伝説の勇者パーティーの大魔法使い。魔王を倒したのちスローライフをおくる
僕がリアムにあったのはほんの数十年前
僕たちハイエルフにとっては時間とはあってないようなもので、暇を持て余し
唯一得意であった魔法を極めていた時だった
「魔法使いはいるかーー!!」
本当に突然の訪問だった
なんでも腕のいい魔法使いがいると噂で聞いたらしく、手紙もよこさず陽の上がった直後に家の扉を叩き破りそうな勢いで訪ねてきた
そこからはとんとん拍子で話が進み僕は勇者パーティー一行の魔法使いとして、リアムの、いや、みんなのそばにいることになった
そこからいろんなところを旅した
難攻不落の大迷宮だったり、リアムがどこぞの王女様に惚れられ本当に旅が終わりそうだったり、戦士のアーサーが剣を賭博で大負けして売り払うことになったり…
碌な思い出がないけど、300年生きてきた中で一番好きな時間だった
まもなく僕たちは魔王を倒し、世界を救った伝説になった
「勇者様ーーー!!!」
「キャー!!!アーサー様だわぁ!!」
「オリヴィア様ぁー!!!可愛い!!」
「あ!みろ!!!ノア様だぞ!!」
黄色い声援に包まれ門をくぐる
アーサーが鼻の下を伸ばし、リアムが少し照れながら歩く、オリヴィアが僕の杖を持ってくれて…
今でも鮮明に覚えている
王様からの感謝の言葉を受け取った後、酒場にみんなで足を運んだ
もっとちゃんとしたレストランが良かったが、アーサーがどうしてもと言うので
僕は果実水を、リアムは少し背伸びをしてワインを、アーサーはいつも通りビールを、オリヴィアだけ美味しそうにパフェを頬張っていた
「いやぁ俺たちついに倒しちまったぜぇ?厄災の!!!大・魔・王を!」
「アーサー…もう酔っ払ったのかい?」
「何言ってんだよ!リアムじゃあるまいし」
ハハと話しているといつの間にかリアムは机に顔を置き幸せそうに寝息を立てていた
「あーあ…背伸びしてワインなんか飲むから…」
僕は自分のローブをリアムにかけてアーサーとオリヴィアと今までの旅の話をした
夜も更けた頃、アーサーは酔い潰れてグースカと床とご対面していた
「はぁ…勇者パーティーのうち二人が酔い潰れるとは…」
「アーサーは限度を知らないのです!」
とゆうに20個は声ているパフェの殻の容器の山に新たに容器を置いたオリヴィアが言う
「はは…」
乾いた笑いをこぼすとオリヴィアが大きな欠伸をする
「そろそろ帰ろうか」
僕が立ち上がるとオリヴィアも帰り支度を始めた
「アーサーたちはどうするのです?」
「うーん…」
迷いに迷った結果…
アーサーを浮遊魔法で浮かし、リアムを背負って店を出た
冷たく乾いた風が頬を過ぎる
しかし、その風には人々の笑い声や幸せな声が乗っており不思議と安心感のある風だった
「結局リアムは最後まで寝てたのです」
ふん!と鼻を鳴らしオリヴィアが言う
「…この子らしくていいじゃないか」
「…今日で…みんな…お別れなのに」
オリヴィアが声を落として言う
みんな各々の道に進むことが決まったのだ
リアムはどこぞのお姫様…改めてリリアン姫に嫁ぐことが決まった
元々、リリアンはリアムのファンで魔物から救ってもらった時に恋に落ちたらしい
リアムも満更ではないようで、よく城の近くまで行くと、リリアンと楽しそうに話しているリアムをみる
今日も式典の時に目配せをし微笑みあっていた
アーサーは冒険者として独り立ちするらしい
初めは王国の騎士団長に就任するか、と王様に言われていたのだが、
「あー、堅苦しいのは嫌だなぁ」
とアーサーが言ったため取り消しになったのだ
