ただいまヤクザ、修行中!!
[大文字]パン!!!!![/大文字]
「うっ!?」
右腕が、痛い。
痛いと言うよりは、暑い。
撃たれるなんて、初めてだ。
痛みで意識が飛ぶなんて、絶対にダメだ。
こんな敵地で倒れたら、殺される。
撃たれた腕をどうにかできるわけもないが、俺は後ろに立つメイドを見た。
「君は…ロボットか」
「…」
無言は、肯定の証。
相手も承知で黙っているのだろう。
それとも、声を発することはできないか。
九条は、ロボットの研究をしていると言う噂がある。
しかし、よくできているロボットだな。
肌の艶、呼吸のリズム、流れるような動き。
そしてこれは、戦闘能力までもっている。
そういうことか。
研究の目的は。
「戦闘はやめよう。いいことがない」
ロボットの特性や考え方がわからないと、どうも前に出にくい。
説き伏せることはできるのかな。
「尾田組が、なくなるであれば」
あ、話せるんだ。
「じゃあなにか連絡手段をちょうだいよ。お父さんに連絡するから」
「ダメです」
これは、ダメそうだな。
向こうは銃を持っている。
下手に近づけない。
その間も、俺の右腕は感覚を無くしつつある。
このロボットを倒さないと、平行線だな。