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このお話はフィクションです。
実際の団体、お店などに関係はありません。

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ただいまヤクザ、修行中!!

#25

番外編③ 司×翠 3/3

 「翠がどうしたんだ!?」
らしくない。
弟に怒鳴るなんて。

しかし冬馬は怯えることなく続きを言った。

 「翠って人がさっき、見ない車に乗せられてて…」
「なんだと!?」

俺はガタンっと大きな音を立てて、椅子から立ち上がった。

「それはどこだ!?」
「今スマホに送った。南商店街のハズレ、川の高台の道路だよ」

 俺はすぐに飛び出した。
翠、翠!!

スマホを見ると、冬馬から地図が送られていた。
追って、車のナンバーも。
「どけ!」
人並みを賭け分けて、ひたすら走った。

「すいー!」
しかし、車に乗せられたのなら、その場にいるはずがない。
よくよく考えたそうだ。

 すると、冬馬から電話がかかってきた。
『今こっちで同じナンバーの車の目撃を集めてる。
その道、まっすぐ進んで!』
「わかった」

走りながら、冬馬に電話で話を聞く。

『実はなんだけど、翠って人、親から虐待受けてるみたいでなんだ。
もしかしたらだけど、売られたかもね』
「はぁ!?」
翠が?
しかもこの町で!?

『あっそこ右!
まっすぐ言ったら右にバイク屋があるから、そこでバイク借りて!
そこのおっちゃんには連絡してるから!』

言われた通り右に曲がったら、バイクを前に俺に手を振るおっさんがいた。

「ありがとう!!」
告白する。
 俺は、バイクに乗ったことがない。
まずまず捕まるし、事故る。
だが、翠のためだ。
 乗り方は知っている。
行ける!

 ブイイイイイインと警戒な音がして、バイクが動き出した。
大丈夫。
自転車と一緒だ。
…違うけど。

スマホはポケットに突っ込んで、スピーカーにして、爆音にした。
ぎりぎり、冬馬の声が聞こえた。

 『仁兄さんの学校の近くで目撃があったから、兄さんにも行かせてる!』
「仁が!?」
仁が!?
行くはずがないだろう、あんなやつ。

 『お兄ちゃんがいないとこで、兄さんと翠のこと、話してたんだ。
美人だよなぁって』
「なんだよ、それ!」
気持ち悪りぃ。
仁のくせに!

 車が入ったという車庫の近くのコンビニにバイクを置き捨てて、俺は車庫に近づいた。
仁が入り口ですでに待っていた。
足元には、伸びた男が2人。
見張り役だったんだろう。
ご秋霜様。

 仁と2人で目配せし、車庫の入り口のガレージを蹴った。
中から、騒ぐ声が聞こえた。
バキバキになったガレージを避けて。中に突入した。

 「翠!!!!」
部屋の中に翠が1人、腕を括られていた。
「男、13人」
仁が俺に耳打ちした。

 俺たちは一斉に相手を殴りにかかった。
2人対13は、
「どうってことないぜ!!」

 右、下、背後…。
翠が怪我しないように、ぶっ飛ばしたやつは壁に投げる。

「はっザコだな」
男たちはどんどん減っていき、俺と仁はほとんど無傷だ。
その時だった。

 「兄貴!7時!!」
パアアアアアアン!!!!
 仁が方向を言った瞬間匂う、火薬の匂い。
それを感じた時にはすでに、俺は倒れ込んでいた。

「兄貴!クソ!!」
眩暈がする。
「司!」
翠が駆け寄ってきた。
腕縛られてんのに、まだ敵いるってのに。
「司!大丈夫!?」
「ああ」
 「ごめんね…私のせいで…」
!?
「違う。
翠のせいじゃない。
これは、俺がボンクラだったせいだ」

 薄れる意識の中、あたりが静寂になった。
仁が全員倒したんだろう。
 タイミングよく、パトカーのサイレンの音が聞こえる。
冬馬が連絡したんだろう。

 「翠…」
俺は手を、翠の頬に当てた。
ああ。
血まみれだ。

「好きだ」

そこで俺は、意識を失った。

 俺が病院のベットで目覚めたのは、三日後のことだった。
冬馬の言っていた通り、翠は虐待にあっていて、親に売られたんだそう。
親も、あのザコも、全員逮捕。
翠は今、あの家に1人で住んでいる。

 俺が退院して(目覚めて2日で完治した)家に戻り、翠を家に呼び寄せた。
翠は俺がヤクザだということに驚いたが、
 「いつも街を、私を守ってくれてありがとう」
と言った。
感謝を言われるとは、思ってもいなかった。

 それから改めて告白したら、なんと付き合うことになった。
これが、俺と[漢字]翠[/漢字][ふりがな]すい[/ふりがな]の出会いだった。

番外編③ 完

作者メッセージ

終わった〜〜〜〜!
司、よかったね!
これで暴力も小さくなって、今の形になるんだね!

仁とも仲直り(?)できてよかった!

ここまで付き合っていただいた方、ありがとうございました!!
それでは明日から、本編に戻りましょう!!!!

2025/05/12 17:33

あちゃぱ ID:≫ 1.5LHN/5O97I6
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