トタタタタ、と冬馬と一緒に廊下を走る。
てっきり家に帰らせると思っていたけど、冬馬が「一緒にいて」と言ったから一緒にいる。
この場じゃ本当に何にも役に立たないけど、とりあえず迷惑にならないようにしておこう。

隣を走る冬馬は、相変わらずイケメン。
出会った時はいつもだるそうな顔してるなぁと思ったけど、そうでもない。
汗だくで疲れていたり、真剣なのか難しそうにしていたり。

でも、一番好きな顔は、笑った顔。
笑った時、目尻がくしゃっとなって、えくぼができるのが最高。
あ、あとキラッと光真っ白の歯も。
ころころ変わる表情に振り回されているけど、それが幸せ。

その幸せがいつまでも続くように。
これからの、私たちの日々を守るために。

　さっきまでいた部屋のドアの前に立ち、目配せする。
こくん、と二人で頷いて、僚太が扉を開けた。
僚太が入ったところを狙われたと言っていたから警戒したけど、なにも起きなかった。
奥で、若と仁さんが九条と萌と戦っていた。