オリヴィアと僕でついていこうか話したが
「いや、後衛のいない不利な状況で戦いたい!!」
と頭身を燃やしていたのでそっとしておくことに
オリヴィアも王国の魔術師団長に推薦されていたが、なにぶん謙虚なもので
結局中央諸国の教会を回りながら神力を鍛えるために旅に出るらしい
僕はと言うと、一時期教えていた魔法大学から教員になってくれないかと要望がきたがありがたくお断りさせていただいた
魔法大学で教員として働いていた理由は魔法大学ないの本を読み漁るためだったので、全部読んでしまった今は、働く理由が見つからないのだ
しばらくは森の奥でひっそりと魔具の研究や魔法の本を読み漁るとしようと決めた
このようにみんなバラバラになってしまう
だから最後に飲みに来たのに
とオリヴィアは言いたいのだろう
「まぁ、最後も変わらずってことだよ」
僕はリアムを背負い直した
すると振動で目が覚めたのか、寝ぼけていたのかは定かではないが
ぼそっと
「僕らはいつまでも…一緒だよ」
と聞こえた
翌日、アーサーとオリヴィアは旅だった
僕は門の外まで見送ると言ったが二人がそれを拒否
なんでも悲しくなって行きたくなくなるらしい
なんとも二人らしい理由だ
仕方ないので魔鏡で近くを飛んでいる鳥の目を借り、2人の様子を門から出るまで見ていた
「寂しくなるね…」
「君も明日出るんだろう」
リアムは僕の肩に手を置き魔鏡を覗いた
「ほう、これはいい、アーサーに教えたら碌なことに使わなそうだけど」
「ははっ、確かに」
「君が出て行く時もこれで見ててあげようか?」
「いや、いいよ。リアムはそんなの見てたら悲しくて泣いちゃうだろう?」
「そんなことはない」
「元気でね」
「うん、君もね」
本当に突然始まった旅は、突然終わった
最後に話したことは元気でねという、なんとも普通な会話だった
僕たちハイエルフにとっては時間とはあってないようなもので、暇を持て余し
唯一得意であった魔法を極めていた時だった
「魔法使いはいるかーー!!」
本当に突然の訪問だった
なんでも腕のいい魔法使いがいると噂で聞いたらしく、手紙もよこさず陽の上がった直後に家の扉を叩き破りそうな勢いで訪ねてきた
そこからはとんとん拍子で話が進み僕は勇者パーティー一行の魔法使いとして、リアムの、いや、みんなのそばにいることになった
そこからいろんなところを旅した
難攻不落の大迷宮だったり、リアムがどこぞの王女様に惚れられ本当に旅が終わりそうだったり、戦士のアーサーが剣を賭博で大負けして売り払うことになったり…
碌な思い出がないけど、300年生きてきた中で一番好きな時間だった
まもなく僕たちは魔王を倒し、世界を救った伝説になった
「勇者様ーーー!!!」
「キャー!!!アーサー様だわぁ!!」
「オリヴィア様ぁー!!!可愛い!!」
「あ!みろ!!!ノア様だぞ!!」
黄色い声援に包まれ門をくぐる
アーサーが鼻の下を伸ばし、リアムが少し照れながら歩く、オリヴィアが僕の杖を持ってくれて…
今でも鮮明に覚えている
王様からの感謝の言葉を受け取った後、酒場にみんなで足を運んだ
もっとちゃんとしたレストランが良かったが、アーサーがどうしてもと言うので
僕は果実水を、リアムは少し背伸びをしてワインを、アーサーはいつも通りビールを、オリヴィアだけ美味しそうにパフェを頬張っていた
「いやぁ俺たちついに倒しちまったぜぇ?厄災の!!!大・魔・王を!」
「アーサー…もう酔っ払ったのかい?」
「何言ってんだよ!リアムじゃあるまいし」
