そこで、小さな公園を見つけた。

本当に小さくて、雑草が伸び放題の公園。
遠くで、ガタンゴトンと電車の音がする。

　音の方に行くと、今にも崩れそうなボロボロを柵があった。
柵の下に、線路があって、電車が走っている。

　公園には小さな象の滑り台とベンチだけが、砂まみれになって置かれていた。

「はぁ」

ベンチに座って、線路のある方を見た。
夕日が、沈み始めている。
もうすぐ暗くなってしまう。
早く帰らないといけないのに。

ふと、自分の腕を見た。
何も考えず、ただ、さりげなく。

その瞬間蘇る、あの記憶。

燃え盛る炎。
人々の悲鳴。
両親の、最後に聞いた声。

　「うぅ…」

涙がポロポロ出てきて、止まらない。

「会いたい…会いたいよ、お母さん！お父さん！」

「どうしたの？」