「み、美咲ちゃん…」
そこには、ブランド物の服に身を包んだ、ツインテールの美咲がいた。

「あんた昨日、どこいってたのよ。
あんたがいないせいで、大変だったのよ」
「ご、ごめんなさい」
はぁと、美咲はため息をついた。

息が、しにくい。
怖い。
叩かれたくない。
心が、痛い。

「あんた、一週間ご飯抜きだって、ママが」
そんな…。

「あっあのね、美咲ちゃん」
「あんたに名前呼ばれるとか、マジで耳障り。早く消えてくんない？」
「あっごめんね」

慣れているけど、やっぱり辛い。
目の奥がじわっと滲んできた。

　その時、
「あ、夕菜！やっときた！！」
リビングのドアが開いて、後ろから声をかけられた。
さっきも聞こえた、この声。

「早く入って！説得するよ！」
声の主は、僚太さんだった。