夜になると、屋敷がもっと騒がしくなった。
夕食にも、みんなバラバラに来て、すぐに食堂を出てしまう。
大丈夫なのかな？

　騒がしくても、仕事はしなくちゃ。
センパイに言われて、私とりくさんで組長達の大浴場に向かった。

りくさんは日本人形みたいな、可愛い男の子。
大きい目がほんっとに可愛いの！
一応センパイだからりくさんって呼ぶけど、りくくんって呼んでみたい！

そんな天使が隣を歩いてるもんだから、あ〜〜幸せ！
その時、

バアアアアアアン！！！！

すぐ後ろで、大きな音が響いた。
大きな音と、暴風で私の体が吹き届いた。

やばいっと思った時はすでに、床に向かって落ちる。
ああ…終わりだ。

　「夕菜！」

あれ、痛く…ない。

「…っ！大丈夫か！？」
私に下敷きになるようにして、僚太がいる。
なんでここに！？

「え…あ、はい…」
「よかった」

私はすぐに上から退いた。
助けて、くれたみたい。
にしても毎回この人、タイミングが良すぎ。
神みたい。

辺りを見渡すと、私と同じように飛ばされた人が五人くらいいた。
その中央に、大きな穴が空いていた。
爆弾？
床も天井も、気でできてるからバキバキだ。

「あっりくさん！」
りくさんも私と同じ方向に飛ばされていた。

私はりくさんの方に駆け寄ろうとしたら、右腕が動かなかった。
「…え？」
右腕には、大きな木の破片が刺さっていた。
痛すぎるのだろう。
もはや、感覚はなかった。

りくさんの周りには血が広がっていて、震えが止まらない。
何が起きたの？
怖いよ。

私は、気を失った。