ハハと話しているといつの間にかリアムは机に顔を置き幸せそうに寝息を立てていた
「あーあ…背伸びしてワインなんか飲むから…」
僕は自分のローブをリアムにかけてアーサーとオリヴィアと今までの旅の話をした
夜も更けた頃、アーサーは酔い潰れてグースカと床とご対面していた
「はぁ…勇者パーティーのうち二人が酔い潰れるとは…」
「アーサーは限度を知らないのです!」
とゆうに20個は声ているパフェの殻の容器の山に新たに容器を置いたオリヴィアが言う
「はは…」
乾いた笑いをこぼすとオリヴィアが大きな欠伸をする
「そろそろ帰ろうか」
僕が立ち上がるとオリヴィアも帰り支度を始めた
「アーサーたちはどうするのです?」
「うーん…」
迷いに迷った結果…
アーサーを浮遊魔法で浮かし、リアムを背負って店を出た
冷たく乾いた風が頬を過ぎる
しかし、その風には人々の笑い声や幸せな声が乗っており不思議と安心感のある風だった
「結局リアムは最後まで寝てたのです」
ふん!と鼻を鳴らしオリヴィアが言う
「…この子らしくていいじゃないか」
「…今日で…みんな…お別れなのに」
オリヴィアが声を落として言う
みんな各々の道に進むことが決まったのだ
リアムはどこぞのお姫様…改めてリリアン姫に嫁ぐことが決まった
元々、リリアンはリアムのファンで魔物から救ってもらった時に恋に落ちたらしい
リアムも満更ではないようで、よく城の近くまで行くと、リリアンと楽しそうに話しているリアムをみる
今日も式典の時に目配せをし微笑みあっていた
アーサーは冒険者として独り立ちするらしい
初めは王国の騎士団長に就任するか、と王様に言われていたのだが、
「あー、堅苦しいのは嫌だなぁ」
とアーサーが言ったため取り消しになったのだ
オリヴィアと僕でついていこうか話したが
「いや、後衛のいない不利な状況で戦いたい!!」
と頭身を燃やしていたのでそっとしておくことに
オリヴィアも王国の魔術師団長に推薦されていたが、なにぶん謙虚なもので
結局中央諸国の教会を回りながら神力を鍛えるために旅に出るらしい
僕はと言うと、一時期教えていた魔法大学から教員になってくれないかと要望がきたがありがたくお断りさせていただいた
魔法大学で教員として働いていた理由は魔法大学ないの本を読み漁るためだったので、全部読んでしまった今は、働く理由が見つからないのだ
しばらくは森の奥でひっそりと魔具の研究や魔法の本を読み漁るとしようと決めた
このようにみんなバラバラになってしまう
だから最後に飲みに来たのに
とオリヴィアは言いたいのだろう
「まぁ、最後も変わらずってことだよ」
僕はリアムを背負い直した
すると振動で目が覚めたのか、寝ぼけていたのかは定かではないが
ぼそっと
「僕らはいつまでも…一緒だよ」
と聞こえた
翌日、アーサーとオリヴィアは旅だった
僕は門の外まで見送ると言ったが二人がそれを拒否
なんでも悲しくなって行きたくなくなるらしい
なんとも二人らしい理由だ
仕方ないので魔鏡で近くを飛んでいる鳥の目を借り、2人の様子を門から出るまで見ていた
「寂しくなるね…」
「君も明日出るんだろう」
リアムは僕の肩に手を置き魔鏡を覗いた
「ほう、これはいい、アーサーに教えたら碌なことに使わなそうだけど」
「ははっ、確かに」
「君が出て行く時もこれで見ててあげようか?」
「いや、いいよ。リアムはそんなの見てたら悲しくて泣いちゃうだろう?」
「そんなことはない」
「元気でね」
「うん、君もね」
本当に突然始まった旅は、突然終わった
最後に話したことは元気でねという、なんとも普通な会話だった