太陽の匂い
[大文字]5[/大文字]
「え、お母さんの家に?」
夏休みが始まり、さっそく夜更かしをしようとしていた真央のもとに、お母さんから電話がかかって来た。
電話の遠くの方で、赤ちゃんの鳴き声が聞こえた。
お母さんが向こうのお父さんと再婚して、一応真央の弟になる子供が生まれた。
今年で一歳になる。夏生まれの真央と違い、冬生まれのため、名前は冬空というらしい。
「そうよぉ。いつも電話だけで、お母さん寂しいのよぉ。
お父さんも、冬空も、美桜もみんな会いたいって言ってるわ」
一歳の冬空がいうわけないと真央は自分の頭の中で突っ込みながら、私も久しぶりに会いたいなぁと真央は思った。
「お父さんは?」
「お父さん?どっちの?」
「こっちの」
お父さんが二人だと、言い分けも大変だ。
「もちろん、許可は取っているわよぉ」
真央は机から『神様の言うとおり』専用神様の神を取り出した。
何年も使っているため、破れていたり、お茶などでシミができていたりしている。
シワのせいで神様は顔を顰めているようだ。
効果は変わらないから、神様の機嫌がよかろうが怒っていようが、同じだろう。
いちいち選択肢の紙を作るのもめんどくさいため、右を行く、左をいかないと決めて、無言で呪文を唱える。
「行く」
真央は自分の修学旅行に使った大きなカバンをベットしたから引っ張り出しながら言った。
「え?」
「明日行くから」
それだけ言って、真央は電話を切った。
それからいそいで、必要そうなものをバッグに詰めた。
「え、お母さんの家に?」
夏休みが始まり、さっそく夜更かしをしようとしていた真央のもとに、お母さんから電話がかかって来た。
電話の遠くの方で、赤ちゃんの鳴き声が聞こえた。
お母さんが向こうのお父さんと再婚して、一応真央の弟になる子供が生まれた。
今年で一歳になる。夏生まれの真央と違い、冬生まれのため、名前は冬空というらしい。
「そうよぉ。いつも電話だけで、お母さん寂しいのよぉ。
お父さんも、冬空も、美桜もみんな会いたいって言ってるわ」
一歳の冬空がいうわけないと真央は自分の頭の中で突っ込みながら、私も久しぶりに会いたいなぁと真央は思った。
「お父さんは?」
「お父さん?どっちの?」
「こっちの」
お父さんが二人だと、言い分けも大変だ。
「もちろん、許可は取っているわよぉ」
真央は机から『神様の言うとおり』専用神様の神を取り出した。
何年も使っているため、破れていたり、お茶などでシミができていたりしている。
シワのせいで神様は顔を顰めているようだ。
効果は変わらないから、神様の機嫌がよかろうが怒っていようが、同じだろう。
いちいち選択肢の紙を作るのもめんどくさいため、右を行く、左をいかないと決めて、無言で呪文を唱える。
「行く」
真央は自分の修学旅行に使った大きなカバンをベットしたから引っ張り出しながら言った。
「え?」
「明日行くから」
それだけ言って、真央は電話を切った。
それからいそいで、必要そうなものをバッグに詰めた。