すとは、いい考えじゃ」
「あ、ありがとうございます」
侯爵は、何かを探しているようだった。
戸棚の引き出しを開けては閉じ、また別の引き出しを開け、閉じると繰り返していた。
そして、何かを見つけたようで、取り出した。
「これはウレバナじゃ。知っておるじゃろう。魔力量を上げる効果のある薬草じゃ」
「これを…私にくださるのですか?」
ベルは大きく目を開いて驚いた。
探していたものがこんなにもあっさりと手元になるなんて。
「ああ。これで煎じた茶を飲めば、ざっと300は上がるじゃろう」
「300!」
ウレバナは緑の葉っぱで、その辺に生えていても気づかないような薬草だった。
「あっありがとうございます!」
うむ、と侯爵はいい髭を撫でた。
こんどこそベルは家に帰り、薬草を大切にしまった。
「少し良いか?」
侯爵に続いて、ベルは侯爵の書斎に入った。
侯爵の書斎はどこか冷たく、悲しい空間だ。
「大変だったの」
「いえ…」
「アイストから大体の話は聞いた。歌姫を目指しているようじゃな」
「はい」
再び熱くなる、別の体。
ベルは、侯爵に止められたら諦めようと思っていた。
しかし侯爵はふっ微笑んで言った。
「いいのう。諦めず、そのためにまず声帯を治すとは、いい考えじゃ」
「あ、ありがとうございます」
侯爵は、何かを探しているようだった。
戸棚の引き出しを開けては閉じ、また別の引き出しを開け、閉じると繰り返していた。
そして、何かを見つけたようで、取り出した。
「これはウレバナじゃ。知っておるじゃろう。魔力量を上げる効果のある薬草じゃ」
「これを…私にくださるのですか?」
ベルは大きく目を開いて驚いた。
探していたものがこんなにもあっさりと手元になるなんて。
「ああ。これで煎じた茶を飲めば、ざっと300は上がるじゃろう」
「300!」
ウレバナは緑の葉っぱで、その辺に生えていても気づかないような薬草だった。
「あっありがとうございます!」
うむ、と侯爵はいい髭を撫でた。
こんどこそベルは家に帰り、薬草を大切にしまった。