ただいまヤクザ、修行中!!
[大文字]番外編⑥ 今[/大文字]
[太字]僚太side[/太字]
夕食の時間。
今日も、夕菜に会いに行った。
この時間は、絶対に会いに行くと決めている。
本当は二十四時間会いたい。
夕菜が、心配だから。
何かとトラブルに巻き込まれるから、俺のいないところで怪我するとか、許せなくなる。
でも最近は、忙しい。
密偵の取り潰しがなかなか、手こずっている。
実はスパイを捕まえたのは、本庄で1人目なんだ。
先日の爆発事件の犯人も捕まっていない。
本庄以外にも、屋敷にはスパイがいるだろう。
野放しにするのは苦しいが、こちらの動きをヘタに悟られてはいけない。
俺は屋敷という屋敷に死角を作らないように、音声つき監視カメラを設置した。
街のカメラも増やし、二十三時間録画・監視できるようにした。
そのおかげで、完全に寝不足だ。
「あれ?」
夕菜は食堂にいなかった。
仕事が忙しいのかと思って、隅っこに座って待った。
でも、10分経っても、30分経っても、一時間経っても、夕菜は現れなかった。
さすがに、心配になってくる。
冷たい汗が、ほほを伝った。
とりあえず、じっとはしていられない。
俺は、屋敷中を探しまくった。
洗濯場、大浴場、内庭、右側、左側、大広間…。
見つからない。
外に行っているのか?
屋敷の周りだけ見に行こう。
外に出ると、日が沈み始めていた。
まずいな。
駆け足で歩いていると、前方から背の高い女性が来た。
外組の人かな。
「おつかれさ…」
「僚太さん!?だよね!?うちの夕菜知らない!?」
まさかの、夕菜の名前が出てきた。
「いや。俺も探しているところだ。君は…」
「ルームメイトの葵です!私、夕菜にドラックストアで薬を買ってきて欲しいとお願いしたんです…!」
じゃあ、夕菜は外に出たのか。
「なぜドラックストアに薬を?」
「友達の心が風邪を引いたのですが、私は忙しかったので」
「心?」
そんな名前の人、いったけな…?
「はい。情報組らしいですけど…」
「は?」
情報組には、太一、有紗、百合の三人しかいないはずだ。
どういうことだ?
「…っ!お願いしたのは、いつくらいだ!?」
「今から二時間前なので、4時くらいです」
「ありがとう!!」
俺は引き返して、部屋に駆け込んだ。
心。
そいつは絶対にスパイだ。
お兄ちゃん達に連絡する。
すると、すぐに部屋に集まってくる。
その間に、俺は4時ごろの監視カメラを探した。
「おい、急用ってなんだ?」
「夕菜が攫われた!心ってやつを捕まえてくれ」
「了解。夕菜ちゃんの居場所は?」
「わからない」
マウスを連打して、ドラックストア周辺を探しまくる。
どこだ…どこだ、夕菜…。
隣に、司お兄ちゃんがきた。
余ってるパソコンで、一緒に探してくれるみたい。
カチカチカチカチ…
「…お前がこんなに必死になるなんて、よっぽどあの娘が好きなんだな」
「はぁ!?」
「手、止めるな」
「えっちょっえ!?」
お兄ちゃん、今なんて言った!?
俺が、夕菜を好き?
よっぽど?
「違うよ。夕菜を心配してるだけ」
「だが、ただのやつじゃ、こうもならないだろ」
「うん、まあ」
確かに、夕菜は特別だ。
でも、それだって…
「夕菜がクソ親に虐待されてたからだろ。火事にもあってるし」
「その話だけど、今回に繋がっているかもしれないぞ」
え?
「どういうこと?」
「あっこれじゃないか?」
!?
「それ!そのまま時間をずらして!!」
夕菜が写っているカメラを発見。
ドラックストアから少し離れていたからか、見つけるのに苦労した。
お兄ちゃんはそのままそのカメラで尾行。
俺は転送してもらった夕菜の写真から、他に写っているカメラを探す。
「なんだ、ジジイ…」
夕菜は、あるお爺さんと話していた。
お爺さんはなにやら、困ってるみたい?
「!?」
お爺さんと離す夕菜の後ろから、黒い影。
クソッ!
地味にカメラの範囲からズレてやがる。
おじいさんはあっさりと、崩れ落ちた夕菜の体を抱えた。
こいつ、絶対ジジイじゃない。
そのまま、来た黒塗りの車に夕菜を連れ込んだ。
「お兄ちゃん!」
「了解!!」
電話で繋いで、お兄ちゃん達は居場所に向かう。
俺は車のナンバーで車を追跡する。
「この場から西南西に3キロ!」
お兄ちゃんに指示を出しながら一つ、腑に落ちない事が頭をよぎった。
市の目的は、なんだった、と。
確か、俺たちを潰すことだったはずだ。
もし夕菜を誘拐したのが、俺たちを誘き出す罠だったら…?
[太字]僚太side[/太字]
夕食の時間。
今日も、夕菜に会いに行った。
この時間は、絶対に会いに行くと決めている。
本当は二十四時間会いたい。
夕菜が、心配だから。
何かとトラブルに巻き込まれるから、俺のいないところで怪我するとか、許せなくなる。
でも最近は、忙しい。
密偵の取り潰しがなかなか、手こずっている。
実はスパイを捕まえたのは、本庄で1人目なんだ。
先日の爆発事件の犯人も捕まっていない。
本庄以外にも、屋敷にはスパイがいるだろう。
野放しにするのは苦しいが、こちらの動きをヘタに悟られてはいけない。
俺は屋敷という屋敷に死角を作らないように、音声つき監視カメラを設置した。
街のカメラも増やし、二十三時間録画・監視できるようにした。
そのおかげで、完全に寝不足だ。
「あれ?」
夕菜は食堂にいなかった。
仕事が忙しいのかと思って、隅っこに座って待った。
でも、10分経っても、30分経っても、一時間経っても、夕菜は現れなかった。
さすがに、心配になってくる。
冷たい汗が、ほほを伝った。
とりあえず、じっとはしていられない。
俺は、屋敷中を探しまくった。
洗濯場、大浴場、内庭、右側、左側、大広間…。
見つからない。
外に行っているのか?
屋敷の周りだけ見に行こう。
外に出ると、日が沈み始めていた。
まずいな。
駆け足で歩いていると、前方から背の高い女性が来た。
外組の人かな。
「おつかれさ…」
「僚太さん!?だよね!?うちの夕菜知らない!?」
まさかの、夕菜の名前が出てきた。
「いや。俺も探しているところだ。君は…」
「ルームメイトの葵です!私、夕菜にドラックストアで薬を買ってきて欲しいとお願いしたんです…!」
じゃあ、夕菜は外に出たのか。
「なぜドラックストアに薬を?」
「友達の心が風邪を引いたのですが、私は忙しかったので」
「心?」
そんな名前の人、いったけな…?
「はい。情報組らしいですけど…」
「は?」
情報組には、太一、有紗、百合の三人しかいないはずだ。
どういうことだ?
「…っ!お願いしたのは、いつくらいだ!?」
「今から二時間前なので、4時くらいです」
「ありがとう!!」
俺は引き返して、部屋に駆け込んだ。
心。
そいつは絶対にスパイだ。
お兄ちゃん達に連絡する。
すると、すぐに部屋に集まってくる。
その間に、俺は4時ごろの監視カメラを探した。
「おい、急用ってなんだ?」
「夕菜が攫われた!心ってやつを捕まえてくれ」
「了解。夕菜ちゃんの居場所は?」
「わからない」
マウスを連打して、ドラックストア周辺を探しまくる。
どこだ…どこだ、夕菜…。
隣に、司お兄ちゃんがきた。
余ってるパソコンで、一緒に探してくれるみたい。
カチカチカチカチ…
「…お前がこんなに必死になるなんて、よっぽどあの娘が好きなんだな」
「はぁ!?」
「手、止めるな」
「えっちょっえ!?」
お兄ちゃん、今なんて言った!?
俺が、夕菜を好き?
よっぽど?
「違うよ。夕菜を心配してるだけ」
「だが、ただのやつじゃ、こうもならないだろ」
「うん、まあ」
確かに、夕菜は特別だ。
でも、それだって…
「夕菜がクソ親に虐待されてたからだろ。火事にもあってるし」
「その話だけど、今回に繋がっているかもしれないぞ」
え?
「どういうこと?」
「あっこれじゃないか?」
!?
「それ!そのまま時間をずらして!!」
夕菜が写っているカメラを発見。
ドラックストアから少し離れていたからか、見つけるのに苦労した。
お兄ちゃんはそのままそのカメラで尾行。
俺は転送してもらった夕菜の写真から、他に写っているカメラを探す。
「なんだ、ジジイ…」
夕菜は、あるお爺さんと話していた。
お爺さんはなにやら、困ってるみたい?
「!?」
お爺さんと離す夕菜の後ろから、黒い影。
クソッ!
地味にカメラの範囲からズレてやがる。
おじいさんはあっさりと、崩れ落ちた夕菜の体を抱えた。
こいつ、絶対ジジイじゃない。
そのまま、来た黒塗りの車に夕菜を連れ込んだ。
「お兄ちゃん!」
「了解!!」
電話で繋いで、お兄ちゃん達は居場所に向かう。
俺は車のナンバーで車を追跡する。
「この場から西南西に3キロ!」
お兄ちゃんに指示を出しながら一つ、腑に落ちない事が頭をよぎった。
市の目的は、なんだった、と。
確か、俺たちを潰すことだったはずだ。
もし夕菜を誘拐したのが、俺たちを誘き出す罠だったら…?